北山舎は、北山が故郷ではない外部の若者たちの志のもとにスタートしました。それぞれが異なる出自や専門でありながら、みな所属や立場問わず個人として北山に魅力を感じ、北山舎の理念に共感した緩やかで独立的な集まりです。いつか北山が新たな故郷になるようにと願いながら、それぞれが取り組んでいます。
建築史家
1986年静岡生まれ東京郊外育ち。早稲田大学大学院で建築史を修了。2013年より京都に移住、建築リサーチ集団RADに参画。2016年から2019年まで奈良文化財研究所文化遺産部景観研究室に在籍し、北山杉の里・中川に調査研究で通いつめ、縁あって空き家を購入。現在は京都工芸繊維大学に博士後期課程で在籍しながら、学術と実務の両面から建築史や文化的景観にアプローチしている。2021年より京都建築専門学校講師。
北山を初めて訪ねたのは東京の学生の頃で、一人旅ででした。京都へ移住し、期せずして前職で北山に通いつめることとなり、5年間の調査研究で北山の建築と風景と人に惚れ込みました。土地に根付いた生活や生業によって生み出された建築や風景をこよなく愛しており、京都の歴史や文化を支えてきた北山の持続可能性を自分の専門性を活かしたり様々な有志と地域の方とともに探っていきたいです。
大谷大学教授
1964年佐賀県伊万里市生まれ。京都市修学院在住。専門は社会福祉、地域福祉。地域における生活問題を調査を通じて明らかにすることを研究の柱にしている。「くらし」と「なりわい」をキーワードに、2015年よりゼミの活動として中川学区に入り、集落単位での調査やサロン活動、行事への参加をしてきた。
北山界隈は、四季折々に景色を楽しむことができる地域。その景色は、ほぼ全てが人の手によるもの。長い年月の中で、生業と美意識が一体になって創り出してきたもの。ただ観るだけじゃもったいない、物語を聞かせてくれる人に会いにく場所。中川に関わりを持ち出して数年経った時からそんな感覚になっていまを迎えています。
美術家、kumagusuku代表
1980年大阪生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業。美術家としての活動と並行して京都市内で宿泊型アートスペースkumagusukuを開業。2020年には小規模アート複合施設に業態を変えリニューアル。また、シェアスタジオの運営やアーティスト向け賃貸プロジェクト「BASEMENT KYOTO」、アトリエから出る廃材を流通販売する「副産物産店」など、アートのインフラに関わる事業を展開。
私は美術家ですが、初めて北山(中川)を訪れたときに感じた“ものづくりの気配”を今も覚えています。木造倉庫群はもちろん家屋に接して建てられた林業倉庫には日常と隣り合わせにあった“ものづくりの気配”が今もなお息づいています。きっとそんな気配が多くの人を惹きつけてやまないのだろうと思います。
弁護士
1982年生まれ。東京在住。2012年に早稲田リーガルコモンズ法律事務所を設立、パートナー弁護士。弁護士として文化財や景観、保護、まちづくりに携わる他、最近は空き家問題にも取り組む。一般社団法人日本イコモス国内委員会理事。旅をこよなく愛し、日本全国を回る中で北山杉と出会って参画。
東京の人間にとって京都は、一度は住んでみたい憧れの場所です。京都に足繁く通っていると、豊かな自然環境と共にもっと広がりをもって京都は存在し、時を刻んできたことに気づかされます。急峻な谷あいに流れる川と橋、そして木造の倉庫。これらを囲むように凛と立ち並ぶ北山杉。これらを守り、次の時代にも繋いでいくことは日本人にとっての心の故郷である京都を守っていくことなのだと感じます。
アートメディエーター
1985年岡山県真庭市生まれ。京都市の若手芸術家支援事業「HAPS(東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス)」(2011〜)の立ち上げに携わる。関西圏を中心に、アート等の各種執筆、展覧会やイベントの企画、コンサルティングなどをおこなう。京都市立芸術大学芸術資源研究センター非常勤研究員。僧侶(浄土真宗)。
中川は、山あいの谷間の集落に暮らした子供の頃の風景によく似ている気がします。向こうの山のシルエットにゆっくり沈む赤い夕日を眺めたこと、登下校のとき製材所の横を通るといつも木のいい香りがしたこと、そんな身体感覚が鮮やかに蘇りました。ずっと続いてほしい風景のことを、立ち止まって考えさせてくれる、私にとって中川はそんな場所です。
銭湯工務店勤務
1992年大阪府生まれ。銭湯と町中華を愛する関西人。京都にて学生時代を過ごし大学院では都市史・集落史を専攻。修士研究では中川の地形・土地所有から建築、集落、山林地などの空間について考察した。文化的景観調査にも参画しどっぷり中川の調査を行なってきた。2020年より大阪を中心に銭湯の営繕を行う工務店にて勤務。銭湯で仕事をして銭湯で疲れを癒して帰るという生活を送っている。
初めて北山(中川)を訪れたのは学生時代の調査研究でした。大阪で生まれ育った私にとって北山の土地に根ざした建築や文化のあり方はとても豊かに感じられ、訪れる度にその魅力に気付いていきました。またこの土地に関わる人々から聞いた江戸期より続く村のお話は受け継いでいくべき地域の歴史です。そんな歴史を大切に紡いでいきたいです。