中国系住民で「鉄くず産業」への参入相次ぐ 長野県
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県内在住の中国系住民の間で鉄くずなどを回収、輸出する「鉄スクラップ産業」への参入が相次いでいる。背景にあるのは、鉄スクラップの世界的な需要の高まりと価格の高騰。中華系の輸出関連業者とのパイプも生かし、業績を伸ばしている。かつては県内で中国人の起業といえば中華料理店の開業が代表的だったが、新型コロナウイルスの拡大による飲食業界の苦境もあり、最近は転業者も出てきているという。
県資源循環推進課によると経営者の出身国や国籍別の統計はないが、「中国人が作った会社はこの3年で知っているだけで十数社。実際はもっとあると思う」と言うのは、15年ほど前からスクラップ事業を展開する北山商事(長野市)の北山聡明社長(45)。「近年は売り上げが倍々で増えている」
北山社長は中国東北部のハルビン市出身。中国残留婦人だった祖母を持つ日本人女性と結婚し、20歳で来日した。水道会社に勤務していた際、鉄くずを有料で処分しているのを見て鉄スクラップ業に着目。現在は鉄スクラップの5割が国内向けで、残り5割は直江津港(新潟県上越市)から中国や台湾、東南アジアに輸出している。現地業者が溶かして加工し…
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