新銀行名「そのままはない」 八十二銀と合併方針の長野銀・西沢頭取 「2本店体制」検討

長野銀行本店

 長野銀行(松本市)の西沢仁志頭取は3日、八十二銀行(長野市)と基本合意した合併方針を巡り、両行の名称のどちらかをそのまま新たな銀行の名称に採用することはない―との考えを示した。信濃毎日新聞の取材に答えた。2025年6月をめどとする合併後の体制について、長野、松本の両市に本店を置くことを検討しているとも説明。両行の資産規模などは異なるが、「対等の精神」で合併を進めると強調した。

 西沢頭取は、新たな銀行の名称について「(両行の名称を)足した名前になるかもしれないし、全く新しい名前になるかもしれない」とした。両行は3日、西沢頭取と八十二銀行の松下正樹頭取を共同委員長とする統合準備委員会を設置したと発表。新たな名称などについて、八十二銀行は「委員会で検討する」(企画部)とした。

 西沢頭取によると、合併後の登記上の本社は、八十二銀行がある長野市となる見通し。一方、長野銀行の地盤の松本地域を含む中南信を手厚くカバーする本店を松本市にも設けたいとした。西沢頭取は2本店体制とする理由を「平等の観点から」と説明。2本店は両行の既存の建物を活用する方針とした。

 両行は23年6月1日をめどに、八十二銀行が株式交換によって長野銀行を完全子会社化する方針。その2年後をめどに合併する。両行の22年3月末の総資産(単体)は計14兆5248億円。全国地方銀行協会(東京)によると、同協会加盟の地銀62行中、単純計算で6番目。横浜銀行(横浜市)、福岡銀行(福岡市)、千葉銀行(千葉市)、常陽銀行(水戸市)、静岡銀行(静岡市)に次ぐ規模となる。

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