「はおぉお」
と、リコは疲れきったからだに最後の力を振り絞るように呟いた
「10日間とはいえ疲れるな…」
「今日は沢山休もう」
冷静にレグはリコにいう
「偽物の命なのにね〜」
突然電池が切れたようにレグがその一言に固まる
「痛みとかも感じるんだ〜」
と冗談でもあるがリコは水を飲みながら言う
レグは黙ってシーカーキャンプの外へ行ってしまう
「あれ?レグ、どこ行くんだろ…」
リコは疲れていて早く寝たかったのでレグのことを信用して今日は眠ることにした。
でもどうしてもレグのことやオーゼンさんに言われたことが気になって頭の中でぐちゃぐちゃしてしまった
「うぅ」
私、本当は生きてないしゾンビ状態…それでもみんなは普通に接してくれるし優しくしてくれる、変だとずっと思ってたのかな…
寝っ転がりながら丸まる
考えているうちにだんだんとうとうとしてきたので、
レグはそのうち帰ってくるだろう。と思いこのまま眠ってしまうことにした。
何時間だっただろうか、リコはトイレへしに起きた
「ん…トイレ…」
八っとしたリコはおねしょのことを思い出して早足でトイレへと向かった
(いつもおねしょしてる訳じゃないもん!ちゃんとトイレ出来るし!たまたまだっただもん!)
と誰も責めてはいないが申し訳なさと恥ずかしさで自分に言い聞かせ認めなかった
「ふうぅ」
トイレをすませたリコはベットへと向かった
ガチャ
「あ、レグ。帰ってたんだ」
ベットの上でリコのヘルメットをじっと見つめていた
「…お、あぁリコ」
「何も言わず出ていってすまなかった」
レグは少しリコの方を見たら直ぐにヘルメットの方へとむいてしまった
リコはベットにもぐる
「ねぇ、レグ眠くないの?」
「そろそろ寝ようと思っている。心配かけてすまない」
「そっかぁ、おやすみレグ
夜更かしはダメだよ〜」
「ああ、おやすみ」
元々リコは寝る気なんてなかった、レグの様子がおかしいことなどわかっている
(レグには悪いけど少し観察させてもらうから!)
観察をしていてもレグはリコのヘルメットを撫でたり見ているだけだった。そんなにヘルメットが好きなのかな?なんて考えていると突然レグは泣き出してしまった。
さすがにリコも黙ってはいられない
「レグ!」
「ハッ…リコ」
「どうしたの?何か辛いの?」
ベットから飛び起きレグを慰める
「なんでリコはそんなに前向きなんだ?」
「え?」
どうしてレグが突然そんなことを聞いたのかがわからず動揺を隠せない
「私って前向きかなあ?」
頭をポリポリと書きながら笑いながら言う
「だって!リコは、自分が死産で生まれて、遺物の力で動いているだけ、と聞かされてどう思ったんだ!」
「そんなことを聞いても僕を導いてくれたり、気にしていなかったようじゃないか!」
レグはヘルメットを置いてリコの目をじっと見つめながら言った
「わっ、私だって悲しいよ!」
「自分が実は遺物の力で動いてること、最初は嘘だと思ったオーゼンさんの嘘だって思ってた」
「だけど…お母さんが…」
リコは悩んでいたことを全てぶちまけてしまおうと思えば思うほど不安が積もって泣いてしまう
「お母さんが…私に伝えてって…オーゼンさんと約束ぅっ…してぇ……」
「お母さんが言ってたんだから信じるに決まってるでしょぉおぉっ!!」
今まで笑って誤魔化していたのが爆発して辛さをレグに当たってしまった
レグも驚いていたがすぐにまた悲しい顔になって歯を食いしばった
「すまん!こんなことを聞いてしまって!」
レグはリコを抱きしめた
機会の手だったがその手にはレグの気持ちがこもっているようで暖かく感じた
「リコはっ辛い現実にも目を向け頑張っていたんだな!!すまない!本当にすまない!」
レグもすごくないているのがわかった
「うっぐっ」
「おっあぁっ」
リコもレグの背中に手をまわした
「ありがとぅっレグ…私レグがいなかったらっ1人でっとっくに心が折れてたっ」
「大好きだよぉっレグっ」
レグが自分を支えてくれている優しさと、自分の状況をよく理解してくれる、というのでリコの目からもっと涙が溢れた
「僕もだっ、辛い時にリコがいてくれたから、頑張れたんだっいつでも僕を引っ張って導いてくれたっ」
「大好きだっリコォ」
2人はしばらく抱き合った後に眠ることにした
布団にもぐる
「ありがとう、レグ!」
「レグのおかげで気持ちが楽になった!」
と本当の笑顔でレグに言う
「もちろんだ、リコが不安な時には僕が慰める、そばに居る」
レグもリコの笑顔でつられわらう
「もう寝よっか、明日は出発だし夜更かしはよくない もんね!」
「そうしよう、おやすみ」
「おやすみ!」
そうして、2人は眠りについた
翌朝
2人は少し寝坊してオーゼンやマルルクがいる元へと向かった
「今日は遅かったですね。色々なことが悪夢になっちゃいましたか?」
マルルクは相変わらず優しくレグとリコに聞く
「全く、マルルクは早寝し過ぎだからわからないんだ、夜2人に何があったかを」
「うるさくて眠れやしなかったのに」
レグとリコはビクッとなるがマルルクにはなんのことかがさっぱりわからないようだった
そして2人は、目を合わせお互いの愛を想ったのであった__