ショーの開始前には、会場のスクリーンに三宅一生の写真とメッセージが映し出され、ジョン・レノンの名曲「イマジン」が流れた。これは1973年から50年近くパリでコレクションを発表し続けてきた三宅デザイン事務所から、パリの街やオートクチュール組合(通称サンディカ)、世界中の関係者への感謝の気持ちを表したものだったという。会場からは、拍手がわき起こった。
自作した彫刻の形を柔らかく表現
今季のテーマは、「呼吸するかたち(A Form That Breathes)」。デザインチームは、コレクションの制作前に土を捏ねて、彫刻作りを行ったという。デザイナーの近藤は「新しいプロポーションを模索するために着想源となる彫刻を自作しました。彫刻は硬いイメージがありますが、柔らかく一枚の布で表現しながら、呼吸をしているように生き生きしたコレクションにしたいと思いました」とバックステージで話した。インビテーションには、実際に作られた彫刻の写真が載せられており、会場にもそのプロセスで生まれた形を生かした光のオブジェが置かれていた。