最先端のドローン技術が集結!「第一回ドローンサミット」をレポート

皆さんは「ドローンサミット」という展示会イベントが、2022年9月1日から2日に神戸で開催されていたということを知っていますか?「サミット」と付いていると、何だか個人では参加できなさそうなイベントだなと思う方もいるかもしれません。

ですが、実際は個人でもドローンサミットに参加することができるんです。本記事では、実際にドローンサミットに参加してきた筆者が、ドローンサミットはどんなイベントで、どんな展示が行われていたのかをご紹介します!

 

 

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ドローンサミットとはどんなイベント?

出典:https://lp.drone-hyogo.jp/

ドローンサミットはドローンの技術をより早く業種を問わず社会全体で導入するために、内閣官房小型無人機等対策推進室と兵庫県が国と自治体を絡めて開催したイベントです。

ドローン技術や開発の躍進の勢いはすさまじいものの、実際に社会問題を解決するためには持続し続けられる事業形態を作ると共に、社会自体がドローンを受容する必要があります。

これらの必要性を踏まえ、各自治体や企業が行っているドローンの実証実験の取り組みを展示し、ドローン技術の知名度や取り組みを全国的に発信し、自治体間での連携を強化することを目的とするイベントとして、2022年9月1日から2日にかけて記念すべき第1回ドローンサミットが開催されました。

68件の出展者の中には神戸市や福島県庁、北海道庁など自治体単位で出展しており、自治体としての課題をドローン技術で改善するための施策を展示していたことからも、自治体単位でのドローン技術に対する注目度が高まっていることが分かります。

ドローンサミットで実施されていた展示2選

第1回ドローンサミットは68件もの出展に加えて、特別展示としての出展10件やシンポジウムと、さまざまな目線でのドローン技術に関する情報収集ができるイベントでした。

本記事では、ドローン特別展示【次世代モビリティ&ドローン】に出展していた事業者のうち、2つをご紹介します。

神戸市

ドローンサミット主催である兵庫県の自治体として、神戸市の出展がありました。現在神戸市では行政サービスの品質向上と業務効率化を目指し、消防局・建設局・デジタル戦略部と部署を問わずにドローンを活用しています。

消防局の担当者の方によると、近年広島県で発生した土砂災害のような大規模な災害の発生を踏まえて、総務省から災害支援策としてドローン機体の提供があったことを切っ掛けにドローンによる災害支援が導入されたとのことでした。実際に使用する場面としては火災現場や事故現場に加えて、山での遭難者捜索と幅広く活用しているとのことです。

建設局でのドローンの活用方法は土砂災害が発生した箇所をドローン測量で3Dモデル化しての調査や、交通混雑量の数値化が行われています。また、デジタル戦略部では小型ドローンを使用してのVR空撮影など多岐にわたる方法で活用されているとお話しいただきました。

現在神戸市消防局ではDJI製ドローンのMATRICEシリーズなどを使用しているものの、近年の国産ドローンの発展状況を鑑みて国産ドローンへの切り替えも検討しているとのことです。

DroneWorkSystem

2つめにご紹介する展示は、株式会社DroneWorkSystem(以下「DroneWorkSystem」)の物資運搬用ドローン「EAGLE」などの展示です。

DroneWorkSystemは農薬散布用ドローン、空撮練習用ドローンに加えて物資運搬用ドローン「EAGLE」を開発している企業であり、今回の展示では新しく開発された最大積載量49kgのEAGLE49という機体などが展示されていました。

従来、急斜面の多い山間部に重い機材を運ぶには、運搬コストがかかるヘリコプターを使用するか、平面な場所に選び直すかの2択しかありませんでした。

EAGLE49はこの現状を打破すべく古河建設からの依頼で開発されたドローンであり、急斜面などが多い山間部での工事現場などに重い機材を安全・低コストで運搬できる機体です。

EAGLE49は最大積載量が49kgと重い機材などを運搬できるだけではなく、運搬物の重さによる飛行リスクを低減できる機体でもあります。そのため、より安全に物資運搬を低コストで運搬する上では、今後の活躍に注目すべきドローンと言ってもよいでしょう。

ドローンサミットではEAGLE49の他に、既にEAGLEシリーズで実施された実証実験データも展示されていました。

展示されていたデータは株式会社A.L.I. Technologies(以下、A.L.I.)の開発した、飛行中のドローン機体の監視・監督を行う運航管理システム「C.O.S.M.O.S.(コスモス)」を使用した実証実験データです。この実験はEAGLE15に加えて純国産ドローン2機を同時飛行させる、災害で孤立した場所への支援物資運搬を想定した実証実験でした。

結果としてはEAGLE15を含め3機全てが約150m上空を飛行し、無事避難所を想定した場所に支援物資を運搬することに成功。

担当者の方はEAGLE15が安全に物資運搬ができる機体だと証明できて何よりで、今後もA.L.I.を始めとする各社と連携して技術発展を目指していきたいと語ってくださいました。

編集後記

神戸市で開催された第1回ドローンサミットについてご紹介しました!参加者の中には将来が楽しみな中高生の団体もいたことから、主催が目的とする「社会自体がドローンを受容できる状態」に近づくためのイベントとしては間違いなく成功したイベントだったと筆者は考えています。

2022年度の第1回で終わるのではなく、今後も継続して開催してほしい、今後社会の各分野でドローンが活躍することを促進するイベントとして第1回ドローンサミットは無事閉会しました。

 

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