■妻との常識の違いに驚いている

妻とは入籍したばかりで、まだ新居へ越していない。

お互い、実家に住んでいる。

最近、母が事故で他界した。

不意のことで衝撃だった。

警察へ行ったり、病院へ死体検案書を取りに行ったり、何も考える暇もなく力の出ない体にムチを打って葬儀を執り行ったり。

問題の発端は、妻と妻の実家から供花が届けられたこと。

事前に「お花をどこに届ければいい？」と聞かれたが、家の都合上、血縁関係者のみで執り行う家族葬だったため、辞退を申し出た。

しかし、辞退を申し出たのに、連絡も一切なく、花が届けられた。

家族全員が驚いた。

辞退を申し出たのに一方的に花を贈るのは、相手の意向を尊重していない意味にも取れるし手間が増えるから、逆に失礼な行為だと思っていたのだ。

家族葬とはそんなものだと思っていた。

嫁に「辞退を申し出たはずだけど」と電話で聞く。

すると「辞退は知っていたけど、何かできることはないかと思って贈った」と言う。

厚意だと思い、「自分の常識」ではマナー違反だとは思いつつも、「ありがとう」とは伝えた。同時に「連絡もなく送ると場合によってはトラブルのもとになるかも…よ」とやんわりとした言い方で伝えた（ただ、妻は鈍感だから理解したかどうかが怪しい）。

とりあえず、これで何もトラブルは起きないと思っていた。だが…。

まず一方的に送り付けられた花を見て、妹が怒った。

家族葬の参加者は、父、妹、僕の3人だけ。

葬儀場（実家ではなく葬儀社にある）の花は「家族一同」を一対だけ置く予定だったが、急きょ、妻が送った２つの花を置くことになった。

妹が怒った理由は以下の通り。

・辞退を申し出たのに一方的に連絡なく供花を送るのはそもそも失礼（送り側が自分たちの気持ちだけ「しか」考えてないから）

・妹の旦那（家族ぐるみで付き合いがあった）の花がなく供花がアンバランスになる（まるで自分の旦那が何も送っていないように見える）

今から思えば、バランスという点を言えば、妻と妻の実家から贈られた花を置く必要もなかったと後悔している。

しかし、母の急な死に直面し、自分には気持ちの余裕もなく、気を遣う余裕もなかった。

妹は普段は旦那とヨーロッパに住んでいて（国際結婚）、日本には滅多に来れない。

遠方にいる故、家族に対する思いも強い。

あと、母の介護（要介護の人だった）を献身的にしてくれたのも妹だった（わざわざヨーロッパから来たりした）。

それだけ母には思い入れがあった。

非合理的だとは分かりつつ、でも、妹の気持ちも大事にすべきだと思っていた。

バランスを考えて旦那さんの分の花を買い、置くことにした（喪主の父の計らい）。

妹が怒ったことは、妻には伝えなかった。

突然の他界だったから妹も感情的にはなる。母が大好きだったから。

参列者は父、僕、妹の予定だったが、妹の旦那さんが心配をしてわざわざ欧州から来るかもしれないという話になった。

なら、妻も呼ぼうかと思って（妻も母とは顔合わせを2度していたし、妻には来てほしいと思っていた）、参列をお願いした。

だが、妹の旦那さんはビザの関係で来れないことが決まった。

妹としては、旦那が来れない状況で僕の妻が来るのが嫌だったらしい。

周囲から見たら不合理な考え方かもしれないと思うよ。

でも、母の介護をわざわざ欧州から来て献身的にしてくれた妹だし、妹は母が大好きだし、血縁関係者の思いを第一にすべきだと家庭内で結論した。

妹の考え方はわがままな考え方かもしれないけど、気持ちがそうである以上、置き去りにすることは僕もしたくなかった。

そもそもが異常な事態に直面して僕もどうしていいか分からなかった。

難しいな、と思うんだ。

結局、妻を参加者としては呼ばないことに変更し、血縁関係者のみで執り行うことにした。

そういう状況で、妻からは何度も「参列したい」というメールが来ていた。

供花を連絡なしに一方的に送り付けてくる妻だから、行動が予測不能で何をしだすか分からない。

最悪、無断で葬儀に参列しに来るんじゃないかとも思った。

この時は、考え方の違いがあることまでは想像できなかった。

僕は伝統的な日本の葬式（色んな人が来て、花が沢山送られて、場合によっては故人と無関係の会社の人まで来て）を知らず、葬式は家族葬でひっそりとやるくらいのイメージしかなかったが、嫁は「一方的に花を贈るのは普通」で、今までずっとそうしてきたらしい。実家も。常識が違うのだ。

これ以降は僕の行動が稚拙だった。

ただ、母の急な死に直面して僕もまともではなかった。

葬儀は急だし気持ちに余裕もなかった。

妻から、一方的に「参列したい」というメールが送られてくるものだから、「なんでこんな図々しいの」と感じたのだ。

「血縁関係者のみで執り行う」というのが家族の意志なのだから、それを知りつつなぜ強引に「参加したい」という言葉で言ってくるのかが分からない。

「参加は難しいでしょうか？」と判断を仰ぐなら分かる。僕らの意志とは無関係に自分の「参加したい」気持ちだけを一方的に伝えてくるので、嫌になった。

ただ、妻としては参列をすることが気持ちの表現というか、故人への愛情だと思っていたのだと思う。

だけど、僕は妻の行動が予測不可能だと感じたから、次に何かを無断で送ってきたり、勝手に参列してきたりするかもしれないと思うと気が気でならかなかった。

妻の実家とうちの家との関係が取り返しのつかないことになると危惧したから。

だから、思い切って、「花を辞退したのに送ったのは不謹慎だから注意してほしい」と、相手の意志表明を無視して行動することの危うさを伝えた。

最初は伝えない方がいいとは思ったのだが、あえて語気を強めて言わないと鈍感な妻には通じないと思ったのだ（実際、妻はやんわり言うだけでは伝わらないことがある）。妹が傷ついたこと、父に気を遣わせてわざわざ妹の旦那の分の供花を買ったこと（父も大変なのに）、実家に送られたら葬儀場へ運ぶ必要もあるし葬儀場によっては持ち込み不可だから困ること、洗いざらい伝えた。「今回を教訓にしてほしい」、「次会う時に釈明をしてほしい」とも言った。相手側の気持ちであっても、香典や供花を辞退すれば、相手側もその通りにするのが「常識」だと思っていたのだ。参列者の内訳についても。

大問題になった。

何度も書いてるが、正直、自分も気が動転している最中で、母の死から葬儀まで2日しかなく、判断が難しかった。

じゃあどうすればよかったんだよ、あの短期間とあの苦しい状況で、と今も思う。

後日、妻と話した。

妻も妻の家族も驚いたらしい。

「辞退は遠慮」だから、葬家が辞退を申し出ても無断で何かを送ることは今までずっとしてきたらしいのだ。

それで何か言われたことは今まで一度もなかったのだと言う。

まぁ、苦しいとは言え、僕が余計なことを伝えてしまったものだから、というのもあるが。

そもそも、妻側に「失礼な行為だ」とは伝えず、とりあえず感謝だけを伝えて後はうまく調整すればいいじゃない、とも言われた。

今から思えばそれはそうなのだけど、妻側はうちの意向を無視して行動してくる可能性があったし（良かれと思ってではあるけど）、

妹も「次同じようなことをされたら絶対に許さない」とまで言い激高してたから（あとで激高は収まったけど）、

「うちにとっては失礼な行為になる」ことをきちんと伝えないと、後々、もっとややこしくなると思って、それで言ったのだ。

それも妻には伝えた。納得しているかしていないかは、分からない。

今でも僕には気持ちの余裕もないし、身体も重いし、気分も思い。

身内の死に接するのはこれが初めてだし、僕にとっても母は大事だった。

その上でこれだから、もっと気が重くなった。

ぶっちゃけ、今から自殺したいくらいの気持ち。

妻とはきちんと話すつもりだけど、僕は自分の常識が世間一般の常識だと思っていたから語気を強めて言ったから、僕の言い方が相当怖かったらしく、妻が実はおびえている。「将来暮らせるが不安だ」と真剣に悩んでいた。

ちなみに、妻はデリケートでちょっとしたことですぐ悩む。だけど、優しく言うと気が付かない。だから塩梅が難しい。

なんか、よく分からない増田になったな。

どうすればいいんだろう。

「自分が常識だと思っていたこと」が他人にとってはそうじゃないし、相手が非常識だと思って怒るとこうなる、、ということではあるけれど。

Permalink | 記事への反応(3) | 00:16

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