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伊豆の別荘で マルチチャンネルオーディオ6割 2chオーディオ3割 ホームシアター1割 という週末を過ごしています。 私のオーディオに対するスタンスは、「原音再生は求めず、<オーディオ再…

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日記

サロンとサラウンド ー「Composer’s intention」と「元音」

2022年10月01日

「モーツァルトの頃までの音楽体験というのは、演奏者と聴取者が混淆していたんですよ」

これは、この前、WOWOWのエクゼクティブ・クリエイターである、入交さんのお宅にお邪魔した際に、伺った話である。その時、彼は、「こういう録音についてはどう思われますか?」と言いながら、モーツァルトの室内楽をご自宅のマルチチャンネルシステムで再生してくれた。

それは、正面のCにピアノ、Lに第一バイオリン、Rに第二バイオリン、サラウンドのLにビオラ、Rにチェロ、という、「楽器に囲まれる」録音がされていた。

私は、「Tacetなんかで最初に聴いた時は違和感がありましたが、今はこれはこれでオーディオ再生でなければあり得ない音楽体験だな、と楽しむことができています」と答えた。すると、先のコメントが返ってきたのである。

確かに、中学の頃の音楽の教科書の記憶では、モーツァルトを紹介するページに挿絵があり、モーツァルトらしき人がピアノに向かっているのだが、その周りを、というかそのピアノに寄りかかって(笑)、貴族的な衣装(恐らく、貴族のサロンであろう)を着た人たちが取り囲んでいる構図を見たような気がする。

「このような録音方法をしたものを再生した時、楽器演奏経験のある方は違和感を感じないのだが、多くの普通の音楽愛好家は物凄い違和感を感じるようです。ただ、演奏者と聴取者を完全に分けて音楽演奏を楽しむようになったのは、ベートーベン登場後、<音楽>が大衆相手の<ビジネス>になってからなんです」

言われてみれば、モーツァルト以前の、例えば、ヘンデルでもバッハでも、教会で演奏されるオルガン曲以外は、「コンサートホール」なんていうのがあったわけではなく、王様の宮廷や貴族の屋敷のサロンで演奏されていたわけだ。そしてそのオーディエンスは、チケットを購入して来ているわけではなく、作曲家のパトロンが、その友人たちを招いていたわけで、当然、そこでの音楽はパーティーの余興であり、決して畏まって聴いていたはずもなく、歩き回りながら、飲み食いしながら、あるいは隣の友人とおしゃべりをしながら・・・そのような空間の中でヴィバルディの『四季』が演奏されていたのであろう。

ということは、ややしつこいが(笑)、「原音再生」を目指すオーディオマニアは、「元音」、つまり、その曲自体が最初に演奏された状態、をも目指さないのだろうか。非常に原理主義的な方(例えば、昔ながらの製法で作った酒しか飲まない、というタイプ=笑)なら、そう考えても不思議ではない。モーツァルトマニアの方の中には、初演当時に使われた楽器(いまでいう古楽器)を使った演奏にこだわる方は少なくないが、そこまでやるのなら、「当時の聴取位置=音楽の聴こえ方」も再現すべきだろう。

つまり、これもしつこいが(爆)、先に論じた「Listener’s intention」や、「Director’s intention」の前に、そもそも、「Composer’s intention」があるわけである。モーツァルトやヴィヴァルディは、「楽器の周りにオーディエンスがいることを前提」に作曲したのは間違いないわけで、そこまで立ち戻るのが<本当の>音楽愛好家である、と言えなくもないだろう。(どう考えても今のコンサートホールのような、音響効果を計算された大ホールで、何十メートルも離れたところに整然と座っているオーディエンスに対して自分の曲が演奏されることになろうとは、ヴィヴァルディは夢にも思わなかったはずである。モーツァルトの交響曲ですら、サロンで演奏されることを前提に作曲されているため、スコア内で指示されている各パートの楽器の数が、ホール時代の作曲家の交響曲より非常に少ないことはよく知られていることである。このため、サントリーホールのような大ホールでモーツァルトの交響曲を上演するときには、音量を確保するため、モーツァルトが指示した楽器の数以上の楽器を各パートに揃えることも少なくないと聞いたことがある。これなどComposer’s intentionの完全なる改変で、ご本人がこの世におられれば裁判沙汰になるほどのものであり(笑)、つまり間違いなく「邪道中の邪道」の形態なのだが、ということはその「再現」を目的とする現代のオーディオは、モーツァルトからみたら「元音の再生」どころか「邪道の再生産」か?=汗)

ということはである。室内楽をご自宅で開催できる、非常に裕福(この場合、自分で演奏されるのであれば、才能が、プロを招くのであれば資金が=笑)な方以外の「一般人」が、サロン時代の音楽を<正しく再現する唯一の方法>は、いうまでもなく(笑)、Surround、つまりスピーカーに取り囲まれたマルチチャンネルシステムしかないであろう。「サロン音楽」とは、畢竟、「サラウンド音楽」なのだから。

入交さんは、「これからはどんどん、このような録音をして行って、<本来のサロンミュージック>を、一般の人々にも味わってほしいと思っている。このように録音されたマルチのいいところは、実際に歩き回って聴くと、ビオラに近づけばビオラの音が、ピアノに近づけばビアノの音が大きく聴こえる、という、当時のサロンのオーディエンスと似たような音楽体験ができることです」と。

モーツァルト好きの私は、全く、同感である。今度、作曲家が意図したどおりの音楽を、貴族になった気分で歩きまわりながら聴こうっと(笑)。

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レス一覧

  1. Auro3Dさん こんにちは
    Auro3Dさんの提示する『不都合な真実シリーズ』に新たなページが加えられましたですね (⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)
    .

    bynightwish_daisu at2022-10-01 14:05

  2. Nightさん

    これは私も入交さんとお話をしていた時、「なるほどなあ、確かになあ」と思い、とても論理的な話だと思ったので、「真実」には限りなく近いとは思いますが、別になんら「不都合」ではないですよ、少なくとも私にとっては(笑)。

    byAuro3D at2022-10-01 20:21

  3. Auro3Dさん、こんばんは。

    >モーツァルトマニアの方の中には、初演当時に使われた楽器(いまでいう古楽器)を使った演奏にこだわる方は少なくないが、そこまでやるのなら、「当時の聴取位置=音楽の聴こえ方」も再現すべきだろう。

    これは当時の楽器なら良いのですが現代の楽器ではなかなか難しい問題です。
    ピアノも昔のピアノと現代のものでは音量がまるで違います(らしい)。

    私は地元で開催される「真嶋雄大の面白クラシック講座」というのを受講しているのですが、ホールではなく横16m縦15m高さ3〜3.8mくらいの部屋なのです。
    この部屋で聴くピアノの音が大きい。コンサートグランドではなく小さいグランドピアノなのですが奏者によっては部屋が飽和する感じです。この音をリスニングルームで原寸大で再現しようとしたら難聴一直線です。

    またある時に
    「この曲は楽譜ではペダル踏みっぱなしと指示されているのですが、当時のピアノは音量も響きも少なかったんです」
    「現在では指示通りに演奏されることはありません」
    「試しにペダル踏みっぱなしで弾いてみてください」
    (ゲストのピアニストが演奏)
    「ボワボワ〜」
    なんてこともありました。

    そんなわけで現代楽器を使った録音はホール、古楽器の録音はサロンで聴いているように再生したいですね。

    byassi at2022-10-01 21:59

  4. ホール録音はホールのように、サロンの録音はサロンのように。
    入交さんの「当時のサロンのオーディエンスと似たような音楽体験ができる」録音はAuro3Dにて。

    オーディオの自由度の高さは音量(ボリューム)が最たるものです。映画館での上映は、それなりに75dBだったか何だったか一応の目安があって音が小さ過ぎる大き過ぎるという事はあんまりないみたい。ところがどっこい、オーディオは、不必要に(現実より)大きな音を出せたり、その反対に凄く小さい音でも再生出来ます。適正音量は再生する部屋によっても違ってきます。

    詰まるところ、人が、好きなように聞けばいいのですよね。
    ホール録音はホールのように、サロンの録音はサロンのように。
    入交さんの「当時のサロンのオーディエンスと似たような音楽体験ができる」録音はAuro3Dにて・・・。。。
    .

    bynightwish_daisu at2022-10-01 22:30

  5. Auro3Dさん、こんばんは。

    面白いお話を聞いてこられたようですね。


    その場に居合せたわけでもありませんので、どのような趣旨での発言だったのかが分からないのですが、「親しい友人や家族による楽しみとしての」いわゆるサロン音楽は、ベートーヴェンあたり以降で、代表的な作曲家としてはシューベルトが挙げられます。

    それ以前の音楽の担い手はプロの音楽家と教養として音楽を勉強している貴族の子弟、そしてロマに代表される流れ者たちでした。

    「いわゆるクラシック音楽」に限定しますと、バロックから古典派に属する有名な作曲家のほとんどが教会や王、皇帝をパトロンとして持ち、パトロンのために作曲・演奏をしていました。
    ミサのたびに新作を書かされていたJ・S・バッハはもちろんですし、ジョージ一世に仕え、大編成の式典音楽で知られるヘンデル、エステルハージ家を筆頭に大貴族のために膨大な数の作曲をしたハイドン等々、いくらでも挙げられます。

    パトロンは世間で評判の作曲(演奏)家にどんどん音楽を作らせ(演奏させ)て、自分の教養と見識の高さを誇っていたわけです。
    で、そういった頂点に近い方々は専用の劇場や大合唱団が入れる荘厳な教会等を自領に作ってその豪華さも競っていたわけで…
    まあ、そこまでお金がある貴族や司教ばかりでもありませんが(笑)

    ちなみに、モーツァルトはパトロンのザルツブルグ司教と喧嘩別れしてその後、メインとなるようなスポンサーを持つことはありませんでした。
    単発の仕事や予約演奏会(自らの新作を聴かせる初演ライブですね)等で生活していたようです。

    byfuku at2022-10-01 23:06

  6. (文章長過ぎで怒られましたので分割です)

    で、何が言いたいのか、なのですが、「音楽の大衆化」が進んだのはクラシック音楽で言うならロマン派以降なのです。
    中産階級でも楽器や楽譜が買えるようになり、ちょっと高尚な習い事として音楽を子供たちに習わせる。
    親しい知人に聴かせたり、一緒に演奏して楽しむ。
    プレイヤーとリスナーの垣根がない状態になりました。
    今は大衆化がもっと進んでますね。
    一時期のバンドブームはもちろん、ほとんどの人が楽しむ趣味としてのカラオケもそうですし。

    レコーディングにあたって、「当時の聴取位置の再現」は確かに素晴らしい着眼点だと思うのですが、そのためには作曲された際の事情や実際に初演された場所や当時の記録の調査等も必要になると思われるのです。
    小編成の曲だから、その真ん中で聴く事が正しいとするのであれば、十分な検証を経るべきだと思うのですが、どうでしょうか?

    この辺りは、私より詳しい方がいくらでもいらっしゃると思いますので、詳細な解説をしていただけると助かるのですけれども。


    …もちろん、曲の再演における様々な可能性を探ったり、新たな価値を創造するための方法としてのマルチサラウンドなサロン音楽の録音を否定するものではありません。
    実際、面白いですし。

    byfuku at2022-10-01 23:14

  7. 蛇足ですが…

    ヴィヴァルディは「赤毛の司祭」との異名を持つカトリックの司祭でピエタ慈善院付属音楽院のヴァイオリン教師を10年勤めていました。
    その業務として、才能ある女子に楽器を教えており、定期的に開催されるコンサートは大人気だったようです。
    ヴィヴァルディの有名曲に協奏曲が多いのもそのためで、自慢の生徒のために気合を入れてソロパートを書いていたみたいです。
    まあ、偏ると良くありませんし、音楽院からの要請で様々な楽器のための協奏曲を書いてますけれども。

    演奏の様子については、「演奏や歌唱は音楽院内のホールまたは教会で行なわれた。教会の聖歌隊席は祭壇の反対側に一箇所、側壁に向かい合うように二箇所あったが、下の観客から「娘たち」の姿かたちがはっきり見えないように、美しい飾りをちりばめた鉄製の格子に囲まれていた。」との記録が残っています。

    なんだか、グループ名に数字が入る某アイドルグループを「お触り禁止」にしたような感じですね(笑)

    byfuku at2022-10-01 23:30

  8. 蛇足その2です。

    作曲家がその楽譜上で指定する演奏人数は、必ずしもその曲の表現のために最適な人数ではありません。
    パトロンが貧窮して演奏者が首切りされるとそれに合わせないといけませんし…

    モーツァルトは、演奏会場の広さによっては「倍管」(管楽器を楽譜の指定の倍の人数で演奏することで、当然最大音量が増えますから、それに合わせて弦楽器も増やします)をかなり積極的に取り入れていたそうです。
    実際にそういう解釈での演奏会や録音(原典主義の時代になってから)もあるようですよ。

    byfuku at2022-10-01 23:39

  9. fukuさん こんばんは~
    さすが、お詳しい(⁠^⁠^⁠)。


    それはそうと、書かれた事は入交氏へのメッセージですか?
    それともAuro3Dさんに宛てたメッセージですか?
    それとも此処をご覧の第三者宛て?
    (ウルトラCで独り言?)


    なぜ?こんな事をお聞きするかといいますと、
    fukuさんは
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    >小編成の曲だから、その真ん中で聴く事が正しいとするのであれば、十分な検証を経るべきだと思うのですが、どうでしょうか?
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    と、問いかけと申しますか、意見をの述べられています。
    まるで検証がなされていないかのような書き方。
    これはAuro3Dコンテツを製作する側への忠告のようにワタシの目には映りました。奏者に囲まれて聞くようなプレゼンスは、そのような音源(DVDなどのメディア)がなければ実現出来ないし、モノラルや2chステレオ音源を小編成だからという理由だけで音源をコネクリ回してピアノは右からにしよーかなーとか好き勝手に編集して自宅で聞こうという話は、誰もしていないから。

    入交氏が、「当時のサロンのオーディエンスと似たような音楽体験ができること」と言った事からも、最低限、当時のサロンの事は調べていることは容易に想像できます。 『小編成』だからというだけでサロンだと決め付けしている、とい決め付けを、fukuさんご自身がなされているようにワタシの目には映らなくもありません。。。

    当のAuro3Dさんは、〇〇だか✕✕で聞くべき!!みたいな意見といかルールを述べられておらず、『そんな聞き方もあるんだねー へぇー なるる』 みたいな弛い感じ。そんなふうに私の目には映っています。入交さんも ”当時のサロン” というキーワードで、Auro3Dを使った新たな音楽体験を世に出そうと企画されているだけ。既存の2chステレオの事には言及していない。
    『へぇー なるる』みたいな弛い感じの?そんな御方にfukuさんが先の内容のメッセージを投げかけていたとしたならば、やや、辛辣ですよね?。 だから、そーではなくて、fukuさんはAuro3Dさんを透過して入交さんに向けてメッセージを送っているのだと今は推測しています。『そのようなAuro3Dコンテンツを作る前に、よく勉強しなさいよ!!』と、忠告しているのではないか?っと。

    話を戻すと、fukuさんは誰に宛てたレスだったのでしょうか?
    .

    bynightwish_daisu at2022-10-02 00:31

  10. ワタシの場合で言えば、ステレオはステレオで聞くし、5.1chは5.1chで聞きます。どのスピーカーからどんなに音をアサインするかは製作者しだいなので、そのまま音出すだけです。音量は拙宅では小さ目です。

    どういうパッケージメディアの音にするのか?ミキシングなのかマスタリングなのかレコーディングエンジニアなのかわかりませんが(あ、プロデューサーだきっと)、曲の作られ時代、演奏された時代のお勉強は、その彼等、専門家?にお任せしています。そりゃあ、歴史背景を技術の変遷を知っていた方が深くクラシック音楽を楽しめるのでしょうが・・・


    このレスは独り言です
    .

    bynightwish_daisu at2022-10-02 00:40

  11. fukuさん Nightさん

    いろいろと、お詳しい補足をありがとうございます。

    クラシックは「聴く専」で、それにまつわる知識はほとんどない「にわか」ファンなので(汗)、とても勉強になりました。

    実は、過日のWOWOWのスタジオでは、「これは指揮者の真後ろで録音したものです」というオーケストラの音源も再生していただきました。これはこれでまたまた興味深い音場となりまして、左斜めやや後ろくらいの位置からコンマスのバイオリンソロが、右斜め後ろぐらいの位置からチェロ群の音が聴こえます(笑)。まあ、これも普通の2ch録音では体験できない感覚なので、Auro-3D(というかマルチ全般)ならではですが、観客席で聴いたことしかない(私もですが)普通のオーディエンスは、このような音場に「違和感」を覚えるのはわかります。ただ、これももしかすると、パトロンが自分のサロンでの演奏会の際に、ちょっと酔っ払って(笑)、「俺にも指揮をさせろ!」とかいって指揮台に上がりこんだら、こんな音に聞こえたんだろうな、とか考えると、ワタシ的には楽しいのです。

    なぜこんな話を書くかと言うと、Jazzの世界ではご存知のように、超一流アーティストの演奏であっても、飲み食いしながら聴くことができますよね。Bill Evansのアルバムに、グラスのぶつかる音が入っている有名なものがありますが、Jazzの世界では、Live演奏は往々にしてClubのようなところで行われ、飲食・会話をしながら<楽しむ>事ができます。私も、NYに2年ほど住んでいたことがあるので、ささやかな体験ながら、Ron CarterとかOscar Petersonといった有名所のLiveを、「飲み食いしながら」聴いたことがありますが、例えばBlue Noteなんてステージすら無く(Tokyoのはありますが)、テーブル席のすぐ横(笑)で演奏しているんですよ(ドラムなんか、むっちゃうるさいですけど=笑)。でも、その一体感というのか、温かいAtmosphereというのかがとても素敵なんです。
    (続く)

    byAuro3D at2022-10-02 05:57

  12. (続き)
    翻ってクラシックです。先のお二人はClassicなら、そうですね、Yo-Yo Ma と Horowitz、って感じでしょうか。大物度合いとしては比較の対象としてそれなりに釣り合っていると思いますし、私は同様にこのお二人のコンサートにも行っているのですが、なぜか、クラシックのコンサートって、飲み食い禁止ですよね(笑)。昔から、これ、変だなあと私は思っているんです。Yo-Yo Maが演奏するバッハとか、Horowitzが弾くショパンが、サロンでこれらの音楽が生まれたときには、Jazzと同様にもっとフランクに楽しめたはずなんです。でもチェロ(ベース)とピアノという、同じような楽器演奏なのに、方や飲み食いしながらでもOK、方や現在ではスーツを着ていかねばならず(笑)、舞台と客席は<完全に>分離され、飲食どころか咳払い一つしにくい雰囲気…

    Blue Noteだと、一曲終わったあとにお客に声をかける演奏者すらいたんですよ、「どうだった?」という感じで。Classicって、一言も喋らずに出てきて、一言も喋らずに帰っていきますよね。

    まあ、Classicはかくあるべし、と思考停止的に頑なに(汗)思っている方は別でしょうが、私は、入交さんがやろうとしているような、Classicのマルチ(Auro-3D)録音は、これまでのClassicが持つ、冷厳で距離感のあるモードを、<恐らく>それが生まれたときの演奏者(=往々にして作曲者)と聴衆とのもっと親密な関係(モード)に変える試みだと思っていて、興味深く、また期待しているということがいいたかったわけです。

    byAuro3D at2022-10-02 06:04

  13. Auro3Dさん

    3Dフォーマットだからこそやれるコンテンツがあるということも、音楽の鑑賞スタイルに“かくあるべし”という《必然性》のようなものを固定的に押しつけるべきではないという趣旨にも賛成です。

    最新の日記(Auro3Dさんは関心がなくお読みいただけてないでしょうが)でご紹介したG.I.P.Laboratoryの鈴木社長は、自分のオーディオサウンドの原点は「客席ではなく音楽家と同じステージに立って聴く」サウンドだと断言していました。もともと東京芸大を卒業した音楽家だからです。2chですから3D立体空間とはもちろん違いますが、そのサウンドは説得力がありました。鈴木社長は、スピーカーの間にグランドピアノが置いてあって、しばしば試聴に訪れた人に弾いて聴かせるとのことでした。

    Auro3Dさんがご紹介しているように、3Dフォーマットの問題は、あくまでも劇場映像音声のために開発された技術であり、コンテンツも映画用がほとんどで音楽ソフトがほとんどないこと、家庭でのセッティングにおいても映像兼用のために音楽鑑賞としては物足りないことになってしまう(e.g. センタースピーカー)ことです。伊豆で聴かせていただいたTACETのモーツァルトのグランパルティータは、違和感というのではなくてショボイという印象で不満だったのです。

    古来より現代に至るまで、クラシック音楽も実はサラウンド的3D空間を存分に意識されて作曲されたものが多くあります。以前、日記でも触れたことがありますが、その代表的な作品としてバッハの「マタイ受難曲」があります。その録音のひとつとして大胆な試みに挑戦したSACDがあります。

    ルネ・ヤーコブス/ベルリン古楽アカデミーのものです。5.1chなのでAuro3Dさんには物足りないかもしれませんがぜひ聴いてみてください。

    近々、日記でもう少し詳しくご紹介するつもりです。

    byベルウッド at2022-10-02 11:01

  14. 独り言です

    3Dフォーマット って何だろう???
    それは劇場映像音声のために開発されたんですか へぇ・・・

    伊豆で聞いたグランパルティータ、違和感というのではなくてショボイという印象で 不満だったですか?  だからSACDを聞けと?

    3Dフォーマットという言葉が何を指すのか不明ですが、文字Auro3Dと並べて比較すると後半の '3D' の二文字が一致していますね。 これは仮説ですが、氏の言う3DフォーマットにはAuro3Dも含まれていて、氏の言わんとするところはAuro3Dの技術は映像のオマケで作られていて ピュアオーディオ的には物足りない音質なもんで SACDを聞け! という風に見えなくもありません。(氏は、Auro3Dの生い立ちや、その基本性能・底力に精通しているようには見えませんが。)

    地上波デジタル放送での5.1chサラウンドは、配信フォーマット(音声圧縮でありますAAC)として?音質的に物足りないところがあります。まぁ、テレビなので仕方ないと思います。そうゆうのもひっくるめて、3Dフォーマットなのだとしたら、あまりにも大風呂敷で、論点が定まりません。CDやレコード、SACDこそ至上。AV(オーディオ&ビジュアル)は邪道だと考えるのは個人の自由です。氏がそうだと言っているのではありませんよ、一般論です。出来ることなら、ピュアもAVも両方楽しんだらイイと思うのですけれどね。(氏は、Auro3Dの生い立ちや、その基本性能・底力に精通しているようには見えません。 まぁ、伊豆の "ショボイ" と いわれた 体験で、Auro3Dの真髄を ""理解した"" と 思っているのかもしれませんが。 それにしても、失礼な物言いです。 ボキャブラリーが  "ショボイ"  。)

    グランドスラム邸の一件を思い起こせば、
    仮に WOWWOWのスタジオや入交邸にご招待しても サウンドはたいしたことないな と、言われちゃう。 そんな悪寒がします。
    ※妄想です


    取り留めもない独り言でした。
    .

    bynightwish_daisu at2022-10-02 13:26

  15. Auro3Dさん Auro3Dの関連情報のメモを書かせて下さい m(_ _)m


    2017/08/24 Phileweb
    「Auro-3D」の詳細をキーマンが解説。 全chハイレゾ収録可能な「真のイマーシブオーディオ」
    https://www.phileweb.com/sp/news/d-av/201708/24/41926.html

    一部引用ここから
    --------------------------------------
    ハイレゾ対応もAuro-3Dの特徴だ。規格上では、最大384kHz/32bit/9.1chにも対応するとのこと。ただ現状では、2Lなどの音楽ソフトでは192kHz/24bit/10.1ch、映画ソフトでは96kHz/24bit/10.1chの収録が一般的とのことで、いずれもAVR-X6400Hではフルデコードして再生することができる。
    --------------------------------------
    一部引用ここまで


    NHKの地上デジタル 5.1chサラウンド放送 は、MP3の親戚みたいな音声圧縮コーデックAACを用いて、データ量を大幅に削減しています。高音は約16kHzでカットオフされ、16kHz以上の音は入っていません。※15kHzカットという情報もあり、NHK公式も15kHzカットという見解です。
    https://pianoforte32.com/is-5-1-ch-surround-broadcasting-cut-at-15-khz-or-more/


    CD未満の音質の地上波デジタル音声配信フォーマット ≒ ローレゾ、CDを越える ハイレゾ に 対応しているAuro3D。 少なくとも、Auro3Dは音質を重要視していることが・・ハイレゾ対応から明らかだし、Auro3Dが劇場映像音声のために開発されたかどうかも現時点では情報を見つけられず宙ぶらりんとはいえ、問題とされている?出生の秘密はまったく問題ではない気がします。競走馬でもあるまいし。 血統よりも 「今」 を、見てほしいかも?



    私は詳しくないし、Auro3Dの製品を、所有していない。
    体験したこともなく、理解しているとは到底言い難いのですが、興味があるのでメモしてみました。 人によっては、"領空侵犯だっ!" と、糾弾されるかもしれませんね(笑) ちなみに私は当コミュニティを公海だと思っていますので侵犯は存在しないと考える立場です。
    .

    bynightwish_daisu at2022-10-03 14:17

  16. Auro3Dさん、こんにちは。

    最近、怒涛のごとく日記を書かれているので、驚いています!凄いですね!
    レスはしていませんが、面白く拝読しています。

    音楽家や作曲者のintensionの話は興味深いです。少し感じたことは、モーツアルトが現在のオーディオで再生した音そのものを、楽器の音とは全く別物と感じるのではないか・・・・(at the first place)? そうなると、楽器の配置や雰囲気の話は二の次になってしまう・・・。演奏家の多くはそう感じていると耳にしたこともあります。オーディオ愛好家としては気になるところですが、どうなんでしょう?(汗)

    この日記ではありませんが、平面波の話も面白かったです!

    byTomy at2022-10-03 16:16

  17. Tomyさん

    レスありがとうございます。拙日記を読んでいただいているようで、恐縮です。ちょっと記事が続いたのは、やはり入交さんと短期間に3度もお会いできたので、そこで色々と教えていただいた貴重な知識を、自分ひとりで独占せずにみなさんと共有したいという思いからです。一人でも多くの方の参考になれば、幸いです。

    さて、

    >モーツアルトが現在のオーディオで再生した音そのものを、楽器の音とは全く別物と感じるのではないか

    これはそうですね。そもそも、楽器そのものの音が現代と当時では違うでしょうね。その上に、それを「録音」し、されにそれを「エンジニアリング=加工」し、さらにそれをアンプやスピーカーで<音色>を加えているわけですから、我々が聴いている「音」が、まあ彼が目を丸くするような<音>になっているのは間違いないですね(笑)。

    ということは、まあ、「サロン風」のスピーカー配置をして、自由なポジションで聴いても、当時の貴族が聴いた「音楽」とは程遠い、<現代的・人工的な>Classic(語義矛盾?)であることからは逃れようがありません(笑)。

    でも、Tomyさんのお好きなJazzは、マルチとの親和性がある意味、Classicより高いかもしれませんね。演者と聴衆が、完全に分離して裃を着て拝聴する、という音楽文化は、Jazzにはほとんどないので、演者がもっと近くに感じられる、マルチ再生に違和感が少ないのではないでしょうか?

    byAuro3D at2022-10-03 20:04

  18. Auro3Dさん、書かれた日記へのレスとしてはマナー違反なのですけれども。

    >nightwish_daisuさん
    私のAuro3Dさんへのレスの最初に「どのような趣旨での発言だったのかが分からない」と書きましたが、文字どおりの意味です。
    Auro3Dさんの書かれた入交氏のご発言の中で私の持っている知識との齟齬を感じる部分がありましたので、私の持っている知識を書かせていただいた、ということです。
    Auro3Dさんの書かれた部分は会話の中のごく一部なことは間違いないと思いますので、ひょっとすると書かれていない会話の中に入交氏の発言の意図などがあったのではないかと思ったわけですね。
    お仕事として音楽に携わられている方なわけですから、当然お詳しいはずですし。

    小編成については、もちろん決めつけています。
    何故なら、「室内楽」、「サロン音楽」という言葉は昔から使われていて一定の定義がある言葉だからです。
    どちらも基本的に小編成(多めに見積もっても10人以下が一般的です)で演奏される音楽を指します。

    実際の演奏史を考えると20世紀の残り四分の一に入るくらいまで、より大きな「ハコ」で演奏するために大編成での演奏が励行されてきました。
    弦パートだけで50人くらいの「パッヘルベルのカノン」とかも当たり前でしたし。
    それが悪いわけではありません。
    ただ、「原典主義」からは外れているだけです。

    拙宅のシステムだと、Auro3DにはならずAuro2Dになってしまいますが、Dolby AtmosやDTS-HD Master Audioよりも音楽再生には向いていると感じております。
    高音質で楽しめるAuro3Dのディスクは大歓迎ですし、それらに関する情報も楽しみにしております。

    byfuku at2022-10-03 22:03

  19. fukuさん Auro3Dさん

    サロンは原義的には、宮廷や貴族の邸宅に文化人、学者、作家らを招いた知的、文化的な社交パーティみたいなもの。イタリアが源流と言われますが盛んになったのは17~18世紀の啓蒙思想盛んな時代のフランスです。

    音楽史としては、19世紀のパリを中心に貴族やパトロン、文人、芸術家などが集まったサロンを指します。fukuさんの言うようにロマン派時代以降のことでショパンやリストが活躍し、そういう場は第一世界大戦前のベルエポック時代まで盛んでした。

    とはいえ、それ以前であっても王侯貴族の社交の場に音楽家を呼んで演奏させたり、フリードリッヒ大王のように自ら演奏することも盛んだったので、モーツァルトもそういう場で自らの曲を披露していたわけです。実際、ベートーヴェンの交響曲だって、貴族のボールルームのような大広間で試奏的に演奏されたこともあったようです。あるいはメンデルスゾーンやブラームスの時代だってピアノ連弾などに編曲したものをこうしたサロンで演奏していました。

    byベルウッド at2022-10-03 23:39

  20. fukuさん Auro3Dさん

    サロンについての話しの続きです。

    ということで、作曲された時代の演奏を忠実に再現すれば、室内楽であれ何であれ、現代よりもはるかに小さな編成であったし個々の楽器の音量は小さかったというのは事実と言えます。

    ただし、私もAuro3Dさん(入交氏?)の仰ることに、ちょっと引っかかるのは、だからといってそれがサラウンドに結びつくわけではないと思うからです。

    >サロン時代の音楽を<正しく再現する唯一の方法>は、いうまでもなく、Surround
    >「サロン音楽」とは、畢竟、「サラウンド音楽」なのだ

    の部分です。これはちょっと言い過ぎでしょう。

    たしかにサロンであれば演奏家と聴き手は近接していたということは言えます。時にはピアノに手をかけながら聴いたこともあるでしょう。しかし、人々は基本的に演奏家を正面にすえて、取り囲むようにして聴いていたということでしょう。そのことは絵画にも残されています。

    グラス片手に口角泡を飛ばして政治や外交を議論していた人々も、いざショパンが激情露わに政治的メッセージとして「革命エチュード」を弾きだしたら、みんな静まりかえってショパンの方に向き直ってその演奏に聴き入ったのではないでしょうか。

    私が、GIPラボの鈴木社長の話しをレスで引き合いに出したのは、そのことが言いたかったのです。鈴木社長の目指すものは《近接》ですが、かならずしも《サラウンド》ではありません。聴かせていただいたのは、すべて2chステレオのCD音源です。

    byベルウッド at2022-10-04 00:03

  21. fukuさん 応レスありがとうございます

    第一には入交さん宛へのレスであったと解釈しました。
    (fukuさんの知識と、Auro3Dさんの報告内容との間には、
    容認出来ない程の不一致が認められ、黙っていられなかったと。)


    私が心配したのはfukuさんの下記
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    >小編成の曲だから、その真ん中で聴く事が正しいとするのであれば、十分な検証を経るべきだと思うのですが、どうでしょうか?
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    これは、受け取り方によっては、入交さんの仕事にfukuさんがアヤをつけていると見られます。 お前の検証は不十分じゃないのか?と。 fukuさんが、入交さんの上司、音楽史の研究家、音楽プロデューサー、そのほか局に意見を言える立場の御方なら、普通の発言に見えるのですが。立場の見えない、個人情報の無い半分匿名のPhilewebコミュニティでは、その発言は少しばかり刺激的に見えたのです。

    『どうでしょうか?』の問いかけに対しては、入交さんの回答を待つまでもなく、fukuさんは回答を求めてはいませんよね? 音楽史にまったく造詣のない私であっても、『小編成の曲だから、その真ん中で』なんて単純な話でないのは想像できます。はなから無茶な前提条件。
    「いいや、fukuは入交さんと会って問い詰めたいのです!」というのなら、それはそれでアリかもしれませんが(笑)
    .

    bynightwish_daisu at2022-10-04 00:12

  22. fukuさん Auro3Dさん

    長くなりますが、もう少し補足しておきたいと思います。

    私の推測ですが、Auro3Dさんと入交さんはAuro-3Dが音楽志向のフォーマットであり、もっと今までにない音楽空間を実現できるということで会話されたのではないでしょうか。

    Auro-3Dは、5.1サラウンドをベースレイヤーにしている。それは既存のAV音声である5.1chとの後方互換を確保したかったからです。あくまでもメインターゲットはホームシアターユーザーです。このことは開発者が明言しています。

    その5.1chは、映画の劇場音声用として発展してきました。源流は戦前戦後の3chステレオや70mmの6chアナログ音声。それがデジタル化していく。センター音声は、映画館音声として発展してきたからこそ存在しているわけです。

    センター音声は映画用の「必要悪」という発言はそういうことなわけです。しかし、音楽専用としてフロントLCRを全く同一にそろえればセンターは強力なデバイスとなる…という発言は、そういう音楽専用(ピュアオーディオ)としてAuro-3Dは強力なフォーマットであるということを言いたいがためでしょう。

    Auro-3Dは、もともとは、前2ch/後ろ2ch(つまり4chサラウンド)に、前方ハイト2chを加えた6.0chを試したところ、好結果が得られたことがきっかけと、これまた開発者が明言しています。それが、5.1chを一次レイヤーにしたのは前述の通りです。また、Auro-3Dをカーオーディオに応用しようとしているという点でも、開発が音楽志向であることがわかります。そういうAuro-3Dの既存のAV用フォーマットとの違いを強調されたかったのではないでしょうか。

    しかし、音楽専用としてホームシアターとは相容れないセンタースピーカーとその厳密なセッティングは、どれほどの方が素直に受け止め、理解されるでしょうか。個人的には大きな疑問を持っています。

    AVには興味がない。あくまでも音楽鑑賞用としてAuro-3Dなどの3D音響を追求したいというAuro3Dさんの躍進に大いに期待しています。

    byベルウッド at2022-10-04 00:29

  23. ベルウッドさんは、サロンの再現も2cHで十分(GIPラボの鈴木社長なら)と言いたいのですね。 しかしですね、件のシステムが特殊過ぎて、それは例外として扱わないといけないような?

    一部の特殊なオーディオ装置を例にあげて、全体を語るべきではないと思ったのでレスいれました。
    .

    bynightwish_daisu at2022-10-04 00:37

  24. >AVには興味がない。あくまでも音楽鑑賞用としてAuro-3Dなどの3D音響を追求したいというAuro3Dさんの躍進に大いに期待しています。

    え、Auro3Dさん。
    そうだったんですか???
    .

    bynightwish_daisu at2022-10-04 00:39

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