2006年02月19日

資生堂 70~80年代のクリエイティブワークから、見えたもの・・・

資生堂。
前々から、資生堂の広告の作り方に、大変興味を持っていた。
まずはそれぞれの年代に登場した商品につけられた、コピーを挙げてみる。

1926~28年 
○資生堂練白粉
 ・資生堂練白粉は色は白・ばら色・ばら肉黄の3通りあり、いづれも質よく、なめ  らかにしてつきよきご類いなし・・・・・。

1925年
○オイデルミン
 ・美白用過酸化水素クリームと化粧水
 ・春化粧は資生堂のおしろい

1963年
○資生堂美容室
 ・すぐれた化粧品とテクニックが一つに結ばれている。
 ・カラーとライン、光と影、香りと輝き流行と美しさをシャープにとらえる。

1966・67年
○資生堂サマー化粧品
 ・120日の太陽は、静かなエピローグへ
 ・120日の太陽はが真上に燃えるとき、資生堂サマー化粧品

1969年
○6人6色、みんなで集まるときの色 資生堂ピンクパウワウ

1968・70年
○資生堂MG5(男性用化粧品)
 ・男生の時代、MG5の時代資生堂MG5
 ・若い肌が70年代を左右する

初期の1920年代のコピーは、化粧品そのものの効果や、性質をそのままコピーにしていたものが圧倒的に多い。


60年代に入ると少しずつ、各製品の性質よりかは、その製品に幻想的観念を植え付けさせるものが出てき始める。

そして、貧困圧力・生存圧力を克服した70年代に入ると、
実現論でいう、情熱的をかき立てる様な恋愛が成立しなくなり、性を剥き出しにした
官能小説やポルノ映画が主流となると同時に、資生堂のコピーも、女の性的価値を極限まで幻想化したコピーが次々と登場する。

1970年
・爪を美しさの武器にできるのは、女性だけ
・赤は女にとっていちばん古くいちばん新しい色
・爪の色はその人の顔までも連想させてくれる
・愛する色か?愛される色か? 資生堂ラヴ・イン・カラー

1971年
・女はラブリィの時代に入る

1972年
・ほほ、ほんのり染めて
・愛のかたちは、さまざまでも愛がふくらむ香りはひとつ 資生堂香水オーデコロン

1973年
・海は、鏡台アクエア
・指先と目元の新感覚 資生堂ネイルアートフラッシュアイズ

○資生堂シフォネット
・美人の登場しない伝説をしっていますか?
・美女ノ水神ヲ誘惑スルヲ禁ず 熱砂国水道局
・美女はすぐ退屈するから困る・・・マスカラの深いきらめき
・シフォネット美人がころんでも美しさは変わらない
・愛されすぎる美女はブルースを聞きなさい

○資生堂香水モア
・うららかな春の昼さがり、やさしい風が頬をなでるそれはモア、愛の香り

・なんとかいって
 何かひとこと言ってほしいのに、気が利かない人ね「きれいだね」とか「大人っぽ くなったね」とか言い方はいろいろあるでしょう。香りもちゃんとつけて少しは気 取ってるんだから。

・ふとったかしら
 そうかしら、そんなに太ったかな。勿論やせるように努力しているものの、食欲の ほうもいっこうに衰える気配がないし、困ったものね。せめて香りだけでもスマー トにしていたい。

・どうしようかナ
 そんなに急に言われたって、困っちゃうな嬉しいけど、もう少し考える時間がほし いのあなたの気持ちは十分に判っているわ。でもちょっと待ってカオリさん、どう 答えたらいいの?

1974年
○資生堂べネフィーク (コスチュームデザイン コシノジュンコ)
・雨ふる日の夜は、べネフィークでしめやかに終わります
・十三夜の月はべネフィークの目もとに似ていました。
・そのべネフィークは、雨あがりの風みたいな感触
・冬の素肌をまろやかなべネフィークのマッサージクリームで大切に

1975年
○資生堂ナチュラルグロウ
・彼女はフレッシュジュース

1976年
○資生堂ラクエア
・南南西の風、色いきる

○資生堂ヴィンテージ
・「生きている以上は、自分に興味をもちつづけたい。そしたら他人のことだって、  見えてくるだろう。

・「なぜおれがいるか?それを知るためにおれは生きる。自分自身を知れるなら、サ  ービスのどん底だってやるさ

・おのれのにおい、そいつを他人にぶつけることが親切心をいうやつさ。きざと言う なら聞いてやる

  黒田征太郎 熱い心を満たす資生堂ヴィンテージ
                        磨くしかないのです

1977年
○資生堂クインテス
・可愛い顔はしているけれど、考えているのはコワいこと
・立入禁止、ここからは女
・彼は義を好み、私は貴を好む

○資生堂ロードス 男性用オーデコロン
・そのさわやかさに男はめざめ、男の一日がはじまる
・朝がひらかれる時刻に男の肌へオーデコロンを
・パットの神様 ウィリー・パークの名言 パットにすぐれたものは常に勝利者をな る
・飛ぶ前夜、鳥人たちの見た夢は?

1978年
○資生堂香水「舞」
・ほのかな香りほど、悩ましい

○資生堂「京紅」
・かざらない唇ほど美しい

○資生堂香水「禅」
・清らかな香りほど妖しい

・君の瞳は10,000ボルト 

○資生堂ネイルエナメル
・指先に願いをこめて恋の魔球

1981年
○資生堂香水すずろ
・恋がつもって咲かせたかほりは何色ですか?

1982年
・朝露に花にあたり思うことなし心しずまる日
・透明な街を歩いて星の破片ひろう気まぐれな恋

1983年
○資生堂サンフレア
・め組みのひと
・め組みのひと、セクシーカラースキャンダルよ
・め組みのひと、さあさあボーヤはお家にお帰り

・Ms.ニッポン いい女はいい女、ミス・ミセスの区別はいりませんだからミズ

1981~85年
○資生堂タクティクス メンズフレグランス
・3歩すぎてから、彼女は振り向いた。香り、女には見えるものがあるらしい。
・一瞬風の中でささやきが聞こえた。香り、女には見えるものがあるらしい。
・男と女アップアップ
・女と男ゆらりゆらり
・単に近い、鏡に近い
 女のない国でさて、男は男だろうか、タクティクスは女性の好感度高い香りだ、
 しかしスカートはいた香りではない。
・千夜も一夜の男と女
・錆ではご法度の男と女

1981年~85年
○資生堂インウイ 女性用オードパルファム
・風は光になりました。香りは粉になりました。 インウイ
・嘘を言ってははいけませんわたくしの目を見て。 インウイ
・女性の美しさは都市の一部です。 インウイ
・彼女には影の演出者がついています。 インウイ
・カガミの隅まで染めてしまいそう。 インウイ
・なにかに向かって燃えていますか。 インウイ
・人生は選択  インウイ

この時期資生堂は、国内外の著名なアートディレクターを総動員して、観念を駆使して、それぞれの商品に、幻想価値をつけた。

広告は、時代を作るといわれている。
一見すると、この時代は情熱的な恋愛があちこちで見られたんだなと広告のこぴーを見て思ったが実は、ここまで幻想的価値をつけないと、男女の関係は成立しなかったということだろう。

今の僕らの世代がこんなこと口にしたら、こっぱ恥ずかしい。

90年代~現代の資生堂の広告コピーもぜひ分析してみたいと思う。


makochanpe25 at 23:52│Comments(0)TrackBack(1)

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