転売屋から海外スマホを買うべきでない3つの理由

転売屋

なぜ海外スマホをできるだけ転売業者ではなく正規ルートから手に入れた方が良いのか、3つの理由を紹介します。


転売業者から買う人だけの問題ではない

まず転売業者・転売ヤーの定義は「メーカーではなく、一般消費者向けの小売店などで商品を手に入れて定価以上で消費者向けに販売する事業者」で、「メーカーから直接仕入れて販売する商社・小売業」とは区別されます。

いったん一般消費者の手に渡った「古物」を売買する場合は古物営業法に基づく古物商許可を受ける必要があり、特に悪質な転売業者は古物商許可すら受けずに脱税行為をしていることもあります。

なぜ転売業者から買うのをできるだけ避けるべきなのか、理由を3つに絞って紹介します。

 

なお、実際にどこで購入するか決めるのはあなた自身です。

「絶対に正規ルートで買え」という命令ではないですし、ものによっては正規の購入ルートがない・難易度が高すぎる場合もあるため、100%否定するものではありません

あくまでもこの記事は、ただのミーハーではないガジェットオタクに対して「正規の購入ルートがあるにもかかわらず、転売業者を最優先で選んでしまうのは良くない」という主張をするものです。

理由1. 需要予測がしにくくなる

メーカーがどの地域にどの製品を投入するか決定する際、「その地域での需要」があるかどうかの情報は喉から手が出るほど欲しいものです。

実際にXiaomiはPOCOブランドの製品を日本に投入した理由の一つに、「越境ECサイトでの購入者のうちおよそ10%が日本のユーザーだった」ことを挙げています。

具体名は出ていませんが、「越境ECサイト」というのは発表会で言及のあった公式販売店のうち、日本向けにも販売しているAliExpressやGshopperの公認代理店のことでしょう。

弊サイトはAliExpressのPOCO Phone StoreGshopperなどと提携しており、やりとりの中で地域毎の売上を把握していることが分かっています (そうでもなければ木っ端の日本メディアに情報提供しないでしょう) し、逆にこちらからSNS上での反応や「Mシリーズの売上が悪いがFシリーズはコスパが良く人気だ」「ゲーム用途で最適化が進んでいるSnapdragonが好まれる」などと現地情報の提供を行うこともありました。

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ところが、非正規の転売業者から購入してしまうと「日本人が買っている」というデータが出なくなってしまいます

転売業者は中国や香港などの小売店でスマホを購入するため、日本人が買ったのではなく中国や香港の人間が買ったとしてカウントされます。

需要予測だけで製品投入が決まるわけではないとはいえ、具体的な売上データがあるのとないのとでは製品投入を上層部に説得する難易度は大きく変わるでしょう。

 

転売業者から買うことで、本来望むべき「日本で正規品を購入できる」未来に至る可能性を奪ってしまっているのです。

理由2. 使える予算が少なくなってしまう

定価に上乗せされた金額で購入するということは、定価で買うときに比べて自分の予算の減り方が大きくなります

企業としては「ついで買い」やより上位のモデルを買ってもらうことを狙うものですが、定価に上乗せされれば予算に収まりきらず単品だけで諦める可能性が高まってしまいます。

予算が足りなくなれば自分は欲しい商品を諦めないといけませんし、メーカーは本当だったら買ってもらえていたものを取り逃がしてしまうため、両者とも損をして転売業者だけが得します

自分は安く買える、メーカーは利益が増えるというWin-Winの関係になる正規ルートを使うべきです。

ドブに捨てる

理由3. メーカーの利益が少なくなる

これは感情論に近い理由ですが、転売業者から購入すると直販に比べメーカーの利益が薄まってしまうという問題があります。

ファンであれば「推し」に入るお金は多ければ多いほどいいと考えるのが通常ではないでしょうか。

 

小売業者が販売する場合は仕切り価格といって「小売業者が定価販売しても利益が出るようにするための値引き」があるため、その分メーカーの利益としてはマイナスになります。

転売業者は小売店からスマホを購入するため、直販に比べて仕切り価格の分、利益が薄まってしまうのです。

AliExpressの公認代理店は定価と同じかそれ以下で販売しているため、定価未満で仕入れていることはほぼ確実です。

薄まった利益に加えて、転売屋の上乗せのせいで理由2.のように他の商品を買ってもらえたかもしれない可能性も潰されてしまい、踏んだり蹴ったりです。

利益

日本から購入できる直販店がある「京東」の出品料は200万円以上かかる、だからメーカーに優しいとは言えないという反論もありますが、零細企業はともかく大企業にとって200万円は端金です。各スマホメーカーの決算を見れば分かるとおり、年間で億単位のお金が動いている中での影響力はかなり小さいはずです。

もしプラットフォーム手数料が高くて小売業者に卸すほうが利益が大きいのなら、わざわざ直販店を持たずに公認代理店や小売業者にすべて任せるでしょう。

多少のプラットフォーム手数料を払っても、直販するほうが利益が大きいのだと考えるのが自然です。

さらに言えば京東ほどのプラットフォームが大口顧客に特別条件を提供していないとは考えにくく、一般顧客よりも手数料が低くなっている可能性すらあります。

 

京東では送料を実質的に国際配送の代行手数料だと考えることもできなくはないですが、例えば5999元の商品の配送料は129元なので、約2%の手数料と言えます。某転売屋の5%の上乗せや「けっこう安い」業者の上乗せよりかなり低く抑えられています。

AliExpressの公認代理店だと定価+送料無料であることが多いので、代行手数料だという主張は通りません。

反論1. 定価からの上乗せは保証や付属品が充実しているからだ

転売業者が上乗せしているのは、保証が充実していたり現地の購入特典も付けてくれたりするからだ、という主張があります。

ただ、保証を付けてくれるのは京東やAliExpressも同じですし、転売業者と違って無料で正規の保証が付いています

転売業者で保証を使うということは「新品を正規ルートで購入して使用している顧客に対して保証を提供する」「並行輸入 (非正規ルートでの購入) は保証対象外」が基本のメーカーに対して、転売業者自身が使っているわけではないのに嘘の内容でサービスを受けようとすることにもなります。好きなメーカーに対して嘘をつくことに罪悪感はないのでしょうか。

JD 京東

京東では購入特典が例え2便に分かれるほどの大きな箱に入っていようと、5%も上乗せせずに1つ分の送料で届けてくれます。

これまで30台以上京東から購入して保証を使うほど深刻なトラブルはありませんでしたし、DeepL翻訳サービスを使えば例え英語が分からなくても簡単にやりとりできます。

特にAliExpressならPayPalで払えば日本語でPayPal相手にクレームを入れることもできます。万が一返品することになっても、別に法律を勉強しなくとも規定のフォーマットに従って記入するだけで郵便窓口から海外発送できます。

 

海外通販にチャレンジする気がない一般人やリスクを一切許容できない人 (…違法端末使ってるのに?) は転売業者を使うしかないのでしょう。

最初に書いたとおりこの記事はガジェットオタク向けなので、そういう人は対象外です。

反論2. お前がやってみろ

テンプレ反論のようですが、「そこまで言うならお前が転売事業をやってみろ、サポートや保証のためには上乗せが必要だ」という人が多いです。

直販や公認代理店が存在するレッドオーシャンに「サポートにコストをかける転売事業」で殴り込みを掛けるのはナンセンスです。

 

もし私がやるなら転売業者ではなく、公認代理店を設立して定価に上乗せすることなく正式なサポートを提供できる体制を目指します。

現にXiaomiの場合だと公認代理店になって定価に上乗せせず国内サポートを実現している「龍祥コミュニケーション株式会社」が存在しているため、転売業者という形でないと事業ができない、上乗せしないと国内サポートを提供できないというのは詭弁です。

「龍祥コミュニケーション株式会社」は資本金500万円の小さな会社です。

反論3. 嫌なら使うな

自分が使わないだけで済む問題ではないことは、「理由1. 需要予測がしにくくなる」で説明済みです。

まとめ

転売業者はあくまでやむを得ず使う最後の手段であって、直販や公認代理店を使える場合 (販路的な意味でもリスク許容度的な意味でも) は優先的にそちらを選ぶべきです。

中国版スマホには京東、グローバル版スマホはAliExpressGshopperAmazon.comの利用がおすすめです。

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