統一教会問題によってタチの悪い新興宗教団体(宗教の名を借りた反社会的悪徳集金組織)の手口や被害が明るみに出てきた。今なら我が家のことも書ける気がしたので書いてみる。
自分も家族に誘われて何度かある新興宗教団体の会合や儀式に参加したのでそこで見たこと感じたことを思い出して書いてみる。誰にもまともに相談できなかったし、相談しても結局どうにもならなかった。
以下、家族がヨガ瞑想系の新興宗教団体にハマったこと。それを通じて見たこと感じたことなど。注意喚起にもなれば幸いです。
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団体名は「サイエンスオブエンライトメント」。元ヨガ講師の相川圭子という70代女性が指導者(教祖)。団体内では「ヨグマタ 」とか「ヨグマタジ」と呼ばれている。
ヒマラヤの秘境で悟りを開いたと謳い、日本に居ながらにして悟りのパワーを享受できたり、瞑想を通じて悟りに至る方法論を学べるというのが売り。
家族がハマったきっかけはTV番組「マツコの知らない世界」にて、「マツコの知らない瞑想の世界」というタイトルで相川氏が番組出演したのを配偶者が観たこと。最初は、瞑想を教えてくれる素敵なおばあちゃん、くらいに思っていた。その後その家族に連れられて瞑想セミナーに参加した。
毎日瞑想を続けることを教えられ、自宅で瞑想する際は相川圭子氏の教えに服従するという文句の祈りを唱えた後、マントラ(呪文)を心の中で唱え続けるということをする。
団体の中の人は、この「サイエンスオブエンライト」を宗教団体とは言わず、瞑想セミナーのようなものと言っている。瞑想のやり方を教えているだけ、と。しかし実態は、高額な呪文や数珠や合宿、セミナー、寄付を要求する霊感商法団体。「マインドフルネス」や「瞑想」「悟り」という言葉に惹かれて近寄ると、ちょっとびっくりするくらいのお金を吸い取られる。
タチが悪いのは、やっていること全てが悪で真っ黒ではないというところ。言っていることは常識的で穏当で共感しやすいことも多かった。相川氏の著書(何冊も出ていてどれも同じような内容)を読むと、特に反社会的だったり過激なことは言っていない印象を受けた。瞑想が大事で、愛が大事で、私はヒマラヤで悟って(ここは過激かも)、相手を変えようとせず自分を変えなさい、とかそういうことが書いてある。(そして最後にほぼ必ずセミナーや合宿への参加の必要性が語られる)
しかし実際には、洗脳に近いことをして価値観を狂わせ、お金を徴収させていくシステムが存在していた。しかも高額でかつ料金があらかじめわからないようになっていた。
また、先祖や前世からのカルマだ因縁だと言って脅してくるのも霊感商法ど真ん中で悪質だと感じた。
実際に会合に参加すると、大勢で一斉に瞑想?したり、相川氏の祝福のビームみたいなのを受け取ろうとしたり、修行の段階ごとに分かれて儀式をしてスピリチュアルな体験を円陣で語り合ったり、不思議で怪しげなことをする。数多くの、団体内だけで通じる言葉(ジャーゴン)もある。
毎回、相川圭子氏が登場する前にはVTRが流れ、国連でスピーチした映像ややインドの首相と対談?している様子などが映し出される。権威付け・箔付けをしているのだろう。芸能人の広告塔的信者もいる。
セミナーは様々あり、レベルが上がって行くごとに代金も高くなって行く。一日数万〜十数万するセミナーもある。「徳を積むため」だとか、「執着を手放す練習」だとか色んなことを言ってお金を出させる。遠隔での祝福(エネルギー波的な?)で5万円とか、瞑想の際に唱える呪文代で数万円とか。合宿は当時、数日のコースと一週間のコースがあり、一週間のコースの料金は100万円ほどすると聞いた。
そして最も驚いたのは、東京恵比寿に総工費30億円の本部道場を作るので寄付をしてください、という話。寄付にランクがあり、一口10万円からスタートし、一口1億円のものまであった。呼びかける文書には、因縁を浄化される絶好の機会、とか、できる限り出してください、という文言が並んでいた。
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浮気されるほうがまだ楽だと思った。
配偶者から出てくる言葉は、その人らしさを失い、教祖の言いそうな言葉、その団体の中の人が言いそうな言葉になっていった。
寂しかったり悲しかったり虚しかったりする心のスキを突いて入り込み、人間の心をハッキングし操り人形のようにして、ATMにしてしまう。どれだけ洗脳されて操り人形になっていても、「大人が」「自分の意思で」やっているという建前だから言えることとやれることに限界がある。これほど悪どくてグロテスクなことはないと思った。
願わくば、今はさほど話題になっていないこの団体のことが知られて、辛い思いをする家族が減ればいい。こんな団体無くなればいい。
今はその家族に真正面から何を言っても頑なになるだけなので、件の団体がつけいるスキがないくらいに、楽しく、充実できるように、そんな教祖いなくても大丈夫なように、今も努力しているけれど、これからもしたいと思う。
(…と、強がってみたものの、書いていてやはり悲しい。辛い。心もお金も「持っていかれてしまった」感が辛い。いつか自然に必要なくなるといいな。)
カルトの類は人間の心理をハックしてるから強力なんだよね。 近代的自我というものがいかに幻想に基づいた理想像だったかを痛感する。 独立した個人という人間観はそもそも間違って...