四字熟語を知る辞典「泰然自若」の解説
泰然自若
[活用] ―として・―たる。
[使用例] 俺の泰然自若は、俺がこういう場面に慣れていなかったせいにすぎない。ロクや丸万があわてたのは、公然の殺人をよく知っていたからだ[高見順*いやな感じ|1960~63]
[使用例] 酒を飲んでも
[使用例] 予想通り車内は地獄、ところが、みななれているのか余裕
[解説] 「泰然」も「自若」も古いことばですが、つないで使うのは近代以降のことです。「慌てずに、泰然自若としている」などと言います。なぜ物事に動じない様子をこう言うのでしょう。
「泰」は「泰平」「安泰」と言うように、危険がなく、落ち着いていることです。また、「然」は「~の様子」を表します。「平然」の「然」と同じです。したがって、「泰然」は落ち着いた様子、ということになります。
わかりにくいのは「自若」のほうです。「自分が若い」ことかと思ってしまいますが、そうではありません。
「自」は「もともと」の意味を表します。「自明」(=最初から明らか)の「自」と同じです。また、「若」は「然」と同じで「~の様子」を表します。したがって、「自若」はもとのままの様子、ということになります。
まとめると、落ち着いて、もとのまま変わらない様子。これが「泰然自若」です。ひとつひとつの漢字の意味がわかると、熟語が理解できます。
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