• 工場長の「カラーで語れ！」

Vol.8  名脇役！ “ウッド・フィラー”　～目止め編～

2017年11月13日

“ ウッド・フィラー ”

「何となく知っている」 という方も多くおられると存じます。

そして、御自分で塗装される方は参考にしていただければ幸いです。

分かり易く簡単に言いますと・・・

初段の下地処理に使う “ 木の導管を埋めるための液体パテ ”

です。

その他、“ 目止め ” と言われたり、類似品では “ との粉 ” があります。

自分はフィラーに2つの役割を持たせてまして、一つは先述通り

• 導管の目止め

もう一つは

• 着色 ➡ 色の下味 ＝ 食材の下味（と同義）

です。

この “ 着色 ” の意味が非常に大事 でして、その意識を持って使う、使わないで、色の旨味が大きく変わります！！！

今回は、役割の一つ　“ 導管の目止め ”　のお話を。

一般的に全ての材に行う処理ではありませんが、主流な材では

• アッシュ
• マホガニ

等、大き目な導管を持つ材に行います。

とはいえ、全ての材に行っても問題はありません。大事なのは・・・

「落としどころに合わせて、適切な処理をする」

事です。

そんな中F.C.G.R.では、恐らく多くのメーカーはやらない “ メイプル ” に行ったりもしています。

詳細☛　ネック塗装　“ 極薄ラッカー仕上げの秘密！？”

手順はいたって簡単！

①刷毛で塗布する　↓↓↓

②布で擦り込み、カスを残さずしっかり拭き上げる↓↓↓

※自分は拭き取りを３段階で行います。拭き取りが甘く表面にカスを残すと薄い膜となり、その後密着不良の原因になります。小麦粉料理を作る際の “ 打ち粉 ” の様に作用します。

パーツを取り付ける際、圧力で塗膜が浮き　“ ソコをきっかけに一気に剥離 ”　なんてことも起こりえます。

③完了↓↓↓

誰でも出来そうですが、無数の導管を１００％埋めるのはそれなりの経験が必要です。というか今でも相当難しいです。

フィラー塗布時の肝は

• フィラーの粘度➡お好み焼きの素ぐらい
• 刷毛での塗り方➡導管が吸い込む様にまんべんなく

拭き上げ方のコツは

• 擦り込むように回転させながら
• 布を押しつけ過ぎず、導管に入り込ます様に意識し
  
• シンナーを飛ばしつつ
• やや固体にしながら（固まり過ぎると表面に残ります）

拭き取ります。

不慣れな場合は、数回繰り返し作業をすることをおススメします。

「この作業の如何が、仕上がりに大きく影響します！」

フィラーがキッチリ埋まっていないと導管が塗料を吸い込んで・・・

• 塗膜を平らに出来ない。
• 色がのらない。（吸い込んだ部分が黒く見える）
• 気泡が出来る。
• 仮に塗料を吹き重ね強引に埋める事が出来ても、その部分だけ厚くなる➡膜厚にムラが出来る。先々、塗膜がひけた時美しくない。プロっぽくない。

等の問題が起こります。

特にラッカーにおいてはポリに比べ顕著に症状が表れますので、超々重要な作業です。

なめてかかると恐ろしい結果になります！じっくり丁寧に です。

そして、しっかり乾燥させてから、初段のｼｰﾗｰを吹きます。

その後は、色、仕上げに応じ塗料を吹き重ねて行きます。

“ ウッド・フィラー ” 、地味ですが非常に重要な作業です。

F.C.G.R. Factory Manager & 塗装 ： 船越

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