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高山義浩

沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科

認証済みバッジについて

地域医療から国際保健、臨床から行政まで、まとまりなく活動。行政では、厚生労働省においてパンデミックに対応する医療体制の構築に取り組んだほか、少子高齢社会に対応する地域医療構想の策定支援などに従事してきた。臨床では、感染症を一応の専門としており、地域では、在宅医として地域包括ケアの連携推進にも取り組んでいる。著書に『アジアスケッチ 目撃される文明・宗教・民族』(白馬社、2001年)、『地域医療と暮らしのゆくえ 超高齢社会をともに生きる』(医学書院、2016年)、『高齢者の暮らしを守る 在宅・感染症診療』(日本医事新報社、2020年)など。

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    有症状期間がゾコーバ投与群で167.9時間、プラセボ群で192.2時間。つまり、約1日短縮したという結果です。主要評価項目が達成されたとのことで、承認されるのだろうと思います。 ちなみに、インフルエンザの治療薬タミフルの臨床試験成績(国内)は、有症状期間がタミフル投与群で70.0時間、プラセボ群で93.3時間であり、約23時間短縮したという結果でした。よく似ています。 治療薬の選択肢が増えることは、間違いなく良いことだと思います。ただし、治療薬として承認されることと、誰もが飲むべき薬であるかは別の話です。このあたりの整理が必要になりそうです。 また、誰もが内服できる薬が登場するということは、それだけ薬を求めて受診する方が増えるということでもあります。この夏の医療ひっ迫の原因のひとつは、軽症者が救急外来に殺到したことにありました。医療体制を平時に戻しておくことも必要です。

    高山義浩
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    徒歩でのサハラ横断を試みて、死亡した22歳の青年がいました。灌木の下に遺体は横たわっており、胃や膀胱が空であったことから、装備品を乗せたラクダに逃げられ渇死したものと推定されています(上温湯隆著『サハラに死す:上温湯隆の一生』)。 無謀な挑戦は若者の特権です。大事なことは引き際を自ら見抜くことです。バックパッカーの先輩として言葉をかけさせていただくとすれば、「周りはとやかく言うだろうが、自分自身で引き際を判断するしかない。自分の知力、体力、そして運気を見極めること。これが旅の醍醐味でもある」と。 冬の北海道を歩いて、野宿しながら稚内に至るのは困難でしょう。そんなことは、本人がそこに立って気づけば良いこと。いまから出来ない理由を教え込む必要はありません。出張じゃないので、旅は変更すればいい。そのことに気づくために、彼は北海道まで歩こうとするのかもしれません。あるいは・・・

    高山義浩
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    出発前検査に偽陰性がいたかもしれません。初発例が現地で感染して、二次感染させ、さらに発症者が出るには8日はかかります。沖縄から持ち込んだ可能性は十分にあります。 現地の医療にお世話になったのですから、「強く申し入れる」前に、自分たちの対策に不備がなかったかを洗い出してください。この記事を先方の医療従事者が読めば、すごく残念な気持ちになると思います。 去年の秋、沖縄を訪れた修学旅行生の感染者のため、何度も駆け回ったことを思い出します。生徒の療養先を確保し、検査を優先的に実施し、できるだけスケジュール通りに帰れるように調整しました。 地元に戻られたあと、「沖縄に修学旅行に行ったら感染させられた。水族館かもしれないし、平和学習かもしれない。しっかり感染対策やってくれ」と言われたら、悲しくて仕方がありません。幸い、皆さん、沖縄のせいにすることなく、私たち医療に感謝の言葉をくださいました。

    高山義浩

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