商法・会社法は配点が低いにも関わらず、範囲が膨大に渡るため、毎年受験生を悩ませる分野となっています。
そして、最終的には捨ててしまう受験生も多くありません。
では、本当に商法・会社法は最初から捨てるべきでしょうか。
このコラムでは行政書士試験の商法・会社法の向き合い方を述べていきたいと思います。
行政書士試験における商法・会社法とは
行政書士試験では、商法の分野から1題、会社法の分野から4題、合計5題が択一式で出題されます。
得点にすると20点/300点です。
このように配点が低いにも関わらず、範囲が膨大になるため、商法・会社法を捨ててしまう受験生が多いのが現状です。
しかし、20点とはいえ、出題されている以上、捨てるのは得策ではありません。
一方、前述した通り、範囲が膨大ですので、商法会社法に時間をかけるのもまた得策とは言えないのです。
そこで、商法・会社法はコンパクト学習をしていくことが重要となります。
コンパクト学習とは、時間をかけずに頻出テーマを繰り返し学習していくことです。
過去問から出題範囲の的を絞り、これらを中心に学習していくことが対策となります。
はじめから捨て科目にしない
先ほどの章でもお伝えしましたが、商法・会社法は捨て科目にするには大変もったいない分野です。
受験生の中には10点程度足りなくて不合格になってしまう方がいます。
つまり、しっかり学習して試験に臨んだにも関わらず、不合格になってしまった方の中には160点後半から170点台の方が数多くいるということです。
商法・会社法の勉強法
商法の勉強法
まず商法の分野ですが、これは比較的易しい問題が出題されます。
1題だけの出題ですが、この1題は取りにいきます。
また、商法は民法の特別法なので、民法の内容を補足している部分が多くあります。
したがって、民法を学習してから商法の学習に入ると比較的簡単にインプットできるのも特徴です。
「民法では〇〇だったが、商法だと〇〇になるのか」といった理解の仕方で民法と対応させながら学習していきましょう。
したがって、商法は分野を絞らず全体を一通り学習すべきですが、時間が無い場合、「総則」「商人」「商行為」の分野を重点的に学習してください。
会社法の勉強法
次に会社法ですが、会社法は条文数も多い上に、内容もかなり細かいです。
この分野で満点をとるのは相当量の学習が必要となりますので、いわゆる「費用対効果」が低い分野となります。
したがって、頻出のテーマを絞り、学習をすすめていきます。
頻出のテーマは「設立」「取締役」「取締役会」です。
行政書士試験の会社法はこの3テーマから毎年一題程度は出題されます。
これをしっかり得点につなげます。
試験経験者は「株式」や「株主総会」まで繰り返し勉強する
また、2年目以降の受験生で、時間に余裕がある方は上記の頻出3テーマに加え、「株式」や「株主総会」まで繰り返し学習をしましょう。
この2テーマを加えた5テーマを繰り返し学習すると、会社法だけで2/4は確実に得点できるはずです。
これに商法の1題を加えて3/5得点できれば、12点分加算されますので、合格にかなり近づけます。
このように行政書士試験の商法・会社法はセーフティーネットの役割があるのです。
知識のインプット法
最後にインプットの仕方ですが、商法・会社法のインプットは、やはり予備校の講座を受講することがなによりの近道です。
アガルートアカデミーでは、前述したコンパクト学習をより効果的に行えるようにベテランの講師が的を絞った講義を展開しておりますので、ぜひ受講してみてください。
また、独学する場合でも、商法会社法は条文を逐条していくというよりも行政書士試験用の基本テキストを使って学習することをおすすめします。
行政書士試験用のテキストは、行政書士試験で出題される分野に的を絞って編集しているため、無駄がなく最小限の時間で最大限の効果を発揮できるように作られています。
アウトプット法
次にアウトプットですが、これは過去問を使って頻出のテーマを繰り返し学習することをおすすめします。
もし時間に余裕があるのであれば「設立」と「取締役」の分野は模試の知識もマスターしましょう。
ただし、これはあくまで商法・会社法で3問以上確実に得点したい受験生のための対策であり、時間に余裕がない方は行政法と民法の補強に時間をかけるべきです。
最低でも2/5が取れれば行政法や民法の失点を補えるというスタンスでかまいません。