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(賢秀)ここ ここ ここ!
(タクシー運転手)はい どうぞ。(賢秀)早く!
(タクシー運転手)お客さん お金!
(賢秀)要らん!違う 違う 違う…。
何を言ってるんですか あの人は。
お客さん! お客さん もらってないよ!もらってないよ!歌子は 歌子はどこ!?
(受付)失礼ですけど…。俺さ 俺!
俺!(和彦)賢秀! 賢秀 あっち!
(賢秀)どけ!ああっ お静かに!
(賢秀)どこか!(タクシー運転手)お金 お金!
(暢子)ニーニー!
(智)熱が 下がらんわけよ…。
歌子?
起きれ 歌子。
(良子)ちょっと…。歌子!
ねえ…。 ニーニー!起きれ! 目 覚ませ!
(良子)お願いだから 静かにして!
(優子)大丈夫。
歌子は 強い子だから。
♪~
ニーニー ネーネー 行こう。
一緒に 来て。
どこに?分かった。 行こう!
すいませんでした。本当に ありがとうございます。
おっ…。もう一回 乗せてちょうだい!
よし 行こう!お願いします!
まさかやー。
(賢秀)乗れ! 早く 早く!
(ブレーキ音とドアの開閉音)
(賢秀)暢子 おい!
(タクシー運転手)だからお客さん お金!
お父ちゃ~ん!
お父ちゃ~ん!歌子を助けてちょうだい!
お父ちゃ~ん!
父ちゃ~ん!
暢子 ニーニー。
早く!
お父ちゃ~ん!
お父ちゃ~ん!
あの… 分かるんですけどお金…。
(賢秀)お前もやれ!えっ?
父ちゃ~ん…。声が小さい!
父ちゃ~ん!もっと!父ちゃ~ん!
もっと!父ちゃ~ん!お父ちゃ~ん!
父ちゃ~ん!父ちゃ~ん!
お父ちゃ~ん!父ちゃ~ん!
はっ?あっ あの人 やってないです。
(賢秀)ぽってかす。あれは まもるちゃん!
まもるちゃん?(賢秀)母ちゃんと同じ収容所から一緒に この村に来て…分かる?
はい。
歌子を 助けてちょうだい!
(賢秀)父ちゃ~ん!(良子)お父ちゃ~ん!
お父ちゃ~ん!
♪~
(歌子)お父ちゃん…。
先生 呼んできます。
(ドアが開く音)
お父ちゃん! 聞こえている?
お父ちゃ~ん!
(賢三)暢子。
お父ちゃん?
お父ちゃ~ん!
(賢三)大丈夫 見ているからよ。まくとぅそーけー なんくるないさー。大丈夫。
お父ちゃ~ん!
お父ちゃ~ん!
♪~
ねえ 昨日のライブ見た?見た。
この人 めっちゃ格好いい。めっちゃ格好よかった~。
(おばぁ)アイあんたたち 元気そうだね。
アイ おばぁも。
♪~
ただいま~。
♪~
(子供たち)わっ!アキサミヨー。
おばぁ びっくりした?
未来 デージ驚いたさ。
やった~!(未来)やった~!
ドッキリ大成功!(2人)大成功~!
(未来)やった~!
母さん!
アイ 健彦。沖縄に帰っていたわけ?
(健彦)うん 今朝の便で。
お帰り。
良子から もうすぐ着くとメールが来たさ。
アイ…。 あっ 準備しないと!
うん。うん。
ただいま~。(石川)お邪魔します。
久しぶり。アイ いらっしゃい。
こんにちは。こんにちは。
こんにちは。さっ 上がって。
うん。うん。
ありがとう。
(賢秀)おい! ちょっ…。よっしゃ! じぃじに勝ったぞ!
俺が 沖縄の一番星だ~い!
俺が 一番星ヤサ。
お~ これは これはやんばるの皆さん おそろいで。 ヘッヘッ。
おっ 中村! 元気か?
見て! コスモバンド!
アイ 何ね それ?
格好いいだろ!
(清恵)何で あんなもの買ってあげるの!
だからよ。
アイ 歌子 智 いらっしゃい。(賢秀)おう!
ただいま。こんにちは。
はい ゆし豆腐。
アイ ありがとう。(良子)ご苦労さん。
(賢秀)歌子体の調子は どんな?
チャー元気さ。この10年 風邪もひいてないよ。
(賢秀)智。(智)ん?体の調子は どんな?
いいよ。 撮ろう 撮ろう。
はい チーズ。(シャッター音)
♪~
(賢秀)懐かしいな あの写真。
何で 俺 いないわけ?
あの時は 本当に心配だったねぇ。
もう 助からないと思ったさ。
海で 父ちゃんにお願いしたおかげで助かったわけさぁ。
元気になったのはうちのフーチバージューシーのおかげさ。
はいはい。 皆さんのおかげで今日まで やってこれました。
さあさあ 今日の主役が帰ってくるよ。
回して。
♪~
(クラッカーの音)
おばぁ おめでとう!
(一同)おめでとう~!(拍手)
アキサミヨー。 みんな ありがとう。
♪「ハッピー バースデー トゥ ユー」
♪「ハッピー バースデー トゥ ユー」
(賢三)♪「ハッピー バースデー ディア 優子」
♪「ハッピー バースデー トゥ ユー」
(拍手)(一同)おめでとう~!
(拍手)
ありがとうねぇ。おめでとう!
(優子)ありがとう。(拍手)
はい みんな笑って。
早く 早く 早く!よし 和彦 早く来い!
ほれ!(シャッター音)
賢秀は 清恵と共に 猪野養豚で地道にコツコツ 豚を育て続け昔 家族に借りたお金は全て倍にして返し終わりました。
良子は 夫婦そろって校長まで勤め上げ銀婚式には 海外旅行へ行く夢をようやく果たしました。
歌子は 民謡歌手としてたくさんレコードを出しました。
そして 子供たちに唄三線を教えています。
智は 歌子の歌手活動を支えています。
和彦は 念願だった沖縄の本を出版し民俗学分野で その功績をたたえられ沖縄の文化を 発信し続けています。
暢子の やんばるちむどんどんは大繁盛!
今日も 料理三昧の日々を送っています。
♪~
未来は 外国に行きたい気持ちは変わらないわけ?
(未来)うん。 私は 絶対に世界一のパティシエになる。
アイ フフッ…。
うちは 明日からも こうやって大好きな人たちとおいしいものを食べたい!
♪~(三線)(手拍子と掛け声)
♪「唐船ドーヰさんてーまん」
♪「一散走ーえならんしや」
♪「ユウヰヤナー」
♪「若狭町村ぬ」
♪「サー 瀬名波ぬタンメー」
(一同)♪「ハヰヤセンスル ユウヰヤナ」
♪「(イヤーアッサ アッサ アッサアッサ アッサ アッサ アッサ アッサ)」
♪「(アッサ アッサ アッサ アッサ…)」(賢秀)歌子! アイッ!
♪「音に豊まりる」
♪「大村御殿ぬシンダン木」
これは やんばるの ある家族の物語です。
♪~
回想 (賢秀)暢子 まだ?
(良子)ニーニー うるさい!(賢秀)うるさいとは 何か長男に向かって!アイ もう出来るよ。
(賢秀)歌子 何か歌ってちょうだい。(歌子)嫌だ。
何でよ。 ほれ!
(一同)頂きます。
子供の頃 家族と食べたおいしいもの共に過ごした思い出はきっと その後の人生に勇気を与えてくれるはずです。
ん~ おいしい!
自分で作って 自分で褒めるとかのんきだねえ。
暢子 今度はてびちも作ってちょうだい。
うん。(歌子)おいしい。
暢ネーネーイカスミジューシーもまた作って。
(賢秀)うん ジューシーいいなあ。うん いいよ。 フフフッ…。
暢子が食べているのを見てるとこっちまで 幸せになるさ。
おいしい~。
マーサン。マーサン。
♪~
ん~!
♪~
♪「届いて この歌 あなたへ」
♪「降り注ぐ順光線」
♪「照らす背には永久の願い」
♪「『大丈夫 ほら 見ていて』」