沖縄県宜野湾市議選で初当選した元教員の新人、プリティ宮城ちえ氏(63)=本名・宮城千恵氏、れいわ新選組公認=が元教え子に対し、マルチ商法で全国から約650億円を不正に集めたとみられる投資グループの関係者を紹介していたことが27日、分かった。宮城氏が沖縄タイムスの取材で認めた。

プリティ宮城ちえ氏

プリティ宮城ちえ氏 プリティ宮城ちえ氏が投資の魅力について元教え子に送ったメッセージの一部

 投資グループのメンバーのうち都内の会社役員ら7人は、高配当をうたった投資ファンドへの出資を無登録で勧誘したとして昨年、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで警視庁に逮捕されている。

 会社役員らは「ジュビリーエース」などの金融商品をうたい、暗号資産(仮想通貨)の売買を通じて利益が出るなどと説明。2019年4月~20年11月に約650億円を集金したとみられる。新たな出資者を紹介すると紹介料などを得られるマルチ商法の手口で出資を拡大したとみられ、県内でも被害が確認されている。

 宮城氏によると教員退職後の19年、県内に住む当時40代男性の紹介を受けて出資。その後、男性を那覇市の元教え子の20代女性に紹介した。「男性も私も人をだますつもりは全くなく、いい話だと思った」と話す。

 宮城氏は元教え子に金融商品への出資や投資セミナーへの参加を直接勧めたことはないと言い、現在弁護士を立てる方向で調整中。「市議として活動を続け、心配してくれている支持者に応えたい」と話した。

 一方、元教え子は「毎週のようにセミナーに誘われた」と本紙に説明。20年8月、宮城氏から「億万長者がどんなふうに稼いでいるか私も知りたいから一緒に行こう」などと言われて40代男性を訪ねた。男性に現金50万円を手渡したこともあると言い、「先生の紹介だから信用していた」と振り返った。

 宮城氏は11日に投開票された市議選で2843票を獲得し、2位で当選。れいわ新選組の公認候補として県内で初めて議席を確保した。

(社会部・比嘉太一、中部報道部・平島夏実)