市民への弾圧を強めるミャンマーの軍事政権。英エリザベス女王の国葬に呼ばれなかったが、あろうことか、岸田政権は安倍氏国葬の「通知」を送り、“招待”しているのだ。
昨年、クーデターにより“政権奪取”したミャンマー国軍は民主化を求める市民に対し弾圧を続けてきた。事実上の最高指導者だったアウンサンスーチー氏は現在も軟禁中。人権団体によると、昨年2月のクーデター以降、2000人以上の市民が虐殺されたという。
最近も16日、北西部で国軍による学校などへの無差別空爆や発砲があり、少なくとも11人の子どもが死亡している。20日は軍が設置した「評議会」の報道官が、対立する民主派勢力などの交流サイトの投稿をシェアしたり、「いいね」すれば最大で禁錮10年を科す、と警告している。恐怖政治の極みだ。
防衛省は20日、ミャンマーからの留学生の受け入れを停止すると発表。ミャンマーの軍事政権が今年6月、民主活動家4人の死刑を承認し、岸信夫防衛相(当時)が強い懸念を示していたが、彼らを7月に処刑してしまったからだ。
■外務省の見解は?
なぜ、日本政府は国葬の通知を出したのか。そもそも、ミャンマーの軍事政権を日本政府は「政府承認」していない。
外務省の見解はこうだ。
「外交関係を有する国に対してはすべて国葬の通知を出しており、ミャンマーにも出しました。だからと言って、政府承認をしたわけではなく、ミャンマーに対する姿勢が変わることもありません」(南東アジア第1課)
杓子定規な対応だが、国際世論が黙っていない可能性がある。国際ジャーナリストの春名幹男氏が言う。
「岸田首相は安倍国葬の根拠について、『民主主義を守り抜く決意を示す』と強調しています。その国葬に暴力で市民を弾圧し、民主主義とは対極のミャンマーを“招待”するとは見識を疑います。これでは軍事政権が続ける弾圧にお墨付きを与えかねない。通知を出した岸田政権に対し、国際世論の批判が巻き起こってもおかしくありません」
民主化を求める在日ミャンマー人は、軍事政権の参列をさせないよう訴えている。訴えは岸田首相に届くのか。