大和艦内には、実に様々な施設があった。それもそのはず大和には2500人もの乗組員がおり、沖縄水上特攻時には、3000人以上の乗組員がいた。その為、艦を運用する為の施設の他に、居住区や長期航海に出ても困らないような、環境を艦内に整備してやる事が肝心であった。
主な物としては、酒保と呼ばれた売店や理髪店や洗濯室にラムネ製造場まであり、それらは艦の運用的理由から、一つの区画にまとめて置かれていた。この区画は乗組員から通称銀座通りと呼ばれていた。酒保や理髪店に洗濯室の運営を任されたのは海軍兵士ではなく、軍属と呼ばれる職業軍人が行っていた。
軍属は正確には軍人では無いのだが、軍人を相手に仕事をするのが専門であるから、軍属と呼ばれて差し支えは無かった。ラムネ製造場は海軍兵士が担当した。
この様に大和の中でお金を使う場所は、この銀座通り位のもので、長期航海に出てしまえば海軍から支給される給料は、貯まりに貯まった。半舷上陸等でもあれば、遊郭や娼婦相手に金を湯水の如く使う様な人間もいたが、それは少数。大抵の者は郷土の親類に送金していた事が多かった様である。どうせいつ死ぬか分からない。それならいっそ郷土に残した親類に少しでも楽をしてもらいたい。海軍の給料は本土の民間人よりも多かったから、尚更使い道に困った様だ。
朝昼晩の三食と衣服は海軍が無料で支給される。その為、送金しても尚手元には金が残るのである。海軍兵士にとって、お金は貯まる物であって、必死になって稼ぎ出すと言う感覚は無かった様である。艦内施設の特異性は、大和の大きな特徴の一つであると言えるだろう。
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