吉田 みく
なぜその程度の関係の相手とのランチを快諾したのだろうか。年齢も20歳近く離れているが、突然の誘いに不安はなかったのか聞いてみた。
「仕事と家事以外にやることもなく、刺激がなくて退屈していたからです。自己主張が苦手で受け身な性格なので、誘ってもらえたのが単純に嬉しかったのもあります。母と同年代でもあったので年齢もあまり気になりませんでした。
ランチ会のときのAさんは、参加者の様子を見ながらスッと輪の中に入って、その場の空気を盛り上げていた人だったので、会話にも困らないかなと思ったのも理由の一つです。むしろ、年代の人生経験豊富な女子友ができるんじゃないかとワクワクしていたほどでした」
当日、Aさんはとても大きな石が付いたジュエリーを身に着け待ち合わせ場所に登場。マイさんが「素敵なジュエリーですね」と褒めると、「知り合いのご縁で定価の半額で買えたのよ」と、にこやかに笑ったそうだ。
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生き生きとしたAさんの姿を見て、「とても素敵な人に見えた」と、マイさんは語る。
どのお店に入ろうか、ふたりでを決める際に、Aさんが提案したのはお財布に優しいことで有名なファミレスだった。
「大きなジュエリーを身につけていたから、ランチをする場所もてっきり少し高めのオシャレなお店に入るのかと思って身構えていたんです。Aさんみたいな人もファミレスに入るんだと拍子抜けしました」
ギャップを感じてたマイさんだったが、それを伝えないままにその店へ入ったそうだ。
