「クアロア」と聞くと、乗馬や映画ロケ地のツアーなどで有名なクアロア・ランチが頭に浮かぶと思いますが、今回は、クアロア・ランチに隣接する「クアロア・リージョナル・パーク」をご紹介します。広大な海に面した公園…そこには、どんな景色が広がっているのでしょうか？
山脈の形が…
クアロアは、古代ハワイにおける区分された土地の一つで、オアフ島東海岸の真ん中辺りに位置します。その意味は「長い背中(クア=背中 ロア=長い)」。オアフ島を縦断するコオラウ山脈がクアロアの目の前に迫ってきていますが、その姿が、神話に登場する長いトカゲ（のような怪物）の背中に見立てられました。
東海岸を崖から見てみると
オアフ島東海岸を広く見渡せる場所が、ホノルルの市街地とカイルアの街をつなぐパリ(Pali)ハイウェイ上にあります。
「ヌウアヌ・パリ・ルックアウト」、展望台です。パリとは崖のこと。崖に設置された展望台の向こう側に、ものすごい景色が広がっています。
奥に見える街は、カネオヘ。少し離れて右手の奥に、カイルアの街が広がります。左手奥は、山脈が海に向かっているのが見えます。その辺りがクアロアです。そこを拡大してみましょう。
確かに、長い生物の背中にも見える山脈が見えます。その先には、三角形をした島が海に浮かんでいるように見えますが、この場所を目指して、ドライブしてみましょう。
クアロアに向けて、出発！
まずは、トンネルを抜けて…
山脈に沿って車を走らせると…
オアフ島の東海岸に沿ってカメハメハ・ハイウェイを北に向かうと…右手にチョコンと見えてきました。
ヌウアヌ・パリ・ルックアウトで見た三角の形をした島、「チャイナマンズ・ハット」です。その名の通り、中国の方々が農作業の時などにかぶっていた帽子の形に似ていることから、そのように呼ばれています。
左手に白い柵と、「Kualoa Ranch」のサインが見えたら、目的地はもうすぐです。
左手にクアロア・ランチが見えたら、分岐を右に曲がると、「クアロア・リージョナル・パーク」へと入っていきます。
ここは現在、広いビーチパークになっていて、週末になると地元の人々が誕生会を開いたり、ピクニックをしたりして楽しんでいます。このように、現在は人々の憩いの場となっている場所ですが、古代ハワイの時代に遡ってみると、この地はオアフ島にある聖地の一つで、非常に大切な場所なのです。
「クアロアの地を奪われたら、オアフ島は終わりだ」
王族の子供達がこの地で育てられ、戦いの技術を学んだり、神殿や王家の墓があったりと、島の中でも大変重要な場所だったため、ハワイがハワイ王国に統一される前に戦争が繰り返されていた頃、「クアロアの地を奪われたら、オアフ島は終わりだ」とも言われていたほどです。1850年まで、カメハメハ3世（カメハメハ大王の息子）が、直々にこの地を所有していました。
あの小さな島の本当の名前は…
さて、ドライブしながら目指していたあの小さな島は、この場所からはどのように見えるのかというと…
このように、まさに帽子のようにハッキリと見えます。チャイナマンズ・ハットと呼ばれますが、ハワイ語では「モコリイ(Mokoliʻi モコ=とかげ リイ=小さい)」といいます。「小さいとかげ」…どうしてそんな名前なのでしょうか。実はこの地に伝わる神話から名付けられています。
この地に立つ事で、神話の世界に入ることができる
火山の女神ペレの妹、ヒイアカが、カウアイ島からハワイ島へと移動中に、このクアロアの地で巨大なトカゲのような怪物に行く手を阻まれ、大バトルが繰り広げられました。その結果、戦いに負けて切り離された怪物のしっぽが、このモコリイになったというわけです。
それでは、その怪物の全体像とも言える写真を見てみましょう。
クアロア=長い背中、モコリイ=小さなとかげ…「クアロア・リージョナル・パーク」に立てば、神話の世界が目の前に広がります。
オアフ島でも大変重要な地であり、聖地であり、神話の地である「クアロア」。クアロア・ランチに行かれた際や、東海岸をドライブした際には、このパークに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
Kualoa Regional Park/クアロア・リージョナル・パーク
Kualoa Ranch／クアロア・ランチ・ハワイ
- 住所
- 49-560 Kamehameha Hwy. Kaneohe, HI 96744
- 電話番号
- (808) 237-7321
- 営業時間
- 7:30〜18:00
- 休日
- 無休（クリスマス、元旦を除く)
