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たくさんのヤシの木と海!ワイキキの海を見ながら、緩やかに風に揺れるヤシの木の下を散歩する時の気持ちよさは格別です。そこで、ワイキキを訪れた際に出会うヤシの木について、知っておくと散歩が楽しくなる豆知識をお伝えします。
伝説の鶏とヤシの木
ハワイは、土地々々がストーリーを持っている素敵な所です。ワイキキもその一つ。ワイキキの中心部にあるロイヤル・ハワイアン・センターの辺りは、かつて「ヘルモア」という地名を持っていました。その意味は「鶏が引っ掻く」。この地名が付いたのには、こんな話があります。
――時代は15世紀。「伝説の鶏」と言われた一羽の鶏が、当時のオアフ島を治めていた首長の目の前で、ワイキキビーチの砂を荒々しく引っ掻きました。あまりにもしつこく引っ掻いているので、「これは何かのしるしかもしれない!」と思った首長が、鶏が引っ掻いた所に一つのヤシの実を植えたところ、1万本ものヤシの木からなるヤシ園ができました――
このお話から、現在のロイヤル・ハワイアン・センター辺りには、ヤシの木がたくさん植えられていて、当時の様子が再現されています。
密集したヤシの木々を目の前にすると、なかなかな迫力です。昔は「ヤシ園の大きさが、島の首長の権力の大きさを表す」と言われていましたので、1万本ものヤシ園となると、他島の人々に、「相当強い首長なんだな…」と思わせる効果があったかもしれませんね。
頭上に…注意?
こんなにたくさんのヤシの木があったら、ヤシの実の数も相当なもの。ヤシの実が大きく育った木は、このようになります。
たっぷりココナッツ・ウォーターやココナッツ・オイルが採れる!…かと思いきや、公道や公園など、公共の場にあるヤシの木の実は小さい時に全て取り除かれてしまいます。
それは人々の安全の為なんです。大きく育ったヤシの実が頭に落ちてきて、大怪我をした方が市を提訴。それ以降、公道のヤシの実は大きくなる前に取り除かれることになりました。実の直撃の心配はなくなりましたが、とんでもない強風の日やその後は、巨大なヤシの葉が落ちてくることがあるので、要注意です。葉の重さは相当なもので、肩に当たった方が骨折してしまう程!
ちょっと変わった切り株
ワイキキを歩いていると、ビーチや歩道の片隅に、木の切り株が残されていることがあります。木の切り株といえば、輪がいくつも連なる年輪が見られますが、こんな切り株があったら…
それはヤシの木です。ヤシの木には年輪がなく、繊維の束のようになっています。台風などで、ヤシの木がポキンと幹の途中で折れたという話は聞きませんね。強い風にも、しなやかにしなって、うまく強風をやり過ごしています。
ワイキキの道の名前にもなっているヤシの木
ヤシの木はハワイ語で「ニウ(Niu)」といいます。ワイキキの中に、「ニウ」と付く道の名前がありますよ。「ニウ・ストリート」、「ラウニウ(ヤシの葉)・ストリート」、そして「ウルニウ(ヤシの林)アベニュー」です。中でも、ウルニウ・アベニュー近辺は王族の家があった場所で、海外からのお客様を料理とダンスでもてなした場所でもあるので、ワイキキを訪れたらぜひ歩いてみてください。
現代のワイキキの街を、素敵に彩るたくさんのヤシの木。
古代から、実から取れるココナッツ・ウォーターは毎日の飲み物に、ココナッツ・オイルは海水や強い日差しで荒れてしまう肌を守るローションとして…さらには、幹は建材やドラムとなったり、葉は編んでうちわを作るなど、人々の生活を様々な形で支えてきた大切な大切なものなのです。ヤシの木が作り出す涼しい日陰をたどりつつ、昔のワイキキに思いを馳せてみたりしながら、ワイキキ散歩をぜひ楽しんでください。