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「マノアの滝」のある場所として知られる谷の街、マノア。ワイキキからは車でわずか20分程の場所でありながら、別世界がそこには広がっています。自然に囲まれ、心が不思議と落ち着くマノアにある癒しのスポット…その場所をご紹介する前に、マノアがどんな場所なのか見てみましょう。
ワイキキの5倍超!?
マノアの谷を形作る山々は、オアフ島を南北に走るコオラウ山脈の一部です。ハワイには北東から貿易風(トレードウィンド)が吹き付けているのですが、その風がコオラウ山脈に当たることで上昇気流が発生し、山脈に沿って雲ができます。この雲が貿易風に押され、雨を降らせながら山脈を越えていきますので、マノアは雨が降ることが多い場所となっています。その年間降水量は、なんとワイキキの5倍を越えるほど。およそ4000㎜にもなります。その雨は「マノアの滝」になり、小川「マノア・ストリーム」となってワイキキに向かって流れ、そして、古代では多くのタロイモを育みました。
王族も好んだマノアの地
水に恵まれたマノアの地は、農業にとても適した場所で、古代から多くの人々が住み、その水を使って、主食であるタロイモの栽培などが広く行われていた所です。ハワイ島からマウイ島、オアフ島と攻め上がってきた、後に大王となるカメハメハは、カウアイ島に攻め込む前に、大軍と共にオアフ島にしばらく留まりますが、その間、軍の食糧確保のために、このマノアの地でサツマイモとタロイモの栽培を命じています。マノアにある「カメハメハ・アベニュー」という道は、カメハメハ大王が関わる地であることを、今に伝えてくれています。
さらに、少し標高が高いことと、貿易風が吹き付けることで海岸沿いよりも少し涼しくなっています。その涼しさを求めて、カメハメハ大王の妻カアフマヌ女王や、息子のカメハメハ3世、王国最後の女王、リリウオカラニ女王も住居をマノアに構えていました。
「学び」の機会がたくさん
マノアには、オバマ前アメリカ大統領や孫文など、数々の有名な卒業生を抱える私立学校「プナホウ・スクール」や「ハワイ大学マノア校」といった公立・私立の学校・教育機関をはじめ、古代ハワイの歴史や文化を学べる「マノア・ヘリテージ・センター」、図書館、様々な研究機関などがあり、まさに「学び」の地と言える場所でもあります。その中でも、ぜひ訪れてみていただきたい所が、「ライアン・アーボレータム」です。
植物等の研究を行うハワイ大学の研究機関の一つで、植物園のように一般の人も入ることができ、ハワイの植物について学ぶことができるようになっています。
まずは、ビジターセンターでチェックイン手続きをします。車で訪れた際は、ここでパーキングパスを受け取り、車のダッシュボードの上に乗せておきます。マップをもらって、さっそく園内に入りましょう。
在来種である貴重なコアの木や、古代ポリネシア人がハワイに持ち込んだ、食料になるものや生活必需品を作れる植物の数々、ノニやカカオなど、5000種を超える植物が待っています。
植物の花が咲く時期、実がつく時期など、違った季節に何度か訪れてみるのもおすすめです。
植物は、QRコードなどで説明を見ることができるようになっているので、じっくりハワイの植物について学んだあと、ワイキキの街を歩いてみると…この場所で学んだ植物の数々が、ワイキキにたくさん植えられていることに気付くと思います。ワイキキ散策が、またさらに面白くなりそうですね。
さらに、ライアン・アーボレータムには、滝に向かうトレッキングコースがあります。
コース横に記された番号に沿って歩いて行くと、小さいながらも、滝が出迎えてくれます。
マノアの滝のコースに比べて人が少なく、鳥の声や水のせせらぎの音を聞きながら、大自然が生み出す癒し効果を全身に感じながら歩くことができます。
そして、この場所を離れる前に行っておきたいのが、「インスピレーション・ポイント」と名付けられた場所。芝生の広場になったその場所には、人工的な建築物が全く視界に入らない、こんな風景が広がっています。
ワイキキから車で20分程の場所で待っている、大自然に囲まれた、静かな時間…。癒し効果バツグンのこの場所で、心と体のリフレッシュ、してみてはいかがですか?
Lyon Arboretum/ライアン・アーボレータム