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 足利陸上教室には、陸上の各種目で記録向上を目指す足利市周辺の小中学生が集まっています。各学校では指導者の確保などに課題があるため、足利陸上競技倶楽部が運営にあたり、約20年になりました。その努力が実り、全国大会での優勝者を出すなど、多くの成果を上げています。

〈左から〉今年4月の栃木県春季陸上中学生女子の部で、100m障害と走り幅跳びで女子唯一の2冠を達成した山本 実希(みき)さん。 今年8月の全日本中学校陸上競技選手権大会の「四種競技」で1年生ながら見事日本一に輝いた石原 南菜(なな)さん

(企画・制作 下野新聞社営業局)

「四種競技」で見事日本一に輝く

 教室の創設者の一人である小沼 光雄さん(88)は、勤めのかたわら、足利市立第二中学校陸上部の外部指導者を務めていました。自身は佐野高校時代に800mの選手として活躍し、第2回広島国体に出場した経験があります。足利二中陸上競技を指導する中で、他校も含め、陸上競技を指導するサークルの必要性を痛感するようになりました。各校ごとに専門的な指導ができる先生の確保が難しかったからです。教室が発足した背景にはこうした事情がありました。

栃木県中学校総合体育大会で1年女子4×100mリレーで優勝した4人。 左から石原 南菜さん、島野 桜さん、小沼 彩愛さん、厚木 ひまりさん

 100m障害、走り高跳び、砲丸投げ、200mの総合点で競う「四種競技」の石原南菜(なな)さん(13)=足利二中1年生=は、今年8月に行われた全日本中学校陸上競技選手権大会で、1年生ながら見事日本一に輝きました。小学2年生から教室に入って陸上競技を始めました。小学生の時にも100m、走り幅跳び、80m障害などで優秀な成績を残してきましたが、中学生になって四種競技に取り組みました。「いろいろなことにチャレンジしたかったから」とその動機を話します。陸上競技の魅力について「自分でしっかりやれば、その分、自分に返ってくるところです。今後も練習を積んで、中学校でいい記録を残していきたい」と話します。

ゴルフと両立、プロ目指したい

 山本 実希(みき)さん(14)=足利二中3年生=は、今年4月の栃木県春季陸上中学生女子の部で、100m障害と走り幅跳びで女子唯一の2冠を達成しました。小学5年生の時に教室に入会。陸上競技のほかにゴルフに取り組み、世界ジュニアゴルフ選手権で小学1・2年生の部では世界大会3位、同3年生の時に5位になりました。「陸上競技はゴルフにもとても役立っています。コロナで陸上の大会がなくなり、気持ちを保つのが大変でしたが、教室に支えられました。高校に進んでからも両立できればと思います」。ゴルフではプロを目指して頑張っています。
 石原さん、山本さんともに「いい結果が出れば、みんな喜んでくれる。お互いに励まし合える仲間がいてとても楽しい」と教室での活動が支えになっています。

主に長距離を指導する清水 貞夫さん(写真右) 選手各々が、自分の目標を目指し切磋琢磨して います

小さい子を教えて自分も伸びる

 小沼さんとともに教室を運営する清水 貞夫さん(67)は、元中学校の先生です。教員時代には赴任した足利市内の各校で陸上部の顧問を務めていました。足利二中の校長を最後に退職した後、教室で主に長距離を指導しています。「陸上競技はいろいろある種目の中から自分の適正を見極めながら取り組めるのがいいところです。また、個人種目なのでそれぞれ目標を定めて努力する自主性が育ちますね」と清水さん。教室の運営には陸上競技倶楽部員に加え保護者もサポートしてくれており、指導に幅が出てきたといいます。
 足利二中では教室での活動が学校の部活としても認められています。教室には小学生も加入しており、中学生が小さな子どもたちを指導する機会も多いとのこと。「小学生に教えることで気づき、自分も高められます。部活とは違う交流の良さも見られます」と、小沼さん、清水さんは教室ならではの効果を語っています。

Profile 

足利陸上教室(足利市)

小沼さんが外部指導者を務めていた足利市立第二中学校陸上部の生徒らを中心に、2002(平成14年)ごろ発足しました。足利市周辺地域の小中学校が参加しており、現在は小学生30人、中学生23人の合わせて53人が在籍しています。

※新型コロナウイルス感染症対策に留意の上、取材を行いました。(写真撮影の時のみマスクを外してもらいました)

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