善光寺の回向柱、30日に「納所」へ 御開帳の期間中、願い受け止め
4~6月に善光寺(長野市)で行った御開帳で、本堂前に立てられていた回向(えこう)柱が30日、歴代の回向柱が並ぶ本堂西側の「納所(おさめじょ)」に移される。4月初めの建立以来、半年近くにわたって参拝者の願いを受け止めてきた回向柱。御開帳の際に本堂の「前立(まえだち)本尊」と結ばれた「善の綱」は既に外されているが、秋の彼岸の22日も参拝者が触れていた。
肌寒さが増したこの日、雨風にさらされて表面が少し黒ずんだ回向柱の前に、御開帳期間中のような人の列はなかった。埼玉県鴻巣市の60代の夫婦は「もう柱はないと思っていたのでびっくり」。自身の健康と、災害がないことを祈った。青森市の公認会計士、葛西裕之さん(41)は柱に触れて記念撮影。「日頃の行いへの反省を込め、しっかりと触れました」と話した。
30日は午前11時過ぎごろから回向柱の前で法要を執り行い、午後には本堂前から納所へ運ぶ予定だ。