現在、女性支援団体のColaboに対するデマが酷い状態となっています。元々は代表の仁藤夢乃氏が『温泉むすめ』を批判した「恨み」に端を発するものですが、その批判はなんと1年も前のもの。熱海の飲食店への現在も続く営業妨害や誹謗中傷と合わせて、オタクの病的なまでの反社会性を表す現象となっています。

 今回はそんなデマを1つ1つ丹念に検証していく記事です。デマが無尽蔵に作られ続けるので、シリーズ化する恐れすらありますが。

でしゃばりじゃないの?

 本題の前に、この記事の作成に至った考え方の説明とあり得る批判への応答をしておきます。
 Colaboに関しては部外者である私、しかも男の私が「デマの検証」というのは、いささか出しゃばりではないのか、という批判が予想されます。そして、その批判はおおよそ妥当なものです。

 しかし、仮に出しゃばりであってもやる必要があるだろうと考えています。その理由は2つあります。

 まず1つ目は、デマの流布が女性を支援する人々の労力を食いつぶし、活動を妨害する目的と機能を有しているという点です。
どれだけ荒唐無稽なデマであっても、悪評が広がれば支援が必要な人が団体を訪れにくくなるという明確な実害が存在します。そのため、デマを流された側は対応せざるを得ません。こうした対応にリソースを割けば、本来労力を向けるべき支援に影響が出てしまいます。

 このような事態を少しでも軽減するには、部外者であってもデマの否定と検証に動く必要があるでしょう。特に男は、同じ男が犯した罪の後始末をする責任がある、というのが私が常々主張していることです。デマの検証という本質的ではない労力を少しでも肩代わりして、デマ被害者の負担を減らすことが求められています。

 2つ目は、部外者から見てもデマはあり得ない解釈に基づいており、明らかに悪意を持ったものであることを証明する必要があるからです。関係者がデマを否定できるのは当然です。しかし、デマゴーグはそれを「公開していない証拠を持っているから」とし、むしろそうした証拠を出さなかったことを理由に責任転嫁と更なる攻撃に走る恐れがあります。実際、そのような言動も見ています。

 ここで重要なのは、デマがあくまで悪意と愚かさに基づくものであり、常識的な理解力を有してさえいればそのようなデマに辿り着くことは不可能であることを示すことです。この証明によって、デマゴーグが差別意識のためにデマを流布したり信じ込んだのであって、決して団体が必要な情報を隠匿していたためではないことを示す必要があります。

 もちろん、私はColaboの部外者ですから、ここで示した検証が実態とは異なっていることもあるでしょう。しかし重要なのは、「少なくとも資料を妥当に解釈すればそのようなデマにはなり得ない」ことを示すことです。そのことを念頭に置いて以下の記事をお読みください。

全然児童相談所につなげていない、というデマ

 ではデマの検証をやっていきましょう。まずはこのデマです。

 アカウントからして常習的なデマゴーグであり、この発言を信用してしまった人は内心にある女性蔑視を反省すべきです。

 デマの内容は児童相談所との連携が少ないというものですが、単純に計算が間違っています。小山は相談対応の総数である約1万9千件のうち、児童相談所と連携したのが165件しかないと主張しますが、小山自身が引用している画像を見ればわかる通り、相談対応の大半はLINEによるものが占めています(約1万3千件)。この状態で、児童相談所との連携の多寡を全体から議論する意味は全くありません。

 なお、これから常に同じことが起こりますが、デマゴーグはColaboの資料(らしきもの)を引用しながら、引用元を明記しません。明記するとデマがばれるからでしょう。通常、引用元がはっきりしない情報はその時点で根拠薄弱なデマに過ぎず、検証側がわざわざ大元のソースを探してまで検証する義理はありません。根拠がないでバッサリ否定しないのは温情です。

 さて、小山が引用しているのはColaboの2021年の報告書です。画像と同じものはPDFの5枚目にありますが、注目すべきは4枚目です。ここには相談者数が1672名と記されています。このことからわかるように、相談対応の件数は明らかに、1人に対して複数回対応したものを逐一カウントしている性質のものです。

 (あるいは、相談人数は実際に会った相談者を、相談件数はLINEなどで実際に会わなかった人数を含めた数をカウントしている可能性があります。その場合、これ以降の文章の「1人に何度もカウント」を「直接は会わなかった数」に読み替えても主張の根幹には影響がありません)

 児童相談所との連携が1人に対して複数回行われる可能性は高くないでしょう。一方、LINEでの対応は1人に対し何十回、あるいは何百回と行われてもおかしくありません。つまり、「1人に何度もカウントしている総数」を分母に、「1人に精々1回程度しかカウントしていない数」を分子に据え、回数が少ないと主張していることになります。この計算がおかしいことは即座にわかりますね。

 ちなみに、小山は他機関連携が全体で約1500件あることを無視し、児童相談所との件数だけを抜き出しています。このような操作に対する説明はありませんが、Colaboの活動を過小評価する悪意があると取られてもやむを得ないでしょう。

 なお、これも常識で考えればわかることですが、団体に接触する女性の困難は多様であり、常に児童相談所との連携が必要ないしは最良であるとは限りません。資料4枚目の相談者の属性を見ればわかるように成人の相談者も多く、この場合はそもそも児童相談所との連携が不可能です。このことから、児童相談所との連携が多ければよいという評価も粗雑すぎることがわかります。

 また、Colaboの相談件数を実績の水増しだと非難するものも見かけましたが、いちゃもんに過ぎません。支援団体の活動の性質を考えれば、相談者数が多いことと1人に対し手厚く対応することは同様に重要です。相談者数だけを重視すれば後者が、相談件数だけを重視すれば前者が正しく評価できませんから、2つを両方とも示すのは妥当な報告です。

お金に不正があるかのようなデマ

 ここから先は全て「暇な空白」によるデマの検証です。まずは、Colaboがあたかも不正に補助金を得ているかのようなデマについて。
 そしてColaboとTsubomiが東京都と国から税金を貰って受託しているバスカフェ事業。2021年の活動報告書には34回実施したとあります」
 ちなみにこれ、要項だと原則週に1回以上、年52回以上実施することってあるんですね。34回だと原則の6割程度しか実施できてないですよね?https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/jakunenjosei/moderu.files/030706youkou02.pdf  URLはりつけ

(原則週一日以上に赤線
な「原則週1日以上、だからこれ最低ラインですよね?それすらも満たしていない・・・?」
空「そうなるよね。月に2日しか行われてないのがほとんど。これで支援になるのだろうか?その2日に行けない子はどうすればいいの?」
(中略)
空「ところがこの若年被害女性支援事業の予算は令和2年3210万、令和3年に約1億、令和4年にはなんと約2億と膨らんでいってるんだ」
な「博士・・・これって・・・」
空「しっ。そこから先は危険だ。まだ口に出すんじゃない。現在、都に公文書開示請求を出したり、関係各省庁に問い合わせたりして調査を進めています。追ってご報告できればと思います。」
 仁藤夢乃さんとColaboの支援事業について調べてみました
 アウトリーチ活動が週1日以上となっているのに足りてない!おかしい!といういちゃもんですが、彼は自分で引用した文章すらまともに読めていません。実際の文章を見てみましょう。
4 事業内容及び実施方法
(中略)
(1)アウトリーチ支援
 本事業では、困難を抱えた若年被害女性等に対して、主に夜間見回り等による声掛けや、相談窓口における相談及び面談等の以下の支援を実施する。
① 夜間見回り等
 困難を抱えた若年被害女性等の被害の未然防止を図る観点から、深夜の繁華街などを巡回し、夜間徘徊など家に帰れずにいる若年被害女性等に対して、声掛けや相談支援を原則として週1回程度実施する。または、都内繁華街などに常設の相談場所を設置し、原則週1日以上若年被害女性等の相談などに応じる。
 東京都若年被害女性等支援事業実施要綱
 というように、週1日以上というのはあくまで『都内繁華街などに常設の相談場所を設置』するタイプの活動だけを指しています。暇な空白はその前に書いてある『夜間徘徊など家に帰れずにいる若年被害女性等に対して、声掛けや相談支援を原則として週1回程度実施』を都合よく無視しています。そして、先ほど引用したColaboの2021年の報告書を見れば、回数まではわからないものの、34回行われたバスカフェとは別に見回り活動も行われていることがわかります。

 常識的に考えれば、リソースが競合するため、バスカフェと見回り活動を両方とも週1日以上求めている要綱ではないでしょう。実際には、トータルで週1日程度の頻度(あるいはそれに類する十分な実績)があればよしという判断だったのでないかと思われます。Colaboの活動回数は公然となっており、東京都がこれを把握していないとは考えにくいため、バスカフェだけでは基準をクリアしていなくてもなお事業が継続していることからも都がこうした判断をしたのではないかと推察できます。

 また、若年被害女性支援事業の予算が増加したことをColoboと関連付けようとしていますが、これは事業全体の予算でありColaboに対する支出ではありません。稚拙な印象操作でしょう。
空「バスカフェの利用者が947人に対し1535食提供しているので、持ち帰ったレトルトカレーやインスタントラーメンもn食でカウントしてそうだね。バスカフェにきた全員がご飯食べるわけでもないだろうし。ちなみにレトルトカレーとかインスタントラーメンも寄付でもらったものらしいから原価はかかってない」
(中略)
空「それより給食費、396万円。さっき給食は1535食提供ってあったよね。396万割る1535食は2580円。このロールキャベツ定食や弁当、インスタントラーメンは一食2600円かかってるんだ」
な「ええええええええええ!?一食2600円あったらロイヤルホストでお腹いっぱい食べられますよ!?!?この刑務所以下のロールキャベツ定食と弁当と寄付品をちょろっと配って一食2600円!?」
空「このお弁当は、子供無料大人300円の子ども食堂から提供されてるんだ。だからほぼタダ同然だろうね。パンとかレトルトカレーインスタントラーメンも原価は一食百円程度。しかも寄付されてるから原価が無料なものがほとんど。つまりロールキャベツ定食一食で5000円超えてそう」
 Colaboと仁藤夢乃さんのお金の闇をもっと調べてみました
 Colaboの食事支援が一食2600円というデマもこいつ発信でした。この数字の根拠は会計報告の給食費を食事提供の数で割るという割り算に過ぎません。この計算は給食費が全て食事提供に使われたものであるという前提がなければ成立しませんが、その前提が正しいという根拠は特にありません。

 1535食という数字は、やはり2021年の報告書の8枚目に登場します。しかし、資料を見ればわかるように、ここでカウントされている食事というのはあくまで、団体と一緒に食卓を囲むタイプのものに限られています。資料22枚目の会計報告は、資金について活動ごとではなく用途ごとに報告されているため、ここでの給食費が報告書にある1535食だけではなく、例えばバスカフェで提供された食事やフードバンク的に配布された食料にも該当することは容易に読み取れます。

 このため、給食費を提供した食事数で割り算する計算が間違っていると言えます。

 1食2600円というあり得ない数字が出たとき、計算間違いではなく団体が不正なのだと判断してしまうのは、団体に対する蔑視や悪感情が先だっているからでしょう。そうでなければ、Colaboの食事提供の方法が複数あることから、単純な割り算が妥当ではないことはすぐに気づくはずです。
な「えっと、活動報告書で報告した年間1500食はカウントしやすいシェルターの食事をカウントしただけ、バスカフェや郵送で少なくとも他に毎月100人に30食を提供してるから1500とは別で年間36000食以上提供してる、だそうです」
空「えっと・・・どうしよう?これ、自分たちの活動報告書が本当は37500食以上提供してるのに1500食ってめちゃくちゃ違う数字を書いて出してました、数えるのが面倒で、ざっくり計算しただけでも36000食だしそれ以上なのが確実なのに1500食って報告してました、って言ってるんだよね?」
な「そうなりますね」
空「これ税金でやってる事業だよね?こんなどんぶり勘定許されるの?37500食と1500食だと25倍の開きがあるんだけど。仁藤夢乃さんと強いつながりがある共産党は不正会計がどうだってめちゃくちゃ細かく突っ込んでなかった?」
 Colaboと仁藤夢乃さんの不正会計疑惑を調べてみました
 なお、彼は性懲りもなく食事提供の数を不正に報告したと主張していますが、常識で考えれば、活動内容を意図的に過小に報告するのはあり得ないとすぐにわかるはずです。そんなことをしても団体に得はありません。前述のように、バスカフェではフードバンク的な食料提供も行われているのであり、そのような形式では食事の提供数を数でカウントするのが困難なだけです。

貧困ビジネスであるというデマ

空「あとさ、多分寄付もさせてるんだよね。根拠はこれ、2021年の会計報告書。2020年に比べて寄付金が減った理由は”定額給付金がなかったから”」
空「これおかしいんだよ。認知プロファイリングするね。なんで2020年の寄付金は定額給付金が原資だとわかったの?”定額給付金はいった子から直接徴収”ってムーブをしてないとわからないよね?まさか寄付金送るときにコレは定額給付金送りました!って手紙みんな書くわけじゃないんだから。」
な「もう・・・やだ・・・こわい・・・(泣)」
 Colaboと仁藤夢乃さんの不正会計疑惑を調べてみました
 Colaboの活動が「貧困ビジネス」であるという荒唐無稽な主張も散見されます。貧困ビジネスは被害者が受け取る生活保護などを搾取することで成り立つものですが、その証拠に暇な空白は「定額給付金からの寄付」を挙げています。

 同様のデマはあの青識亜論も行っていました。インセルデマゴーグ大進撃かよ。

 もちろん、このデマは定額給付金の性質を理解していないいちゃもんに過ぎません。
 定額給付金とは、政府がコロナ対策と称して国民に配布した10万円です。このような政策に反発し、受け取った給付金をそのまま慈善団体に寄付した人も少なくありませんでした。『まさか寄付金送るときにコレは定額給付金送りました!って手紙みんな書くわけじゃないんだから』とありますが、実際にはそうした表明はSNS上でも盛んであり、その年だけいきなり寄付の総額が増えたりきっちり10万円の寄付が相次げばその原因を予想するのは容易です。

 同時に、この定額給付金は原則として世帯主に家族全員分が振り込まれるものであったため、DV被害などで世帯が同じまま居住地だけ離れている場合は、受け取るのが不可能ではないものの困難であるという批判も相次いでいました。Colaboが支援する女性はまさにこの特徴に当てはまるため、定額給付金を安定的に搾取することは明らかに困難でした。

 最後に、Colaboが貧困ビジネスだとする主張の根幹をなす(とデマゴーグが思い込んでいる)ものを検証して終わりましょう。それはシェアハウスやシェルターに関するものです。
スクリーンショット (69)

な「なんですかこれ?家計簿・・・?3人分?」
空「その写真の説明はこちら。10代でシェアハウスに住む3人が、1ヶ月の生活費の計算をしてるんだ。」
スクリーンショット (70)

な「それがどうかしたんですか?生活費の収支を計算するのは大事なことだと思います」
空「見にくいからエクセルに起こすね」
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スクリーンショット (72)

な「ふんふん、収入が16万の二人と14万で、支出がこう。家賃3万円はColaboの公式にも書いてありますね」
空「うーん・・・そうだね。順番に説明していこうか。家賃は3万円じゃなくて3万円~、これは本当は65000円だよ」
※適時赤線いれたり注目させて
な「えっ」
空「まず光熱費1万円。これも一律徴収だね。そしてその下の保険・税って何かわかる?まあごまかしてるけどこれも多分Colaboが取ってる額だよ。だって保険なんて10代家出少女が入る?税って何?」
な「えっえっ」
空「あとね、141000円の収入って生活保護だよ。家出して保護されてColaboの手伝いしてる女の子がバイトで14万も稼げるわけないよね。1時間1000円として140時間、週5で1日7時間フルに働かないと無理じゃん。夜とか風なら別だけどそれはColaboとしてはありえない。東京都の18歳一人暮らしの生活保護費を計算サイトに入れてみたら、140530円って出てきた。これが141000円の正体じゃない?B子とC子で手取りの基本値が同じ141000円なのも変だし、B子がそこから2万円増えてるから基礎値は141000円でしょ。あとね、A子だけ7000円多いのは生活保護費の「高等学校等就学費」ってやつで、通学してれば7000円追加でもらえるから。つまりB子とC子は17歳以下なのに通学すらしてないよ。保護ってなんだろうね」
スクリーンショット (73)

な「えっえっえっ(泣)」
空「でさ、+20000とか+15000ってのはさ、多分生活保護とは別で隠れてバイトした別収入かな。ほんとはだめなんだけどね。バイト帰りに、みたいな記述がでてくるからシェアハウスの子たちバイトしてるよ。シェアハウスとか、バイトとか。多分いろいろと不正受給だね」
 ホワイトボードの計算をあたかも、実際にすでに収入があり、それをもとに支出の内訳を計算しているかのように扱っていますが、そうだと断定できる証拠はありません。収入が生活保護と類似してはいますが、それが生活保護だという証拠もなく、ましてや現在生活保護を受けていると断定できるわけでもありません。もし受けたらこういう生活が可能という想定の計算をしているとも理解できるでしょう。

 仮に、この3名が既に生活保護を受けているとして、その支出計画を立てているのだと解釈してもなお、暇な空白によるいちゃもんは支離滅裂な過程を繰り返すことによって崩壊しています。

 まず、家賃について『これは本当は65000円だよ』などと突然出所不明の数字が飛び出しています。仮に3名がシェアハウスをしていて家賃を均等に割っているなら9万円になるはずですが。また、『光熱費1万円。これも一律徴収』も根拠がなく、思い込みに過ぎません。光熱費が固定だからという予想でしょうが、計画における概算ならキリのいい数字になるのは当然です。『その下の保険・税って何かわかる?まあごまかしてるけどこれも多分Colaboが取ってる額だよ』も根拠のない思い込みです。『保険なんて10代家出少女が入る?』と主張していますが、親に頼れない立場であれば不意のケガや病気に備え、予め保険に加入しておくことは不自然ではありません。

 ちなみに、そもそも収入が14万円だというのも、生活保護の額と類似していることからくる想像に過ぎません。『バイトで14万も稼げるわけないよね』とありますが、なぜフルタイムの正社員になる可能性が排除されているのでしょうか。夜の街にたむろしていたような女が定職に付けるはずもないという蔑視でしょう。高等学校等就学費についても『つまりB子とC子は17歳以下なのに通学すらしてないよ。保護ってなんだろうね』と主張し、あたかもColaboが被支援者を社会から孤立させているかのような印象操作を図りますが、普通に中卒で進学していないか中退しているかのどちらかでしょう。想像力の希薄さに驚きます。

 『+20000とか+15000ってのはさ、多分生活保護とは別で隠れてバイトした別収入かな』に至っては「生活保護を受給している」という仮定に「バイトの収入である」という仮定の屋上屋を架してまで不正受給だと誹謗しています。ここまでくるとキモいの一言ですね。 

 彼はColaboの提供する住居が「タコ部屋レベルの酷いもの」だという印象操作にも積極的です。彼の示した写真はあくまで一時避難所の仮眠スペースのものであり、シェルターは別にあることは2021年の報告書の10枚目などから明らかです。

デマゴーグの主張を契機に監査を厳しくしてはならない

 さて、本来はColaboの政治活動に対するいちゃもんにも応じたかったのですが、記事が長くなり過ぎたのでこれまでとしましょう。最後に、この騒動の後で起こりうる重要な懸念を指摘して終わります。

 今回の検証について、食事提供数のデマとシェルターに関するデマは『仁藤夢乃氏の支援団体Colaboがバスカフェで提供している食品が一食2600円という計算は、さまざまな意味で誤っている-法華狼の日記』を参考にさせていただきました。そのなかで法華狼氏は『なお、不特定多数へ向けた支援も、人数だけでなく何らかの配布数を計上してほしい、といった要望だけならば理解はできる。また、事務費などを考慮しても、給食費を一括で処理せず事業ごとに詳細な会計をしていほしいという要望も一理はある』と指摘しています。

 しかし、私はこうした考えには賛同できません。端的に言えば、この騒動を契機により詳細な報告をColaboに求めるのは「テロに屈する」ようなものであり、徒に支援団体の負担を増やすだけの結果に繋がりかねません。

 これまで見てきたように、Colaboに対する反応はほとんどが荒唐無稽なデマやいちゃもんでした。それ以前は活動に目立った疑惑などなく、常識的な理解力さえあれば、これまでのColaboの報告で十分だったのです。

 活動報告は重要なものでしょうが、支援の目的の本筋からは外れるものです。そのような枝葉末節に労力を割かせられる迷惑は、研究費で細かいことを要求され続ける研究者も身に染みています。ましてや、この手の支援は性質上、数字を明確にできないものも少なくありません。そこの数字を明確にしようとすれば、支援の利便性やいい意味での匿名性を失うこととなり、かえって支援が阻害される結果ともなりかねません。

 何より、この騒動をきっかけに報告のあり方を厳しくするというのは、差別主義者やデマゴーグに成功体験を与えることです。無からいくらでも作り出したデマによって影響を与えたとなれば、彼らはさらに調子づいて攻撃を続けるでしょう。それは今後の支援にとってもマイナスになります。

 我々はあくまで、差別主義者やデマゴーグによる誹謗中傷が不当なのであり、支援団体には非がないことを強調して主張しなければなりません。