人気バトルアクション『HiGH&LOW』シリーズの最新作である、映画『HiGH&LOW THE WORST X(クロス)』が公開中だ。『ハイロー』シリーズと高橋ヒロシ氏(※高は、はしごだか)による不良漫画『クローズ』『WORST』のクロスオーバー映画となり、前作の『HiGH&LOW THE WORST』は興行収入10億円越えのヒットで、新たなファンを開拓するなど話題となった。

今回は、『HiGH&LOW』シリーズに登場する鬼邪高校 全日制の轟洋介を演じる前田公輝と、『クローズ』『WORST』の世界にも登場する鳳仙学園の小田島有剣を演じる塩野瑛久にインタビュー。映画公開により「実は釣り仲間」ということが発覚した2人について、また公開後ならではの「細かい注目ポイント」などについて話を聞いた。

※編集部注:本記事はネタバレも一部含んでいます。知らない状態で映画をご覧になりたい方はご注意下さい。

  • 左から塩野瑛久、前田公輝 撮影:宮田浩史

    左から塩野瑛久、前田公輝 撮影:宮田浩史

■上田佐智雄役の志尊淳が登場

――作品が公開されたということで、ネタバレ部分の話も聞いていければと。今回上田佐智雄役の志尊淳さんも特別出演されました。

塩野:上がりましたよ! 今回佐智雄がいなかった分、久々に合流したという感覚は、そのままありました。何よりも、前回佐智雄が作ってくれた鳳仙の一枚岩の空気を、今回は佐智雄なしで出さなければいけなかったので、佐智雄が帰って来た時にはほっとした感じが四天王から漂ってました。

――「毎度、殺し屋鳳仙だす」というセリフとか、小田島が仁川英明(小柳心)におんぶされているシーンとか、前回話題だった場面もまた取り入れられていて。

塩野:やっちゃいましたね。やっぱり(笑)

――小田島と轟については、釣り仲間だと発覚しましたが…

塩野:でも、考えてみてください。轟が話しやすいわけがないんですよ!

前田:そうですよ(笑)

塩野:はい(笑)。そこは小田島だから行けるというところはあったと思います。小田島のキャラクターだからこそ、轟に絡んでしつこかったんだろうなあとか。多分1日程度じゃ絶対に深まってないんですよ! 連絡を取り合ってたとかでもなく、たまたま一緒にいたんです。たまたま一緒にいてたまたま話しかけてて、それでたまたま轟が「こいつは……」という風になってくれたというところはあると思う。

前田:そうだね。多分偶然が重ならないと、“あの”轟の心の扉は開かないと思う。ましてや鬼邪高内でも1歩も2歩も進んだ関係を築いている中、外部のタイマンをした相手に轟が心を開く道が全く見えなくてですね……。

塩野:(笑)

前田:だからもう完全に偶然という、巡り会わせが理由になる方が逆に自然なのかなというか。で、もしかしたら辻(鈴木昂秀)や芝マン(龍)とも、そういうつながりがあったのかなとも思えるし、轟の中に小田島に対して近いシンパシーを感じた瞬間が何かあったのかなと思うように、僕は作ってました。

■細かすぎる注目シーンは?

――実はここに注目してほしい、細かくやってたというシーンはありますか?

塩野:佐智雄が不在の時に仲間がここまでやられたから鳳仙が動くんだという思いは、今回も絶やしちゃいけないと思いました。実はシダケン(志田健三/荒井敦史)と小田島は幼馴染という裏設定があるんですけど、そこは語らずとも強めたいと思っていました。最後の戦いでは小田島が先陣切っていて、「シダケンの隣のベッドに送ってやるから、詫び入れてこい」というセリフも、実は1度前の方のシーンで言ってたけどカットされてしまったものなんです。どうしても戻したいと言って監督に相談して戻してもらったのは、鳳仙の頭が不在だけど仲間のために行ったというニュアンスを強く残したかったから。そこに、もう1回フォーカスして見ていただけたら嬉しいです。

――すごく素敵なお話をありがとうございます。前田さんはいかがですか?

前田:何も出てこなくて……。

塩野:(笑)

前田:頭の回転いい方なんですけど、何も働かないぐらい出てこないんです。

塩野:蹴りの角度とか……あとシャツ!

前田:ああ、シャツね! でもでも、恥ずかしいよね……。

塩野:この人、めちゃめちゃ細かいですよ。

前田:いやそうなんですよ、もともと細かいから。シャツかなあ、なんだろうなあ。

塩野:絶対にいっぱいあるんですけど、いっぱいあるうちのシャツで。

前田:シャツ、言いますか? 轟洋介、どこでシャツ出すか問題みたいな……ちょっと待って、マジで恥ずかしい。だってさ、割と今鳳仙のいい話してたよね。俺ほんと、ディテールだからさ! しかも1発目に言わなくて、その後に今から「いや、このシーンのシャツが……」って、どうそれ!?

塩野:絶対そこ萌える人います! 「そういうところにこだわってるんだ」って!

前田:そうなの!? 細かすぎるっちゃ細かすぎるけど……。

塩野:だって今、細かいもの求められる質問に答えてるんで、公輝くんは何も悪くないですよ!

――その通りです!

前田:そうですね……轟のダメージの表現として、インしていたシャツの裾が出てしまうということを意識していて。前作だと、村山との戦いでは出て、鳳仙との戦いの時は出ないようにしたんです。でも、ケンカシーンではどうしても出てしまうじゃないですか。実はシャツに仕込みをしてまして、下にゴムをつけて止まるようにしているんです。

塩野:こういうことですよね(ハイレグのようなポーズ)

前田:俺、それやらなかったじゃん!(笑) 轟のイメージがあるから! まあそうなんですけど、今回はまず、風神(陣)・雷神(今村謙斗)とのシーンで轟が意外とダメージを負っていたという表現をしないとと思って、まだ裾は出ていないのですが、シャツ姿でプールサイドに帰って来ています。やっぱり今までの轟を見てる方々が「どうしたの?」と不思議に思ってしまう可能性があることも考えて、「あれ?」と思うところは少しでもつぶしていこうと、ダメージ感をビジュアルで出すためにこだわったりしました。……で、結局どこで出したんだというところなんですけど、サラッと答えを言うと、最後のバトルで楓士雄・小田島と3人でガラスをバーンと割って窓から出てきてジャンプをした後に、着地した瞬間です!

塩野:(拍手)

前田:ご静聴ありがとうございました(笑)

■前田公輝
1991年4月3日生まれ、神奈川県出身。6歳より子役として活躍し、『天才てれびくんMAX』(03~06年)に出演。『ひぐらしのなく頃に』(08年)にて映画初主演。近年の主な出演作に『向かいのバズる家族』『火村英生の推理 2019』『貴族誕生 -PRINCE OF LEGEND-』(19年)、『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』(21年)、映画『カイジ ファイナルゲーム』(20年)、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(21年)など。現在連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演中。

■塩野瑛久
1995年1月3日生まれ、東京都出身。2011年に開催された第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストに応募し、審査員特別賞およびAOKI賞を受賞、2013年『獣電戦隊キョウリュウジャー』出演で話題を呼ぶ。近年の主な出演作に映画・ドラマ『PRINCE OF LEGEND』『HiGH&LOW THE WORST』(19年)、ドラマ『来世ではちゃんとします』シリーズ(20年~)、『探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~』(22年)、ウェブテレビ『私たち結婚しました2』(22年)、パルコ・プロデュース2022「VAMP SHOW ヴァンプショウ」など。