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エンタメ 2022.08.22

SixTONES・Snow Man編 第14回 ジェシー〔SixTONES〕「“もう1 度6人で…”。そう思った瞬間から、デビューは失敗の許されないミッションになった。」

今年、創刊70周年を迎えるアイドル誌「MYOJO」。それを記念して本誌での好評企画である、10000字ロングインタビュー『僕がJr.だったころ』のテキストをMYOJO公式ホームページにて、8月22日~9月21日まで期間限定公開する。Kis-My-Ft2、A.B.C-Z、Hey! Say! JUMP、中山優馬、ジャニーズWEST、SixTONES 、Snow Man、King & Prince(MYOJO本誌での掲載順)のインタビューを特別に集英社オンラインでも同時公開。キラ星のような珠玉のインタビューたちをどうぞ。

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“もう1 度6人で…”。そう思った瞬間から、
デビューは失敗の許されないミッションになった。

10000字ロングインタビュー『僕がJr.だったころ』
SixTONES・Snow Man編

第14回 ジェシー〔SixTONES〕

じぇしー
1996年6月11日生まれ。東京都出身。O型。身長184cm。
2006年9月11日、ジャニーズ事務所入所。
2020年1月22日、SixTONESとしてCDデビュー。

※このインタビューは、MYOJO2021年8月号に掲載されたものに、加筆・訂正したものです。

あの日の自分のひと言で、メンバーの人生を決めてしまったかもしれない。
だけど、5人を踏みとどまらせるため、これ以上先延ばしにはできなかった。
自分の居場所を探すため、グループを組むことに憧れてたんじゃない。
“この6人でグループになりたかったんだ”。
その願いは、いつの間にか6人全員の夢になっていた。

ギャグなら2兆個以上ありますけどね

──メンバーが絶大な信頼を寄せるジェシーくんに、SixTONES編のラストを飾ってもらおうと思います。

「俺でいいの!? 信頼はあるかわかんないけど、まあギャグなら2兆個以上あるからね。俺、いつもふざけてるんですけど、やっぱカメラが入るとさらにスイッチ入るというか。“ヨッシャ、ふざけないと!”みたいな(笑)。共演させていただいた芸人さんに“考え方が芸人!”ってよく言われるんですよね。“ジャニーズなんだから、いるだけでいい”なんて言われたりもしますけど、“今の時代、なんでもやんなきゃダメですよ!”っていつも答えてます。ってことで今日は1万字ェシーなんでがんばります!」

──明るい性格は小さいころから?

「ですね。小学生のときもずっとふざけてたな。だいたい帰りの会で、当番が“今日、何かイヤなことがあった人いますか?”って聞くと、手を上げたほとんどのクラスメイトが“ジェシーくんに何々されました!”って。ふざけるの大好きで、ちょっかい出したり、そんなことばっかしてましたからね」

──そのころって、何になりたかった?

「スポーツ選手になりたかったかな。なぜか、小2の七夕の短冊には“ケーキ屋さんになりたい”って書いてましたけど理由は覚えてない(笑)。で、そろそろ将来の夢、本気で考え始めようかなくらいのタイミングでジャニーズに入ったんですよね」

──小4のとき、通っていた空手道場の友だちがジャニーズJr.で、そのコに誘われたんだよね?

「はい。ジャニーズのことまったくわかってないけど、その友だちとジャニーさんに会いに行ってみることになって。ジャニーさんにいきなり千円渡され、“売店で好きなもの買っておいで”って言われて。たしか俺はもったいないと思って売店で何も買わなかったな」

──その2週間後には『ザ少年倶楽部』の収録に参加してる。

「スタジオを借りて友だちと毎日ダンス練習して。ダンス経験がまったくなかったんで、みんなみたいにリハーサル1、2回でどうにかなるはずなかったから。どうにか本番で踊れたんですけど、名前を呼ばれたら少しだけ踊る紹介コーナーでは全然踊れなくてボロボロだった記憶がある」

──Jr.の活動を続けようと思ったのはなんで?

「それまで芸能界ってまったく興味なかったけど、自分が出た『少クラ』のオンエアを見ておもしろいと思ったんだ。自分の名前がテレビの画面に映し出されるのもうれしかったし。まあ、あとは、ジャニーさんに“とりあえずやってみれば”って言われたんで、今もとりあえずやってみてるって感じですね(笑)」

グループを組むことに憧れが強かった

──(田中)樹くんが「ジェシーは出会ったころは口数が少なかった」って言ってたよ。

「シャイボーイですからね。仲よくなったらふざけるけど、基本無口な人見知りなんで。だから、誰とでもすぐ打ち解けて、言いたいことを何でも言うし、ずる賢い樹が羨ましかったな」

──でも、人見知りなのに(松村)北斗くんと初めて会ったときはジェシーくんから声をかけたんでしょ?

「覚えてる。俺は学校終わりかなんかでレッスンに遅れて行ったのかな。みんな鏡の前で練習してるのに、赤いジャージの北斗がひとりぼっちでポツンってはじの方に立ってて。“あっち行こうよ”って声かけたんだよね。それから電車でいっしょに帰るようになったけど、北斗はいつも疲れててすぐ寝ちゃって。北斗の降りる駅で“ついたよ”って起こしてあげて、“じゃあね”って別れるのが定番だった」

──ジェシーくん自身の活動は順調だったよね。

「うん。全然ダンス経験もないのに、ジャニーさんに“YOU、踊りうまいね”ってほめてもらえたりして、気にかけてもらえてたな。入所してすぐ、俺、ジャニーさんに電話番号を聞かれたんです。“よし、これで勝ち組だ!”って思ったら、Jr.はみんな交換してた(笑)。で、“ハワイに連れて行くから連絡する”って番号を交換したはずなのに、ずーっと行けなくて2013年に初めて連れて行ってもらえたんです。ジャニーさんの記憶ちがいで、“YOU、もうハワイ行ったでしょ?”“行ってないよ!”“え!?”って。ハワイに連れてくって約束してから行くまでに7年かかったんですよね」

──ハハハハハ。

「でもジャニーさんに気に入られていたのはまちがいなくて。それをよく思わないJr.もいた。Hip Hop Jumpってユニットのメンバーに選ばれたとき、俺は最後に呼ばれたんだけど、もう今はいないJr.に“ジェシーはただの追加だね。すぐいなくなる”って言われて。それが悔しくて、“絶対に生き残ってやる”って思ったの覚えてるな」

──そんなことがあったんだ。

「Hip Hop Jumpのときは特にいろいろあったよ。Jr.の私物がなくなることがあって、なぜか俺が取ったってウワサが流れて、一時期俺はグループから外されたんだよね。Hip Hop Jumpのバックで踊ったり、BI(B.I.Shadow)のバックで踊らされたりして。誰も信じてくれないならいいやって、もう辞めようと思って『少クラ』の帰りかな、ジャニーさんに電話して“なんで俺、外れたの? やってないよ、そんなこと”って伝えたんだよね。そしたら次の日からHip Hop Jumpに戻されて。あの時間がね、今思えばもったいなかったけど、俺のこと気に入らないJr.がいるのも、それはそうだよなって思ったから、誰にも相談できなくて」

──大変だったね。

「あのころ、考えなきゃいいんだけど、いろいろ考えちゃってたな。気にしなきゃいいんだけど、気にしちゃうというか。俺、入所直後は小さかったから“かわいい”って言われることもあったけど、すぐ大きくなって。やっぱファンの人はかわいいタイプのJr.を応援したいんだろうなって勝手に卑屈になって。Hip Hop Jumpのときのメンバー紹介で、樹とかが紹介されると“キャー”って歓声がすごくて。でも、“ジェシー”って紹介されるとシーンってなって。俺、気まずすぎて早足ではけて。みんな、ジャニーさんのお気に入りだから、応援しなくても大丈夫でしょって思ってんのかなって思ったりしてた」

──最初は今とは真逆の性格だったんだね。

「だね。だから俺、好きになってもらえなくてもいい。でもせめて、ちょっと気になるとか、おもしろいコだなって思ってもらえる存在になりたいって思って、それまでは仲いい人にしか見せていない素の自分をちゃんと出せるようにしていこうって。で、今の原型というか、ふざけるようにもなって。ふざけすぎて今に至るというね」

──そのころ、いつかデビューできると思ってた?

「うーん、デビューより、グループを組むことに対して憧れが強かったかな。グループだったら、俺にも居場所があるんじゃないかなって」

──その後、少しずつ歌唱力を認められていくけど、どういう経緯だったの?

「最初は2011年の『SUMMARY』ですね。ラップを担当してた樹が舞台の関係で出られない日があって。樹と同じくらい人気があったJr.が“ラップやってみない?”って聞かれたけど“ムリだよ”って答えたから、俺が勇気を出して手を上げてラップパートをやらせてもらった。もちろんヘタクソだったけど、それから樹がいないときは俺がラップするようになって。少しずつ“じゃあ歌はどうなんだ?”って空気になってA.B.C-Zのコンサートでソロパートをもらえた。少しずつ、歌えんじゃんって思ってくれる人が増えていって、気づけば歌担当みたいになったんですよね」

──チャンスをつかんだんだね。

「ホント、どこにチャンスがあるかわかんない。チャンスが欲しくて、ジャニーさんが通りかかったタイミングを見計らって、俺と樹でNEWSの曲で本来ならハモリのないところをハモって歌って“YOUたち歌うまいじゃん”って言ってもらえるように仕込んだりもしたしね(笑)」

もう一度、6人でやりたいと思わない?

──2012年にはドラマ『私立バカレア高校』のメンバーに選ばれたよね。

「覚えてる。日生劇場でやった『ABC座 星劇場』の初日です。地下階にある部屋に6人が突然呼ばれて。“ドラマ決まりました”って」

──のちにSixTONESのメンバーになる5人はどう映った?

「大勢でメシに行くことがあったから、普段絡みのない(京本)大我とかもなんとなくは知ってて。ただ、そんなの今だから言えるんだろって思われるだろうけど、“なんかこの6人だったらデカイことができんじゃね?”って直感みたいなのがあったんだよね」

──そうだったんだ。

「ドラマの撮影が始まって、少しずつ予感が確信に変わって。ドラマも好調で映画化も決まった。6人で『SUMMARY』もやらせてもらえた。パフォーマンスをして、“この6人なら本当にデビューできるんじゃないか”って初めて感じて。ドラマや映画が終わっても、この6人のくくりで続けられるって信じてた。でも、6人でできるはずだった(シアター)クリエのリハーサルに行ったら、急に俺と北斗、残りの4人って、2と4みたいになってた。ショックだったし、なんでああなったのかわかんなかったな」

──北斗くんとふたりでのパフォーマンスはどうだった?

「今はお互い大人だからわかる。例えば歌割にしても、ここならどっちがやったほうがハマるとか。でも、あのころはまだ若くて、カッコいいとこは全部自分がやりたいって気持ちが強かった。特に北斗は誘われてフワッと入った俺とちがって、ジャニーズに憧れて自分の意思で入ってる。一匹狼というか、俺にはそう見えたってだけなんだけど、絶対に自分だけでもスターになってやるみたいな感じに映った。北斗はバカレアだけじゃない、B.I.Shadowでも挫折を味わってるから、必死になる理由もよくわかったよ」

──その後、ジェシーくんはソロでの活動が増えていった。

「複雑でしたね。ジャニーさんは、俺をソロでって思ってたと思うんです。でもぜいたくな悩みなんでしょうけど、俺はずっとグループに憧れてた。もちろん精いっぱいやってましたけど、いろいろ空回ったというか。『少クラ』でソロでバラードを歌わせてもらうことが多かったんですけど、踊らないからやる気がないみたいに言われたりもして。となりに5人がいてくれたらって思うことも多かったな」

──ひとりでデビューは考えられなかった?

「何度かジャニーさんに打診されても、それは断り続けてた。雑誌の撮影でもいろんなJr.といっしょに撮影したりもしたけど、誰と組んでもどこかちがう気がして。笑ってはいるけど、どこか笑えてないというか。ようやく気づくんですよ。グループに憧れてるんじゃない。あの6人でグループになりたかったんだって」

──5人に再集結を呼びかけたのは、ずっと温めてたアイデアだったんだね。

「タイミングをうかがってたというか。で、カレンダーの撮影をなぜかバカレアの6人ですることになって。ここだなって。誰がこの6人で撮影しようと決めたかはわからない。でも少なくとも、この6人がそろうとこを見たいと思った人がいるってことだから。6人のくくりにニーズがあるって自信が持てた。だから6人が集まったスタジオで、たまたまとなりに髙地(優吾)がいたから、“もう一度、6人でやりたいと思わない? 俺から言うのテレくさいから、みんなに言っといて”って伝えて。髙地、“ええ~!? まあわかったよ”って」

──そんな経緯だったんだね。

「だって、ジャニーズを辞めようと思ってたからね、ほぼメンバーみんなが。踏みとどまらせるには今しかない。これ以上、先延ばしにできないって。メンバーとはメールでやりとりを続けて“いいよ。やろう”みたいな感じになったから、一回集まろうってなって渋谷に集まって。“今、ジャニーさんに連絡しようぜ!”って盛り上がって、俺と髙地でそのビルの11階のロビーで、“ジャニーさん今から行っていい? 話したいことがある”って電話した。ガラス張りになってるから渋谷の街並みが通話中に見えてさ。奇跡みたいな話なんだけど、そのときそこから見えた大きな看板、俺たちのデビュー後はSixTONESの6人の看板になったんだよね」

──ドラマみたいだね。

「うん。で、ジャニーさんの家に行って、“この6人、このくくりでやりたい”ってお願いして。ジャニーさんの構想の中では俺をソロでやらせたいってのがあったから最初は反対されて。それに俺は関西ジャニーズJr. の『X'mas Show 2014』にゲストで行く直前だったから、“YOU、これから大阪でもやるんだから、そんなことしてる場合じゃないよ”って言われて。“それもがんばる。でも、この6人でやりたい”って。みんなも思ってること言って。本気なのが伝わったのか、“じゃあグループ名は?”って聞かれた。バカレアをやってたときにじつは6人でグループ名考えてたんだよね。“誕生”って意味を込めて“Birth”ってグループ名を。そしたら“日本人はthの発音が苦手だからダメ”って言われて。“なんか考えといて”って言い残して別の部屋に行っちゃったんで、この話は流れちゃうのかなって思ったら、数十秒後に戻ってきて、“シックス・トーンズ”って書かれた紙を持ってた。“6つの音色って意味だよ”って」

──直談判が実ったね。

「うん。俺がそれまでもらってた仕事って、周りのJr.には全部俺がジャニーさんに頼んでもらってたと思われてたと思うんだよね。でも、ドラマもレギュラー番組も、俺から頼んだことなんて一切なくて。俺が生涯で唯一、ジャニーさんにお願いしたのが、“この6人でやらせて”ってことひとつだけ。だからジャニーさん、願いをかなえてくれたのかなって」

──ただ、グループ名発表までは時間がかかったよね。

「“いつ発表していいの?”“まだダメ”ってことがしばらく続いて。そしたら、まだKing & Princeって名前がつく前の6人がグループっぽくパフォーマンスすることが増えて。髙地が“この6人がシックス・トーンズってことないよね!? だったらヤバくない?”って言い出すから、みんな動揺して(笑)。本当ならミュージカルの稽古で出られないはずの大我が『ジャニーズ銀座 2015』のステージに立てるタイミングがあったから、もう今日しかないってジャニーさんにお願いすることにして。でもケータイにジャニーさんの番号を表示したはいいけど、もし今日ダメって言われたら、もうチャンスはないかもしれないって発信ボタンを押すのをためらってたら、横から大我がボタンを押しちゃって。覚悟決めて、ジャニーさんに“グループ名発表していい?”って強めに言ったら、“知らないよ勝手にして”って言ってもらえたから、“オッケー!!”って返事してピッて通話を切って(笑)」

──いきなりステージ上で発表して、かなり怒られたんじゃない?

「忘れた。発表した後のことは、あんま記憶ない。発表したらこっちのもんだって思ってたから(笑)」

ひとつのミッションをクリアできたな

──ただ、ここからが大変だったよね。

「そうだね。覚えてるな。SixTONES誕生後のクリエの当日券に並んだ人が100人ちょい。確か最少記録だったはず。King & Princeになる6人はその10倍だったからね。しかも、100人ちょいの中のひとりは俺のおばあちゃんで。当日券、当たってんのかい! そんな簡単に俺らのライブは入れるのかよって(笑)。まあでもいいんだよ。まずは6人でグループになることが大切だったし、何よりラストチャンスだと思ってたから。どん底からのスタートだろうが何だろうが、うん。ほんと、一歩ずつ。曲をもらって、ライブをできるようになって、6人で思い描いていたことが少しずつできるようになっていった」

──笑いながら話してるけど、ジェシーくんが背負ったものって重かったんじゃない。“6人でやろう”って5人に声をかけるって、5人の人生をある意味背負うこととほぼ同じだよね。

「確かにね」

──デビューできるって信じてた?

「うん。まあ、まわりは絶対できないって思ってただろうけどね。友だちとカラオケに行くと、よく“SixTONESの曲歌ってよ”って言われたりしてさ。入ってないの知っててわざとふざけて言ってくる人も、本当に知らない人もいたけど。“ないよ!”って笑いながら、悔しいからアカペラで歌ったよね(笑)」

──じゃあKing & Princeがデビューしたときはどんなことを思った?

「もう先に行ってくんないと、俺たちの番が絶対回ってこないのは感じてたから、なるべく早く頼むって思ってたな。まあでも、King & Princeのデビュー直後、北山(宏光)くんの家に俺と舘さん(宮舘涼太)で行ったことがあって、“なんでデビューできないんですかねえ?”って話したら涙が止まんなくなったことはあったな。北山くん、“おまえらなら大丈夫っしょ”って励ましてくれて。北山くんも、“なんでデビューできないんですかねえ?”って俺たちと同じこと、(三宅)健くんに相談したことがあって、“きっと大丈夫。今は不安になるより準備をしておきな。デビューして恥ずかしくないように”って言われたんだって教えてくれた」

──いい話だね。

「ただ俺だけじゃない、メンバーみんな不安だったな。King & Princeのデビュー後、樹と(森本)慎太郎と焼き肉に行ったことがあって。慎太郎が“もっと、グループの顔であるジェシーと大我がバーンって行かないとダメなんだよ!”って言い出して。慎太郎はKing & Princeのメンバーと仲いいから、彼らのデビューに思うとこがあっただろうし、悔しさもあったと思う。でも俺の考えは真逆というか。俺はハーフってこともあるし、ジャニーさんに目をかけてもらえてるって周囲は思ってる。大我は大我で2世ってことがあるから、俺らふたりは応援しなくてもって思う人たちもいる。だから、ふたりを押し出さないほうがグループのためにいいんじゃないかって思ってた。それを一生懸命伝えたんだけど日本語がうまくないから上手に伝わらなくて。感情が昂ぶって涙が出そうになったから、泣き顔見られたくなくてうつむいて。涙を我慢するために拳を強く握ってこらえた。そしたらプルプルしてることに気づいた樹が慌てて俺と慎太郎の間に割って入ってくれたんだよね。俺が慎太郎をぶん殴るんじゃないかと思ったんだって」

──なんか青春だね。

「ですね(笑)。ウケるよ。焼き肉屋の店のど真ん中の席で何もめてんだっていうね。でも樹が言ったんだよ。考え方はちがうかもしれない。でも、このグループに賭けてることも、この6人で何者かになりたいって思いも全員いっしょだって。俺、ずっとメンバーが幸せだったらいいなってのがあったからさ。ただ、俺が勝手に先走ってグループになっただけで、メンバーにはしなくてもいい苦労までさせて巻き込んじゃったのかなって思ったこともあった。これで、もしデビューできなかったらって。でもちがった。この6人で何者かになりたいって願ってたのは俺だけじゃなかった。いつの間にか6人全員の夢になってた」

──そして2019年6月、ジャニーさんの病室でデビューを告げられ、6人の夢がかなう。

「なんだろうね。実際にデビューできることを聞いたら、“ヨッシャー!!”って感じより、“おっ! このタイミングか”って妙に冷静だったな。あとはホッとしたというか。8月の『ジャニーズJr.8・8祭り』でデビュー発表をして。Snow ManとSixTONESの親はみんな仲がいいんですけど、デビュー発表後の舘さんのお母さんと、俺のお母さんの最初の会話は、“飲みすぎには気をつけてほしいですね”だったらしい。確かにふたりでよくメシを食べに行ったりしてたけど、第一声がそれかよ、まずは喜んでくれよって(笑)」

──ハハハハハ。

「もちろんまだ何も成し遂げてないし、デビューはスタートなんだけど、俺だけのことで言えば、5人を巻き込んじゃった以上、デビューは必ず達成しなければいけない大きなミッションだった。デビューできたことで、俺はひとつのミッションをクリアできたなって。まあ俺が何かしたからデビューできたわけじゃないけどさ。あの日、日生劇場の地下の部屋で感じた、“6人なら何か起こせるかもしれない”って直感、当たってたよね。そこだけは自分でも誇りに思ってる。すげーだろって。だって一度はバラバラになったのに、信じ続けたから今があるわけだからね」

北斗、ビックリしてたけど、髙地に“ありがとね”って

──「ジェシーくんが好き」って言われるのと、「SixTONESが好き」って言われるの、どっちがうれしい?

「ええ~、でもSixTONESを好きって言われたほうがうれしいかな。自分が好きなものを好きって言われるってうれしいじゃないですか」

──じゃあ、そんな大好きなメンバーへメッセージを。まずは北斗くん。

「ふたりでやってたころのガムシャラさが、今花開いてるのかなって。あんときは、蕾のままもがいてたというか。今ドラマ、映画、いろんなところで活躍して花咲いている感じがする。ただがんばりすぎちゃう性格も知ってるし、アウトプットばかりじゃいつか枯れちゃう。SixTONESが北斗にとって水分補給できる憩いの場になれればなって思うな」

──北斗くん、芝居がしたいって自己主張できるきっかけをくれたのがジェシーくんだって言ってたよ。

「それぞれがやりたいことやってほしいからね。メンバーが幸せなら俺はそれが何よりだから。北斗に関しては芝居したいってのは、すぐわかったよ」

──次に髙地くん。

「『バカレア』で仲よくなったけど出会ったころの印象は最悪で。俺が楽屋でボール投げたら髙地の顔面に当たっちゃって。すっげーにらみながら“はぁ!?”ってすごまれた。完全に俺が悪いんだけど、一応先輩なのになあって思った(笑)。『バカレア』で、俺と髙地はふたりでひとつみたいな役でさ。それが役だけじゃなく現実でもリンクしてた。なんでも話してくれるし、話しやすいし。さっき、たまたまとなりに髙地がいたから、“もう一回6人でやりたいと思わない?”ってみんなに聞いてもらったって言ったけど、まあ髙地だから言えたのかな。この前も髙地と、おしゃれなカフェで話してて、“デビューして1年、これからどうする? 何がしたい”って聞かれたから、やりたいことはいくらでもあるけど、正直、今はおまえらが楽しそうに仕事してるのを見てるのが何よりうれしいよって俺は答えて。髙地にはなんか、ほかの人には言いにくいことも言えちゃうんだよね」

──髙地くんがSexy Zoneへの加入をジャニーさんに打診され「俺は北斗とやっていきたい」って答えたことがあったこと、ジェシーくんが北斗くんに伝えたんでしょ?

「そうそう。だいぶ昔に髙地に“じつはこんなことがあった”って教えてもらってて。そうだったの!って俺は驚いたんだけど、“本人には言わないで”って髙地に口止めされてたんだよね。だけど、俺はいつかは伝えたほうがいいと思ってさ。いろんな人のいろんな思いや考えがあったから、今6人でいられるんだから。だから北斗に伝えたんだよ。ビックリしてたけど、髙地に“ありがとね”みたいなこと伝えてたな」

──次に樹くん。

「樹とは長いからね。なんだかんだいっしょで。俺のことを知ってるから樹はツッコめるし、樹のこと知ってるから俺は安心してボケられる。ジャニーさんが倒れる前のエピソードで、俺は人伝に聞いたんだけど、ジャニーさん、遠目にいる俺のことを指さしながら“樹は最近どうなの?”って言ってたんだって。髪の色がちょうど似てた時期で。たいした話に聞こえないと思うんだけど、俺にとっては、すげーうれしいエピソードで。ジャニーさん、忙しいから興味あるJr.とそうじゃないJr.がわりとはっきりしてて。SixTONESのこと、最初はそんなに興味なかったと思うんだよね。俺はメンバーのよさがもっと伝わればなってずっと思ってた。そんなジャニーさんが、メンバーのこと、じつは気づかってくれてるのを知ってうれしかった。まあ、指さしてたのは樹じゃなくて俺だったってオチはつくんだけどさ(笑)」

──京本くん。

「大我は歌のイメージが強いかな。グループの支えですよ。京本政樹さんの息子ってことで偏見を持たれることも多かったと思う。でも今、『エリザベート』のような大きなミュージカルの舞台に実力で立ってる。普段はフワフワしてんのにやるときはやる。ギャップが強烈というか。それこそ『バカレア』の撮影期間、俺は5人といろんなことを話して、それぞれの個性、キャラクターを知って、“もしこの6人でグループが組めたら、ソロではそれぞれの場所で活躍して、グループに戻ったときに爆発的におもしろいことができるんじゃないか”って思ったんだよね。そう思ったきっかけが大我だったと思う」

──京本くん、ジェシーくんに辞めたいって相談したことがあったんでしょ?

「あったかもしれないけど忘れた。ちょっと1回みんな集めてもらっていい!? 俺、記憶力ないから、そんなことあったか聞くんで(笑)」

──最後に慎太郎くん。

「慎太郎は男らしくなった。でも変わらないことも多いかな。あいつも考える人だからね。何より、俺の中では慎太郎は昔からずっとメインの人。映画の主演、スノープリンス、『バカレア』だってそう。メインが誰よりも似合うって思ってる。慎太郎は恥ずかしがり屋だから、“あれ、やんなよ”って言っても、“いいよいいよ”って断ることが多いけど、やろうと思ったらなんだってできる。SixTONESのこれからの飛躍に欠かせないのが慎太郎だと勝手に期待してる」

──じゃあ、これからの夢を教えて。

「6人の関係性はこのまま。それぞれが個人仕事をがんばって、6人になるとふざけてばっかなのに、本気になるとなんかすごいねってオーラというか、そういうのは磨き続けたいかな。グループとしての目標や夢は決めないことにしてるけど、かなえたいことはたくさんあって。ドーム、野外、いろんな場所でライブしてみたい。海外にも行ってみたい。ジャニーさんも、そこは視野に入れてたからね。いつかかなえたいよね。もちろん焦る必要はないけど、挑戦することを恐れる必要もないと思ってる。元々どん底から始まった6人なんだから、もしこれから大きな挫折を経験したとしても、何度だって這い上がればいいだけだから。それにグループ結成6年、今は数えきれないくらい大勢の仲間がいる。俺、Team SixTONESって呼び方が本当に好きで。ファンはメンバーであり、マネージャーのような存在というか。何かがあれば大勢に情報を広めてくれたり、メンバーがこうしたいって決めたことを守ってくれたり。応援どころか、いっしょにグループを大きくしてくれてる感覚なんだよね。だから、6人じゃあかなえられないことだってTeam SixTONESだったらきっとかなえられる。これから、まだ見たことのない景色を、どんな景色も6人じゃない、Team SixTONESでいっしょに見たいよね」

取材・文/水野光博

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史上初となる漫画家国会議員・赤松健が実践したい“漫画外交”が成し遂げるもの

赤松健
中村実香
暮らし 2022.09.19

「月収10万円でOK」-これからの定年後に本当に必要な収入額の根拠

ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う

坂本貴志
ビジネス 2022.09.19

佐々木朗希の完全試合、大谷翔平の満塁HRに現場で遭遇! 今一番“もってる”アナウンサー、佐久間みなみが伝えたいこと

フジテレビアナウンサーたちの素顔と本音vol.8 佐久間みなみ 後編

佐久間みなみ
工藤晋
エンタメ 2022.09.19

両さんVSゴキブリ抗争史 その1

秋本治
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SixTONES・Snow Man編 第11回 京本大我〔SixTONES〕「自分がいちばんになろうと思ってた。だけど、いつの間にか、自分より大切だと思える仲間に、何度も何度も救われていた。」

SixTONES・Snow Man編 第14回 ジェシー〔SixTONES〕「“もう1 度6人で…”。そう思った瞬間から、デビューは失敗の許されないミッションになった。」

SixTONES・Snow Man編 第3回 田中 樹〔SixTONES〕「“YOUはYOUだよ”俺に愛情を注いでくれた人に、注いでもらった以上の愛を返したい。」

SixTONES・Snow Man編 第4回 森本慎太郎〔SixTONES〕「初めてできた対等に話せる仲間。そんな仲間との絆にすべてを賭けるって決めた。」

SixTONES・Snow Man編 第12回 渡辺翔太〔Snow Man〕「いつか報われんのかな、じゃない。報われるまで努力を続けた。それが今の結果なんです。」

SixTONES・Snow Man編 第8回 髙地優吾〔SixTONES〕「“この6人でやりたい”その願いがアイドルとしての決意表明だった。」

SixTONES・Snow Man編 第2回 深澤辰哉〔Snow Man〕「俺たちはファンを笑顔にするためにやってる。だから、9人になる以上、絶対にデビューするって決めたんだ。」

SixTONES・Snow Man編 第1回 松村北斗〔SixTONES〕「あの円陣を組んだときが“6人でずっと一緒にいよう”って約束をした瞬間だった。」

SixTONES・Snow Man編 第9回 目黒 蓮〔Snow Man〕「“目黒はいらない”と言われたあのころの自分へ。上を向け。“目黒ならいける”って言われる日が来るから。」

SixTONES・Snow Man編 第6回 向井康二〔Snow Man〕「すり抜けていくデビューの道。なにわ男子落選の苦渋。Snow Manが最後の光だった──。」

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