ウクライナ、東部で親ロ派を空爆 48人死亡
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【キエフ=田中孝幸】ロシアのプーチン大統領は27日、「ウクライナは軍事作戦をすぐにやめるべきだ」と述べ、ウクライナ軍が同国東部で進めている親ロシア派武装勢力への攻撃の即時停止を求めた。レンツィ伊首相との電話協議での発言としてロシア大統領府が明らかにした。ウクライナ軍は同日、行政庁舎などを占拠する親ロ派勢力への総攻撃態勢に入った。ドネツク市当局者はドネツク空港周辺の空爆と戦闘によって48人が死亡したと明らかにした。
ウクライナ内務省によると空軍機が東部ルガンスク州にある親ロシア派勢力の訓練キャンプを空爆し、壊滅させた。軍部隊は親ロ派が一時占拠したドネツク州の空港も奪回した。
25日の大統領選挙に勝利したポロシェンコ氏は武装勢力の排除作戦を加速すると表明。軍は親ロ派に対する空爆に踏み切った。ヤレマ第1副首相は27日、「テロリストの最後の1人がいなくなるまで対テロ作戦を続ける」と宣言した。
タス通信によると、ウクライナ軍は26日には親ロ派が拠点とするドネツク州スラビャンスクを砲撃し、4人の死者が出た。守勢に立たされた現地の親ロ派武装勢力の幹部は27日、「ドネツクは破局の寸前にある」と述べた。ロシアに武器供与を含む支援を求める考えを示した。
一方、欧州安保協力機構(OSCE)は27日、ドネツクに派遣した国際監視団のうちスイス人ら4人が26日夜から連絡を絶っていると発表した。親ロ派など何らかの武装勢力に人質として拘束されたとの見方が浮上している。