アヴリル・ラヴィーンが『THE FIRST TAKE』でデビュー曲「Complicated」をアカペラ熱唱! 「Complicated」という名曲の偉大さ、さらには、ポップパンクの金字塔としてZ世代にも影響を与え続けているアルバム『Let Go』が洋楽にどのようなインパクトを与えたかを今一度振り返る。やっぱりアヴリル・ラヴィーンはかっこいい!
一発撮りで知られるYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』に、ポップパンクのプリンセス、アヴリル・ラヴィーンが初参戦。欧米アーティストとしては6月に出演したハリー・スタイルズに次ぎ2人目となる出演で、アヴリルは、名曲揃いのファースト・アルバム『Let Go』のなかでもとくにアイコニックなデビュー曲「Complicated」を選曲。
アルバムのリードシングル「Complicated」のミュージックビデオで、ぶかぶかのズボンを履いてギターをかき鳴らしながら男子バンドをリードするスケーターガールに、グッドガールなティーンシンガーに慣れていた消費者は衝撃を受け、若い女性は父親のクローゼットからネクタイを借りてアヴリルのパンクロックなファッションをマネることに夢中になった。そして親世代の中には、MVでゲリラライブを開いたり、ショッピングセンターで騒ぎを起こしたりするアヴリルに眉をひそめる者もいたものの、「Complicated」がBillboardのAdult Top 40で16週も1位に君臨したことからも、アヴリルの楽曲にハマったのは若い世代だけではないことが分かる。
当時は、前年にiPod第一世代が発売されて、インターネットの普及が拡大し始めていたものの、まだまだミュージックビデオはMTVで見る時代。アヴリルはそんな新旧のカルチャーが共存していた2002年にテレビでもウェブでも話題の存在だった。Googleが毎年発表している年間の検索データで、2002年には最も検索率が増えた人物のひとりとなり、2003年には最も検索された女性のひとりとして認定された。2002年のMTV VMAではプレショーの目玉パフォーマーとして「Complicated」とセカンドシングル「Sk8er Boi」を披露し、新人賞を受賞。デビューアルバム『Let Go』からはほかにも、サードシングル「I'm with You」とフォースシングル「Losing Grip」がそれぞれグラミー賞にノミネートされ、『Let Go』は時代を代表する名盤となった。
アヴリルの影響はパンク/ロック界の外にもおよび、R&Bアーティストのリアーナが「Cheers (Drink to That)」で「I’m With You」をサンプリングしたり、ラッパーのニプシー・ハッスルが「Dreamin’」の歌詞でアヴリルに触れたりしていることからも、30代であるこの世代にとってアヴリルの存在がどれだけアイコニックだったかが見てとれる。
そんなアヴリルと言えば2022年11月に8年ぶりの来日公演を行なうが、それを記念して、『レット・ゴー』のデビュー20周年記念盤が日本限定カラーの2枚組アナログとしてリリースされるほか、ベスト盤と呼んでも過言では無いほどのヒット曲が網羅されたアルバム『ラヴ・サックス』の来日記念盤が発売される。『THE FIRST TAKE』でアヴリルのパフォーマンスに心動かされた人は、今の時代にも通じる不動のポップパンク・プリンセスの名盤をぜひこの機会に手に取って。