東京オリンピックのスケートボードに出場したアラナ・スミス選手のジェンダー代名詞をめぐり、アメリカのNBCやイギリスのBBCの実況解説が指摘を受けている。(フロントロウ編集部)

アラナ・スミスはノンバイナリーの選手

画像: アラナ・スミスはノンバイナリーの選手

 東京オリンピックのスケートボード競技にアメリカ代表として参加したアラナ・スミス(Alana Smith)は、女性・男性のどちらにも分類・限定されないノンバイナリーの選手。そんなスミス選手は、女性に対して使われるshe/herではなく、they/themというジェンダー代名詞を使っており、五輪で使用したスケートボードにもthey/themと描いている。

 英語のジェンダー代名詞は、女性に使うsheや男性に使うheが一般的に知られているが、ジェンダーアイデンティティの多様化が進む現代にはスミス選手のように女性・男性に分類されない人も存在するため、they/themといった他のジェンダー代名詞を使う人が増えており、ホワイトハウスの公式サイトでも2021年からジェンダーの選択欄に「they/them」や「other」が追加された。

 欧米では、正しいジェンダー代名詞を使うことは相手を正しい名前で呼ぶくらい大事という考えが少しずつ広がっており、メールの署名欄にジェンダー代名詞を記載する項目を追加する企業や、顧客に自己紹介するときに名前と一緒に自分のジェンダー代名詞を伝えるという企業も出てきている。

画像: アラナ・スミスのスケートボードにはThey/Themという文字が。©︎Alana Smith/Instagram

アラナ・スミスのスケートボードにはThey/Themという文字が。©︎Alana Smith/Instagram

ノンバイナリーの選手のミスジェンダリングに指摘

 そして今回、東京オリンピックの解説や記事でのミスジェンダリング(相手の誤ったジェンダーで呼ぶこと)がSNSを中心に批判されている。

画像: ノンバイナリーの選手のミスジェンダリングに指摘

 イギリスのBBCでは、レポーターがスミス選手に対して「she/her」という間違ったジェンダー代名詞を使用。来日しているBBC Sportsのレポーターであるティム・ワーウッドは、「コメントしているのは私ではありませんでした。当然ですが、彼らはアラナに謝罪すると思います。私はジェンダーについて(の情報を)目にしたことがなかったので、彼らも100%見ていないと思います。だからこそのミスです」と、ミスジェンダリングは理解やリスペクトの欠如ではなく情報の欠如だったとツイッターで語った。

 アメリカのNBCでは、スミス選手がノンバイナリーであることを解説者が紹介したうえで、「she」という間違ったジェンダー代名詞を使用。NBCではサイトの記事でもスミス選手をミスジェンダリングしており、ツイッターで「記事を更新してください! アラナのジェンダー代名詞はthey/themで、she/herではありません」と指摘を受けると、記事を執筆した、NBC 5 Todayのキャスターであるローラ・ハリスが「こちらの件、対応中です。ありがとうございます」と返答して修正が行なわれた。

 ツイッターでは、選手それぞれのジェンダー代名詞をレポーターが知るよしもないと擁護する声もあれば、日本の組織委員会がレポーターたちに正しいジェンダー代名詞を伝えているのかという声、そこまで細かく気をつかうべきなのかという声や、世界を舞台にしたオリンピックで間違った呼ばれ方をするのは嫌なはずなどと、さまざまな声が挙がっている。

 議論の行方はどうあれ、スミス選手のようなアスリートがオリンピックという大舞台で自身のアイデンティティをオープンにしてプレイしていることは、ノンバイナリーやジェンダー代名詞といったことの存在を見える化して、同じ境遇にいる人にとっての素晴らしいレプリゼンテーションになっていることは間違いない。(フロントロウ編集部)

大ヒットドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の続編である『AND JUST LIKETHAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』で、キャリーらキャストが着用したものが詰まった衣裳部屋が公開された。(フロントロウ編集部)

キャリーたちのコスチュームについて衣装デザイナーが解説

 HBO Max史上最も視聴された作品として新記録を樹立したドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章(AJLT)』の注目の1つといえば、やはり華やかなファッション。

画像1: キャリーたちのコスチュームについて衣装デザイナーが解説

 『セックス・アンド・ザ・シティ』では、衣装デザイナーのパトリシア・フィールドがスタイリストを務めたが、『AJLT』では、パトリシアの右腕として長年勤めあげ、『SATC』の撮影にも参加していたモリー・ロジャースがメインで担当。

 そんなモリーが、『AJLT』で共同衣装デザイナーを務めたダニー・サンティアゴと、キャリーらが着用した衣装が保管されている衣裳部屋を紹介。

 2人は各キャラクター達のコスチュームについて解説しており、「キャリーは想像を超えた着こなし」、「ミランダはポケット付きのドレスが大好き!」、「シャーロットはアッパーイーストサイド風」などコメントしており、長年キャリー達の成長を傍で見届けてきたモリーだからこそのセンスと、それぞれの性格に合ったファッションで、彼女らを彩っていることがわかる。

画像2: キャリーたちのコスチュームについて衣装デザイナーが解説

 『AJLT』から登場する新しいキャラクター達についても「衣装で際立たせて早く仲間に加えてあげたい」と、彼女なりのこだわりも。「どのキャラクターも思いのまま生きて楽しんでいます。それを見ていたいんですよね」と笑顔で嬉しそうに答える様子から誰よりも本シリーズのファンであることが伺えた。

 生き生きとしたリアリティあるキャラクターが魅力のシリーズ。彼女たち一人一人の個性から生まれる華やかでニューヨークらしいファッションにも注目してみて。

(フロントロウ編集部)

アヴリル・ラヴィーンが『THE FIRST TAKE』でデビュー曲「Complicated」をアカペラ熱唱! 「Complicated」という名曲の偉大さ、さらには、ポップパンクの金字塔としてZ世代にも影響を与え続けているアルバム『Let Go』が洋楽にどのようなインパクトを与えたかを今一度振り返る。やっぱりアヴリル・ラヴィーンはかっこいい!

『ザ・ファースト・テイク』で「コンプリケイテッド」をアカペラ披露

 一発撮りで知られるYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』に、ポップパンクのプリンセス、アヴリル・ラヴィーンが初参戦。欧米アーティストとしては6月に出演したハリー・スタイルズに次ぎ2人目となる出演で、アヴリルは、名曲揃いのファースト・アルバム『Let Go』のなかでもとくにアイコニックなデビュー曲「Complicated」を選曲

 ピンクの鋲ジャン×ブラックのレザーパンツという定番のポップパンク・ルックでカメラの前に現れたアヴリルは、「こんにちは、ハロー。もしもし」と言うと、少し恥ずかしそうな表情。しかし一度歌いはじめると、アヴリル・ラヴィーンというスーパースターの圧倒的な歌唱力、表現力、存在感が画面いっぱいに広がった。

 さらに、やはり「Complicated」という曲。洋楽を聴く人にとっての登竜門的な名盤である「Complicated」は没入感が強く、“やっぱりアヴリルと言えばこの曲!”と歓喜してしまうほど至福な体験だった。

アヴリルが『Let Go』でデビューした2002年はどんな時代だった?

 「Complicated」がリリースされた2002年は、ちょうど90年代のボーイバンド・ブームが落ち着き、アッシャーやアシャンティ、ジャ・ルールなどがチャート上位を占めていた、R&B/HIP-HOP全盛期。そして、近年のY2-Kブームの再来からも見て取れるように、当時の女性のファッションは俗に言う“女の子らしい”ものが台頭した時代でもあった。

画像1: アヴリルが『Let Go』でデビューした2002年はどんな時代だった?

 そんな時代に、しかもパンクという完全に男性優位なジャンルに現れたアヴリルは、“女性ティーンシンガー”の概念をひっくり返す存在だった。

 アルバムのリードシングル「Complicated」のミュージックビデオで、ぶかぶかのズボンを履いてギターをかき鳴らしながら男子バンドをリードするスケーターガールに、グッドガールなティーンシンガーに慣れていた消費者は衝撃を受け、若い女性は父親のクローゼットからネクタイを借りてアヴリルのパンクロックなファッションをマネることに夢中になった。そして親世代の中には、MVでゲリラライブを開いたり、ショッピングセンターで騒ぎを起こしたりするアヴリルに眉をひそめる者もいたものの、「Complicated」がBillboardのAdult Top 40で16週も1位に君臨したことからも、アヴリルの楽曲にハマったのは若い世代だけではないことが分かる。

画像2: アヴリルが『Let Go』でデビューした2002年はどんな時代だった?

 当時は、前年にiPod第一世代が発売されて、インターネットの普及が拡大し始めていたものの、まだまだミュージックビデオはMTVで見る時代。アヴリルはそんな新旧のカルチャーが共存していた2002年にテレビでもウェブでも話題の存在だった。Googleが毎年発表している年間の検索データで、2002年には最も検索率が増えた人物のひとりとなり、2003年には最も検索された女性のひとりとして認定された。2002年のMTV VMAではプレショーの目玉パフォーマーとして「Complicated」とセカンドシングル「Sk8er Boi」を披露し、新人賞を受賞。デビューアルバム『Let Go』からはほかにも、サードシングル「I'm with You」とフォースシングル「Losing Grip」がそれぞれグラミー賞にノミネートされ、『Let Go』は時代を代表する名盤となった。

アヴリル・ラヴィーンの影響は何世代も続いている

 そんなアヴリルの成功は、その後何世代にもわたり音楽界に影響を与え続けている

 まず、アヴリルがデビューした数年後の2005年にオフィシャルデビューしたロックバンド“パラモア”のヘイリー・ウィリアムズは、アヴリルの成功がなければパラモアのようなバンドがメジャーデビューすることはなかっただろうと頻繁に話している。“男性のもの”というバイアスが強かったジャンルで、アヴリルは女性たちのために扉を蹴り開けたのだ。

画像1: 『セックス・アンド・ザ・シティ』続編で着用したものが!キャリーらの衣裳部屋をお披露目

「アヴリル・ラヴィーンのキャリアがなければ、きっとレーベルはパラモアに興味を抱かなかったはずだと思っている。アヴリルはバブルガム・ポップ以外の音楽にも興味を持つ女の子たちのために道を切り開いたの」―ヘイリー・ウィリアムズ、英BBCに語って

 アヴリルの影響はパンク/ロック界の外にもおよび、R&Bアーティストのリアーナが「Cheers (Drink to That)」で「I’m With You」をサンプリングしたり、ラッパーのニプシー・ハッスルが「Dreamin’」の歌詞でアヴリルに触れたりしていることからも、30代であるこの世代にとってアヴリルの存在がどれだけアイコニックだったかが見てとれる。

画像: アヴリル・ラヴィーンの影響は何世代も続いている

 そしてその影響は、『Let Go』がリリースされた頃に生まれた世代にまで続いている。ビリー・アイリッシュオリヴィア・ロドリゴウィロウアシュニコなどのZ世代はアヴリルの存在や楽曲が自分たちや女性アーティストに与えた影響の偉大さを認めており、そんなアヴリル・チルドレン”の手で2020年代にパンク/ロックがメインストリームで人気を再熱させている

アヴリル・ラヴィーンへの支持の原動力は?

 「Complicated」や「Sk8ter Boi」といった楽曲がTikTokで数百万回の視聴数を獲得していることからも、アヴリルの楽曲は一般のZ世代にも浸透していることが分かるが、では、アヴリルの音楽はなぜ今でもここまでの求心力を持っているのか?

画像: アヴリル・ラヴィーンへの支持の原動力は?

 すぐに脳内リピートしてしまう中毒性の高いチューンやパフォーマンス力といった音楽的才能もそうなのだが、絶対的な理由は、アヴリルの楽曲が持つ、権威に屈せず、自由を渇望し、誰のためにも変わることなく、不満をストレートにぶつけるというメッセージにある。2002年にデビューした当時、生放送中にあぐらをかきながら有名司会者からの質問に物怖じすることなく答える17歳のアヴリルの自由な姿は多くの若者に刺激を与えたが、彼女のそんなポップパンクの精神は時代を超えても若者に共感されて刺激を与えているのだ。

画像: アヴリル・ラヴィーン、2002年(左)と2022年(右)。

アヴリル・ラヴィーン、2002年(左)と2022年(右)。

 さらに言うと、アヴリルはデビューから20年経った今でも変わっていないからすごい。10代のころは世間で「行儀が悪い」と言われたあとにカメラに向かって蹴りを入れるようなアーティストだったが、今は、「40歳近いのにまだそんな音楽を歌って」と言う人々に中指を立てるかのように、最新アルバム『Love Sux』でもポップパンクの音に乗せて、人生や恋愛に対する喜びや、怒り、悲しみを歌い続けている。しかもLove Sux』は音楽批評サイトMetacriticでキャリア最高の批評家評価を受けている。“ぶれずに進化”しているポップパンクのプリンセスは、今も最高にアイコニックなのだ。

 そんなアヴリルと言えば2022年11月に8年ぶりの来日公演を行なうが、それを記念して、『レット・ゴー』のデビュー20周年記念盤が日本限定カラーの2枚組アナログとしてリリースされるほか、ベスト盤と呼んでも過言では無いほどのヒット曲が網羅されたアルバム『ラヴ・サックス』の来日記念盤が発売される。『THE FIRST TAKE』でアヴリルのパフォーマンスに心動かされた人は、今の時代にも通じる不動のポップパンク・プリンセスの名盤をぜひこの機会に手に取って。

『レット・ゴー(20th アニバーサリー・エディション)』

画像2: 『セックス・アンド・ザ・シティ』続編で着用したものが!キャリーらの衣裳部屋をお披露目

2022年11月2日(水)発売
■仕様:完全生産限定盤 2枚組アナログLP(日本プレス 日本限定 ホワイト・カラーヴァイナル)
■解説・歌詞・対訳・帯付き
■価格:6500円(税込み)
■品番:SIJP-1071~72
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ファースト・アルバム『Let Go』にボーナス・トラックを加えたデラックス盤。日本盤は日本プレスされ、日本限定となる白のカラー・ヴァイナルとなる。

『ラヴ・サックス・ジャパン・ツアー・エディション』

画像3: 『セックス・アンド・ザ・シティ』続編で着用したものが!キャリーらの衣裳部屋をお披露目

■国内盤
2022年11月2日(水)発売
購入・再生はコチラ
仕様:三方背ケース、解説・歌詞・対訳付き、高音質ブルースペックCD2(Blu-spec CD2)
特典封入予定
完全生産限定盤/CD2枚組+GOODS(SICX-30154~30155)
価格: 3500円(税込)
DISC 1は『ラヴ・サックス』の内容をそのままに、DISC 2では現在行われている<バイト・ミー・ツアー>のセットリストからの楽曲をセレクト。ファースト・アルバム『レット・ゴー』からの名曲「コンプリケイテッド」や「スケーター・ボーイ」から、超ヒット曲の「ガールフレンド」に始まり「ワット・ザ・ヘル」、「スマイル」など代表曲ばかりが網羅された、もはやベスト盤と呼ぶしかない内容

来日日公演スケジュール
2022.11.07(月)パシフィコ横浜 国立大ホール
2022.11.09(水)東京ガーデンシアター
2022.11.10(木)東京ガーデンシアター
2022.11.12(土)Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場) Aホール
2022.11.14(月)インテックス大阪6号館
チケット情報:クリエイティブマン公演サイト

Photos: ゲッティイメージズ、インスタグラム

(フロントロウ編集部)

スターバックスの秋限定ドリンクといえば…?(フロントロウ編集部)

秋の風物詩、スタバのパンプキン スパイス ラテ

 本格派のコーヒーで知られるスターバックスだが、フラペチーノやラテといった甘い飲み物も大人気商品。季節の限定ドリンクも注目で、最近の秋模様のなかでは「パンプキン スパイス ラテ」が飲みたくなっている人も多いはず。

画像: 秋の風物詩、スタバのパンプキン スパイス ラテ

 パンプキン スパイス ラテは、パンプキンパイをイメージして作られたドリンクで、かぼちゃの風味と、ナツメグをはじめとしたスパイスがピリッと混ざり合い、エスプレッソとミルクが味をひとつにまとめ上げる。

 そして、じつはこのラテを秋に飲みたくなってしまうのには、科学的な理由があった! サイエンスライターのジョーダン・ゲインズ・ルイスは、英Psychology Todayでこんな分析。

 「物事に意味づけをすることで、この件では季節ですね、冬、春、そして夏を思い返してノスタルジックな気分になることを刺激します。何かについてノスタルジックになるということは、自分たちのムードを上向きにして、社会的に繋がりを感じさせ、安心させ、ポジティブに自分たちを見たくさせるんです」

 つまり、季節の“風物詩”というものは人々の刺激になるということ。そして、スターバックスのパンプキン スパイス ラテは秋の風物詩として人々に愛されるぐらい絶妙な味つけとデザインになっているということ! 

 彼女も、「冬の吹雪の中や、夏の暑さのなかでは、空気の乾いた秋に戻りたいという思いが強くなりますし、多くの人にとって、その気持ちはパンプキンスパイスへのノスタルジックな感情とともにあるでしょう」と綴っている。

 日本であれば、さくらフラペチーノも今後は春の風物詩になっていくだろうか。季節限定ドリンクの人気は高い。

(フロントロウ編集部)

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