トイレの詰まりは重曹やクエン酸で取れるの?水道業者のプロの見解

トイレの詰まりはクエン酸や重曹で取れる!と聞いたことはありませんか?

ネットで調べる(Googleで検索)すると、『トイレつまり』にスペースを入れると次の検索ワードとして『重曹』が出てくる方もいらっしゃると思います。

結論を言うと、『トイレの詰まり解消にはイイかも?だけど効果が薄い』という事。

そもそも、クエン酸や重曹を家に常備されてる方は『キッチンや換気扇・冷蔵庫』などのキッチン廻り含め『掃除道具』として家に準備をされてる方が多いのではないでしょうか。掃除に適しているアイテム(重曹とクエン酸)です。

 

清拭に重曹を用いたときの効果として、まとめられていました。

重曹を湯に溶解しその湯を用いて清拭(重曹清拭)を行った時の洗浄効果と皮膚機能への影響を明らかにすることである。

引用元:Snowdrop天使大学リポジトリ

身体に無害で安心という点ではよい商品で日常的に使用するのには安心できますよね。

しかし水廻のプロの見解としては『重曹+クエン酸』という組み合わせは、『トイレの詰まりを解消する為に利用する。』のではなく『トイレを詰まらせないために、定期的な清掃として利用する』のが正しいのではないかな?と考えます。(元も子もないこというw)

トイレ詰りに重曹とクエン酸|どんな詰まりに向いてるの?

自分で解消できるトイレの詰まりに共通しているのは、トイレに流してよい物(トイレットペーパー・排泄物)を流した時に詰まったものだけです。

オムツやナプキン、以前お客様で多くいらっしゃった骨やみかんの皮などの食べ物。トイレットペーパーの芯などを詰まらせた可能性のある方は、取り出さなければ解消しませんのでご注意ください。

症状としては、『詰まり水がどんどん増え便器に溜まるけど少しづつ流れ、しばらく経つと元の水位に戻る』くらいの症状。

『普通に使っていて、特別変なものは流していない』というお客様も多く居らっしゃいますが、ご家族で住まわれてる方、特にお子様がいらっしゃるご家庭では『別のもの』を流した可能性も疑ってみて下さいね。

 

トイレの詰まりに適している重曹とクエン酸は何処で買う?

重曹やクエン酸に『トイレの詰まりに最適』という説明はありません。基本的に『清掃用として』の説明が書かれている商品が多いのではないでしょうか。

購入場所は100円ショップや日用品の品ぞろえの良いスーパーであれば普通に販売されてます。もちろんホームセンターでも販売されてます。

既に液状(スプレー容器入り)になって販売されているものもありますが、トイレに使用するものは使う時点で水で薄められてしまうので、粉状のものを購入しましょう。

また、食用のベーキングパウダーにも重曹・クエン酸成分は入っていますが、清掃用のものより純度が低い為か効果は下がります。

『わざわざ買いに行くのが面倒』『以前お菓子で使ったベーキングパウダーが残ってる』などの人いらっしゃいませんか?(私は気になりました。試しました。トイレ詰まりは解消しませんでした)※賞味期限は切れていましたが関係ないと思います。

重曹とクエン酸を使ってトイレの詰まり解消の手順と注意点

準備物・手順・注意点をまとめました。

重曹・クエン酸は、それぞれ人体に無害と言われてますので、多少の分量の間違えは大きな問題になりません。しかし、酸性・アルカリ性とそれぞれ逆の性質を持っており、化学反応を起こし中和させトイレの詰まりを解消させる方法ですので、注意点の部分はしっかりお読みください。

重曹とクエン酸を使うトイレ詰まり解消法の準備

【洋・和便器のトイレ詰まり】
※便器半分くらいまでお湯(3ℓ程度)を足すのを前提とします
※和便器の場合はお湯(2ℓ程度)を足すのを前提とします

・重曹 1ℓの水に50g※大さじ山盛り2杯)
(洋便器:150g和便器100g)
・クエン酸 1ℓの水に25g※大さじ山盛り1杯)
(洋便器:75g和便器50g)
・お湯(温度50度くらい)便器半分までの量
・1時間の放置時間

お湯は50度に設定したものを水道から出す方法もありますが、設定が出来ずヨクわからない方は『半分の量を沸騰させて、半分水足す』くらいの感覚でOKです。

手で触った時に、お風呂よりちょっと熱いかな?けど手で触れるくらいが50度前後になります。

重曹とクエン酸を使う解消法の注意点

・既にトイレの詰まりによって、水が並々になっていて水位が下がる様子がない
→先に水を出す作業をして下さい

・トイレの詰まりが、箱ティッシュやナプキン等流してよいもの以外が詰まった可能性がある
→トイレの詰まりは解消しません。むしろ悪化します。直ぐに業者の手配を検討してください。

重曹とクエン酸の化学反応で泡が発生し水かさが一瞬増します。重曹とクエン酸を入れた後、化学反応を起こさせる為お湯を足す必要があるので、水の水位は『普通の状態』くらいまで下がっていることを確認して行って下さい。

また、二酸化炭素を発生させますので
・換気扇を回し続ける
・窓を開けておく
・トイレのドアは開けておく

こと。

【重曹の油汚れに対する洗浄力の検討】

人にも環境にもやさしい台所や住まいの洗浄剤として、重曹が普及し始めている。被服および繊維製品では重曹使用によるしみ抜きや部分洗いの効果が謳われている。著者らは人工汚染布を用い重曹の洗浄力が高いことを報告

引用元:一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集

熱湯はNGです

基本的に、『通常水を使う場所(トイレ・洗濯機)』などは、熱湯に耐えれる構造として作られてませんので、破損する可能性があります。

食洗器に対応の食器を食洗器に入れると、ヒビが入ったり欠けたりしますよね。それと同じくトイレが脆くなってしまい逆に修繕費用など掛かってしまいますので、熱湯は使わないでください。

重曹利用に関する情報は、重曹の洗浄性を肯定的するものが大部分を占めており、その根拠として軟水化が挙げられていることが分かった。そこで、炭酸水素ナトリウムの軟水化作用について実験的に検証した結果、有効な軟水化には30~60分間以上の時間が必要

引用元:一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集

『水では意味がない理由』もあり、熱で重曹のph濃度を下げる(酸性を強める)効果が必要になります。また、重曹は水に溶けにくい性質です。

トイレ詰りの解消に必要な
・水を軟水化させる
・便や尿石を中和作用により分解させる

などには、『お湯と放置時間60分』が必ず必要になりますので、ご注意ください。

重曹とクエン酸を使う解消法の作業手順

  1. 重曹を入れる
  2. クエン酸を入れる
  3. お湯を注ぐ
  4. 1時間待つ
  5. 流す

念には念をという場合(通常使用ではない作業をする場合)は、作業前に

  1. 止水栓を止める(タンクの水を抜く等)
  2. コンセント電源(ウォシュレット等)を抜く

などして行う方がよりよいとされています。

止水栓は、通常開いており『水を流す』状態になっていますが、止める事によりトイレに水を流さない状態に出来ます。

トイレも詰まっているけど、タンクから常習的に水が流れる・・・方は(タンクの修理も必要ですが)タンクの水を全て抜き、止水栓を止めて作業をしないと効果が薄れてしまいます。また、コンセントの電源を抜くのは、感電の恐れがあるためです。

『感電させないよう、注意を払い作業中には水を給水させない』かたはそのままの作業で大丈夫かと。(面倒ですよねw※自己責任でお願いします。)

トイレ詰まりに重曹とクエン酸ってどう?まとめ

重曹やクエン酸を販売している公式サイトなどで、成分含めて色々調べてみましたが『トイレ詰まりとして使う』のではなく、『トイレを詰まらせないために日常的な清掃に使う』に適しているのではないかと思います。

重曹って何だろう?クエン酸って何だろう?

引用元:木曽路物産株式会社ホームページ

 

クエン酸を使ってお掃除

引用元:共立食品株式会社

軽度の詰まりであれば、解消する可能性も捨てきれませんが『家にあるアイテムで詰りを解消させたい』と考える場合は、ペットボトルやラップ、ゴミ袋やタオルを使う方法の方がより効果的に感じました。※別記事でまとめます。

しかし、家にあるもの・クエン酸や重曹程度で解消できるかどうかは実際試してみたいですよね。特に賃貸にお住まいの方は、ワザワザ不動産屋さんに連絡するのも抵抗があるはず。

色んな方法を試して、少しでも早くトイレの詰まり解消のお役に立てると幸いです

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