初恋の悪魔#09[解][字][デ]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
初恋の悪魔#09[解][字][デ]
「ただ、あなたを失うことが怖いんだ」 坂元裕二脚本
出演者
林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑、佐久間由衣、味方良介、毎熊克哉、篠井英介、伊藤英明、安田顕、田中裕子 ほか
番組内容
悠日(仲野太賀)と琉夏(柄本佑)が雪松(伊藤英明)の自宅を張り込む。雪松はちょうど出かける息子・弓弦(菅生新樹)と言葉を交わす等ごく普通の家庭に見える。一方、鈴之介(林遣都)は服役中のリサ(満島ひかり)と面会したことを星砂(松岡茉優)に報告する。「リサを苦しめた人間を殺したい」と心乱す星砂。連続殺人事件の調査が進展し裏付が揃い始めると、すぐにでも雪松を告発すべきだと主張する森園(安田顕)だったが―
監督・演出
【演出】水田伸生
原作・脚本
【脚本】坂元裕二
音楽
【最終章テーマ曲】SOIL&"PIMP"SESSIONSにRHYMESTERを添えて【音楽】平野義久
制作
【プロデューサー】次屋 尚
池田禎子(ザ・ワークス)
【制作協力】ザ・ワークス
おしらせ
■番組HP
https://www.ntv.co.jp/hatsukoinoakuma/
■番組Twitter
@hatsukoinoakuma
■番組Instagram
@hatsukoinoakuma_ntvジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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キーワード出現数ベスト20
- 雪松
- 弓弦
- 人間
- 森園
- リサ
- ハァ
- 家族
- ボイスレコーダー
- 刑事
- 自分
- 小鳥
- 大丈夫
- ダメ
- 雪松署長
- お父さん
- 鹿浜
- 犯人
- ウザ
- コンビニ
- 望月
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
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(雪松弓弦) おっ おかえり。
(雪松) あ~ ただいま。
(雪松) 出掛けるのか?
ちょっとコンビニ。
いってらっしゃい。
ありがとね。
(雪松) 気を付けてな。
(小鳥) どこに行くんだろうね。
(馬淵悠日) コンビニって
言ってたじゃないですか。
君は何も分かってないな 古今東西
「ちょっとコンビニ行って来る」
「ちょっと
タバコ買いに行って来る」は
コンビニにも行かないし
タバコも買いに行かないの。
そうかな?
浮気か家出か
自分の身を 自分でね…。
そうかな?
そうなの。
ハッ!
ちょ…。
あっ…!
(小鳥) ねぇ 君 今 何やってるか
分かってる?
すいません。 声 デカいから。
すいません。 シッ!
ちょ ちょ…!
やめろ 俺を盾にするな!
あっ…。
(来店のチャイム)
(来店のチャイム)
(馬淵の声) ホントに
コンビニだったじゃないですか。
君が大きな声を出すから
気付かれたのかもしれない。
あるいは 別の…。
あっ 小鳥さん あの
靴 靴 脱いでください。
うっかりしていた。
尾行していたようで
僕たちのほうが
尾行されていたのかもしれない。
あの…。
ポテトチップスとコーラ
買って帰ったじゃないですか。
僕が疑ってるのは雪松署長です
息子さんじゃありません。
署長のご家族は
何も関係ありません。
本当に関係ないと
言えるのだろうか。
ただの今どきの若者だったじゃ
ないですか。
被害者は
ただの今どきの若者だった。
それ たまたまじゃないですか?
お兄さんの敵を取りたいのは
分かる。
雪松署長が
関係しているのも分かった。
ただ やみくもに飛び込んでも
逃げられるか
返り討ちに遭うだけだ。
憎しみの炎で
自らを焼いてはいかんよ。
ボッ!
はい…。
焼くなら 僕のように
焼きもちだけにしな。
ボッ。
ボッボッボッ ボッ ボッ。
ふぅ~…。
おい 無視するな。
(鹿浜鈴之介の声) リサさんは
ひと言も話してくれませんでした。
(摘木星砂) はい。
この写真も
受け取ってはもらえませんでした。
はい。
ただ…。
はい。
ただ とてもお元気そうでした。
ただ 何ですか?
とてもお元気そうでした。
何を聞いても
お皿 落としたりしないから
大丈夫ですよ。
リサのことを知りたいんです。
彼女を担当していた
弁護士さんに会いました。
逮捕されてから 有罪判決が
出るまでのことを聞いて来ました。
はい。
彼女は
当初 容疑を否認していました。
はい。
しかし 勾留期間は
最大の20日間まで延長され
その間
自白を強要され続けたそうです。
時に恫喝され
と 時に…。
時に 何ですか?
人格を否定され続けました。
拘留から10日間は
何とか耐え続けたそうですが
すぐに延長され
尋問は続きました。
頭の中は 絶えず
怒鳴られているように感じられ
夜は眠れず
彼女は弁護士に漏らしたそうです。
「もう何でもいいです」。
「もう人には会いたくない」と
まるで
自分一人の世界で生きることに
決めたようだったと。
雨の日
傘を忘れて歩いてる人を
見つけると…。
リサは
いつも自分の傘をあげてた。
「大丈夫 大丈夫
家は近いからどうぞ」って。
全然 近くないくせに。
夜
私たちの誰かが 怖い夢を見て
目を覚ました時は
自分で その場で考えた
何か へんてこな
子グマの学校のお話
したりして…。
みんなが眠るまで笑わせてくれた。
(皿を置く音)
そういうリサだからね
「もう何でもいいです」なんて
言わないんだよね。
「もう外に出たくない」なんて
言わないんだよね。
本当に。
本当に本当に
怖い目に遭いさえしなかったら!
リサをそんな目に遭わせた人を
殺したい!
あなたに
そんなことはさせません。
1年生の教室の窓際で
子グマたちが
イタズラの相談をしていました。
先生をびっくりさせようと
集まった4人の子グマたち。
「黒板消しにハチミツを
塗りたくってやろうぜ」。
クラスいちの問題児
モリ君が言いました。
馬淵朝陽が転落死したホテルです。
今日は ここに行って 当時の話を
聞いて来ようと思います。
私は ここで
リサのことを聞いて来ます。
落ち着いて。 無理せず。
何かあったら。 すぐに連絡。
うん。
あっ あっ…。
痛っ。
ご ごめんなさい…
ごめんなさい ごめんなさい。
ハッ!
(森園)
あぁ… おはようございます。
おはようございます。
おはようございます。
あぁ なるほど。
お2人は 第2の事件の捜査。
私は被害者のご家族に
お会いして来ます。
ご遺族の痛みに触れるのは
心苦しくもあるのですが…。
森園さん。
しかし やむを得ません。
口。
真犯人を見つけることが
ご遺族のためにも…。
森園さん 口。
えっ?
ここに。
あ~… ハハハ いや すいません。
妻がね 心配して
離さないものですから。
何かあったら…。
(雪松響子) 連絡する。
いってらっしゃい。
(雪松) いってきます。
♬~
♬~
(千尋)
やっぱり 心配するのやめる。
まーくんに死亡フラグ立つから。
そういうのは小説の中だけのこと。
実際の人生にはありませんよ。
んっ んっ んっ…!
(クラクション)
んっ…。
(渚) 桐生菜々美は容疑を
否認してるんですよね。
(口木) 時間の問題だろう。
(渚)
鹿浜さんは疑問を持ってました
口木さんだって証拠に疑問…。
それは!
過ぎたことだよ。
逮捕したら 送致 拘留 起訴 裁判。
そうやって前に進んで行くのが
僕たちの仕事なんだよ。
前に進むだけじゃ
間違いが生まれるじゃないですか。
そうやって都合のいいことばかり
言うヤツが
まともに仕事した ためしがない。
今日だって…。
(机をたたく音)
彼はいない。
一体 どこでサボってんだか。
このネイルショップの領収書
捜査のためのものですか?
(口木) そうだよ
経費で落ちないなら…。
落とします。
口木さんだって
こだわってるじゃないですか!
チッ。
(出口) あ~! すいません
ごめんなさい。
えっ?
(責任者) ホテルのね
イメージがあるんです。
ご迷惑はお掛けしません。
3年もたつと
従業員も変わってますし…。
当日の顧客名簿だけでも。
廃棄しました。
失礼します。
(小出) ≪2階 205・209
清掃なし≫
≪3階 301・309
5階 501から505≫
≪お掃除お願いします≫
(清掃員) ≪分かりました≫
(小出) ≪え~っと
3階全てチェックアウト≫
≪504・505 連泊です≫
(清掃員) ≪はい≫
(小出)
え~っと 8階 802 和室。
ササキさん お願いします。
はい お願いします。
ここから 刑事が転落死しました。
3年前のことですから
覚えてらっしゃらないかも
しれませんが…。
(小出) 覚えてますよ。
あそこにね
スズメバチが
巣をつくってたのよ。
スズメバチ?
あなたぐらいの大きさの。
それをね 私が業者に頼んだの
ムシムシクリーナーズ。
ムシ…?
ムシムシクリーナーズ。
はい。
あれ 結構な値段するのよね。
だから私 その事故の日
何回もここに来てたの。
はい。
駆除の時間が夕方からだったから
その前に様子を見に来て
その時に刑事にも会ったの。
亡くなった刑事とですか?
あ~ その人じゃなくて。
来たらね 男の人がいて。
「ムシムシクリーナーズの人ですか?」
って聞いたら
「いえ」って言って出てったの。
事故が起きる前にも
刑事がここに来ていた。
なぜ その人が刑事だと
分かったんですか?
事故の後 パトカーに乗って
ここに来たからよ。
あ~ 刑事さんなんだなって。
ムシムシのクリーナーズの前に
下見に来る人もいるのね。
その刑事って…。
これ この人よ。
(チャイム)
(塩澤雅美) どうぞ。
(雅美) あの年は ジャイアンツは
あまり調子よくなくて。
(雅美) 「でも諦めないんだ」って
言って…。
チケットもお持ちだった。
(雅美) ええ。
行くはずだったんです。
(森園) ご一緒に行かれる予定
だったんですか?
学校の友達と。
あぁ…。
境川第三中学校でしたか。
ええ。
小学校は?
要川小学校です。
小学校 中学校での
友人との付き合いなどは?
(吉長文乃) 塾でも
友達をつくりませんでしたから。
あぁ…。
受験は どちらを?
(ベル)
(文乃) ちょっとお待ちください。
(ベル)
(ベル)
(カメラのシャッター音)
(カメラのシャッター音)
(振動音)
はい あぁ お疲れさまです。
ええ ええ。
今 塩澤 潤君と吉長圭人さんの
ご自宅に行ってまいりまして。
できれば 今回の望月 蓮さんの
ご自宅にも伺いたいのですが
恐らく無理でしょうね。
今のところは何も
そちらはいかがですか?
えっ?
ええ ええ 分かりました。
今晩 伺います はい。
(のみ込む音)
♬~
(川合) はい。
私 神奈川県警の森園と申します。
(川合) 私 あの親戚の者で
ご両親は今 実家のほうに。
では お部屋だけ
少し よろしいですか?
(川合) あ…。
(カメラのシャッター音)
(堀内)今夜は ん~ふ~ね。
(広瀬)ん~ふ~?
ん~ふ~!
ん~ふ~?
ん~ふ~。
ん~ふ~!
(父)ん~ふ~。
ん~ふ~。
ん~ふ~!
♬~
(弟)んふ。
(堀内・広瀬)ん~ふ~。
ん~ふ~。
わっ…!
えっ!? えっ…!?
遠くのものに気を取られていると
近くのものが見えなくなる。
人間は愚かしいね はい どうぞ。
あっ…。
あ~。 あっ 重たい。
あ~。 あ~ 重たかった。
びっくりした。 重たかった。
びっくりした。 重たかった。
びっくりした。
(森園) 塩澤 潤君 吉長圭人君
望月 蓮君
彼らは全員 当時12歳で
全員 この同じアウトドアクラブに
所属していました。
3人は小学校も中学校も
高校も違います。
(スライドが切り替わる音)
一見 何ら関わりのない
3人だった。
しかし 同じ場所にいたんです。
共通項があったんです。
連続殺人事件であったことは
これで確定です。
どうして? 何で?
鹿浜さん。
ホテルで清掃作業をされている方
から証言を得ました。
3年前 馬淵朝陽刑事を
この屋上から突き落として
殺害したのは…。
雪松鳴人署長で
間違いないでしょう。
雪松署長は吉長君殺害を
淡野リサさんの犯行
として偽装した。
しかし
それに気付いた馬淵刑事を
ビルの屋上から突き落として
殺害した。
黒い白鳥である。
どうしました?
なぜなんだろう。
なぜ雪松署長は
アウトドアクラブの少年たちを
何年にもわたって
殺害したんだろう?
一体 何が動機だったのか…。
この男を知ってれば
分かるでしょう。
まともな人間ではありませんよ。
この男はね
人を殺すことに快楽を覚える
シリアルキラーなんですよ。
生まれついての
猟奇的な人間なんですよ。
動機などという
分かりやすいものは ありません。
生まれついて
猟奇的な人間なんて いません。
はい?
仮に いたとしても
僕たちは その理由を考えることを
放棄してはいけない。
人を殺して当たり前なんて人間は
いないんです。
特別な存在じゃ ない。
殺人犯は皆 僕たちの隣人です
愚かな隣人です。
理由を探すべきだ。
雪松は
犯人じゃないというんですか?
犯人でしょう。
だったら 殺害の動機や
理由なんて
後からで いいでしょう。
それでは 雪松署長が
淡野リサさんにしたことと
同じことになります。
はぁ!?
雪松署長は リサさんを初めから
犯罪者にしたかったんですか?
違います!
馬淵朝陽刑事を殺したかったん
ですか? 違います。
最初の犯罪が
掛け違えたボタンのように
次の犯罪 また 次の犯罪を
生み出して行ったんです!
僕たちは 彼がなぜ そうしたのか
振り返らなければならない。
でなければ また全てのボタンを
間違った場所に はめてしまう。
人殺しが 今
警察署のトップにいるんですよ。
それを放っておくんですか?
ええ 警察のトップだから
逃げられる可能性があります。
その時は私の手で裁きます。
だから そうなってしまうんですよ
そうならないためにも…!
失礼します!
森園さん ダメだ。
あなたには最近のことだが
私は5年 待ったんだ!
もう逃がすことは
できないんですよ。
森園さん。
ダメです。
こいつがリサを…。
こいつがリサを!
ダメです ダメです ダメです!
私はリサを
助けたいだけなんです!
真相なんか どうでもいいんです!
そんなの僕だって同じです!
真相なんて どうでもいい!
誰が殺して 誰が死んでなんて
どうでもいい!
どうでもいい
ただ!
あなたを失うことが怖いんだ!
あなたがいなくなるのが嫌なんだ。
何 気持ち悪いもの
描いてるんですか?
君の耳。
えっ?
何で 僕の耳 描いてるんですか?
だって 暇なんだもん。
描くなら 顔 描いてくださいよ。
気持ち悪いな…。
君の顔になんか興味ないよ。
耳にも興味 持たないでください
気持ち悪いな もう!
(門が開く音)
いい いい…。
おい!
また ちょっとコンビニ
じゃないですか?
(小鳥)
ちょっと 人 殺しにかもよ。
[ シートベルトのロックが掛かっている ]
んっ… ダメだ。
やるよ。
結構です。
やるって。
ウザい。
ウザいって言われた
何 怒ってるの?
僕に ああいうことを言わせた。
あ~ ウザい。
ああいうこと?
そして 今 「ああいうこと」と
濁したことについて
はっきりと言わせようとしている。
言わなくても分かるけど。
ほら 出た 自分は安全地帯にいて。
安全地帯?
告白の安全地帯だよ。
相手にばっかり告白という
危険行為を行わせて
自分は危険の及ばない所で
受け身になって
恋愛の成果を得ようとする
ウザい ウザい ウザい!
しょうが そんなに…。
いるの!
分かったよ 分かりましたよ。
(しょうがをすりおろす音)
私も 鹿浜さんと一緒にいるのは
いるのはっていうか
一緒にいたいふうなことは
思いますよ。
告白はしてないけど。
まぁ バレてもいいかなとは
思ってますよ。
否定はしないし。
これ 何分 ゆでるの?
1分半。
1分半。
でもね 何回も言うけど
この私は 私のものじゃないから。
今は あなたじゃないですか。
言ったでしょ 自転車の話。
自転車には乗れるけど
練習したのは私じゃ ない。
この私は ただ
体を借りてるだけの存在なんです。
だから 勝手に告白できない。
1分半たったかな。
はい?
リンゴ むけますか?
ネギを切った包丁で
リンゴをむいてはいけない。
あっ はい。
今度 むき方を教えます。
そしたら リンゴのむき方は
君が覚えたことになる。
はい。
♬~
あそこにコンビニは ないだろう。
えっ まさか自殺…?
靴?
ん? ちょっ…。
(小鳥) 被害者の靴だ。
えっ!?
被害者の靴だ 決定的証拠だよ!
あっ ちょっ… 行くんですか!?
だって 証拠隠滅されちゃうよ!?
は… はい。
ハァ…。
汗 拭け。
ハァ ハァ…。
頭 整えて 落ち着け。
ふぅ~…。
現行犯逮捕だ。
はい。
靴 お借りします!
安心してください
境川警察署の者です。
(小鳥) 亡くなった
望月 蓮さんの靴ですよね?
ズバリ!
あなたが
望月 蓮君を殺しましたね?
僕じゃないです…。
僕の父です。
父が
望月君たちを殺しました。
♪~
『私のお父さん』
♪~
鹿浜さん。
「神奈川県足柄市の久瀬川で
アウトドアクラブの
遠征キャンプに参加していた
磯谷大地君12歳が川に流され
1時間後に救助されたが
搬送先の病院で
死亡が確認された」。
何だろう? これ。
2014年8月3日。
塩澤 潤が殺された3年前。
何か…。
関係があるのかもしれない。
(チャイム)
よし じゃあ ここ座ろっか。
彼は警察官だから安心して。
事情を話すから
ここで待っててくれるかな。
たった今
雪松署長の息子の口から
これまでの事件の全てを
聞いて来た。
息子さんは言いました。
犯人はお父さんですと。
犯人というのは?
(小鳥) 全てだ。
塩澤 潤 吉長圭人 望月 蓮。
そして…。
あっ これです。
このキャンプ場での溺死事故。
これは事故ではなく
雪松署長による殺害事件なんです。
僕たちが捜査していた
3人の少年の殺害事件。
僕の兄の死。
そして リサさんの冤罪。
これは全て このキャンプ場で
この靴の持ち主の少年が殺された
ところから始まったんです。
(ボイスレコーダー: 小鳥)
犯人は君のお父さん。
そう言ったね?
(ボイスレコーダー: 弓弦) はい。
(ボイスレコーダー: 馬淵)
それは どういうこと?
(ボイスレコーダー: 弓弦)
僕が小学校の6年生の時です。
僕はアウトドアクラブに
入っていて
毎年 夏になると
遠征キャンプに行って
活動していました。
だけど その年
僕はバスに乗り遅れてしまって…。
(雪松)弓弦!
(雪松)しっかり頑張れよ
(弓弦の声) そうやって
僕はキャンプに参加し
父は帰った そう思っていました。
僕たち5人は学校は違ったけど
仲が良くて
家にも
何度か来たことがありました。
そろそろテントに
戻ろうとしていた頃です。
磯谷大地君がいなくなりました。
(少年たち)大地~!
(弓弦の声) 4人で捜し回って
ようやく大地君を見つけました。
(弓弦の声) 家に帰ったはずの父が
そこに いたんです。
父は大地君を
川に突き落としました。
大地君は必死に
上がって来ようとしましたが
何度も 何度も戻されて…。
とうとう
動かなくなってしまいました。
お父さんが…
僕のお父さんが友達を殺した。
(雪松)何か見たか?
(ボイスレコーダー: 弓弦)
大地は うっかり川に落ちて
死んだことになりました。
何より驚いたのは
家に帰った父は 今までと
何も変わらなかったことです。
(弓弦の声)
僕の友達を殺したのに
何もなかったかのようにしていて。
それどころか
大地君が死んだことを
まるで 心から悲しんでいるように
見えました。
(雪松)まだ子供なのに…
かわいそうにな
(ボイスレコーダー: 弓弦)
それから 3年たった頃です。
僕は中学生になって
あの事件のことも
すっかり忘れていた頃
街でばったり
塩澤 潤君と会いました。
塩澤君は
キャンプの時の話をし
僕に お金を貸してくれと
言いました。
父に その話をしたら…。
(雪松)そうか…
じゃあ
お父さんも一緒に行こう
(弓弦の声)
そう言って 塩澤君を呼んで…。
♬~
(弓弦の声) それから2年後にも
また同じことがあって。
(ボイスレコーダー: 弓弦) そして先週
望月 蓮君から連絡があって
「もう隠し続けるのが怖い
付き合ってる子もいるし
警察に届ける」。
(弓弦の声) だけど
父は 僕のケータイを
盗み見していたらしく…。
(雪松)んっ…!
ナイフを刺す音
んっ…!
ナイフを刺す音
(雪松)んっ…!
ナイフを刺す音
♬~
(ボイスレコーダー: 弓弦)
僕は父に聞きました。
どうして殺すの?
どうして 簡単に人を殺すの?
父は言いました。
「お父さんは
殺してなんかないよ。
このほうが
この子たちは愛されるんだよ。
みんな
この子たちのために
泣いてくれるんだよ。
それは
とても幸せなことなんだよ」。
(ボイスレコーダー: 弓弦) お願いします。
父を逮捕してください。
(小鳥) 今すぐ110番したいが
かかる所は 犯人が
署長をやってる警察署だからな。
県警に話せる人がいますか?
僕が逮捕する。
(黒木)≪帰れば 「金麦」≫
≪帰れば…きん…むぎ…≫
≪無いんかーい!!≫
お願いします
≪帰れば!≫
<帰れば 「金麦」>
(宮沢)<ちょっと頑張った日は>
(小栗)ちょっと高級なビ-ルでしょ!
<それ 良いと思います!
手に取る前からもうワクワク>
<サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」>
うまっ
<ちょっと高級なビールですもの>
(仲)はぁ~!
(子ども)ただいま~!
<今日も あれ 使っちゃいます>
ダァ!
(父)痛い 痛い…!
最終兵器!
ママだって 最終兵器だぜ!
シャキ~ン!
僕もやる~!
(2人)「コンソメ」 ポ~ン!
<ポン! するだけで
愛情しみしみスープ野菜>
(2人)チ~ズ!
うわ~!
んん!
はぁ~…。
食べるねぇ~。 どう? 必殺技。
やられました。
<味の素(株)の 「コンソメ」>
(雪松)
ハァ… また あなたですか。
ビンゴ。
(雪松) 先生は ご家族は?
(森園) 1人です。
署長さんと違って 私が死んでも
悲しむ者はおりません。
それは私も同じです。
(森園) そんなことないでしょう。
妻子がいらっしゃるし。
あなたに何かあったら
さぞかし…。
まぁ。
(雪松) 家族がいるから
頑張れるところはあります。
(森園) そうですよ。
人の倫理観というものも
家族あってのことじゃないですか。
親が 子供が悲しむから
悪いことは よそう。
最大の犯罪抑止力は家族だ。
(雪松) あぁ…。
いや そもそも人間は
犯罪を減らすために
家族という制度を
つくったのかもしれませんよ。
確かに そうかもしれませんね。
もちろん 例外はありますが。
例外さんね。
ええ。
法律にも 家族にも縛られない
例外さんはいます。
(雪松)
たくさん捕まえて来ましたよ。
まだ捕まえてない例外さんも
いるでしょう。
(雪松) アハハハ…。
ハハハハ…。
面白い人だ。
(森園) 面白くなんかありませんよ
退屈な人間です。
人を殺す人間の気持ちなんて
さっぱり分からない。
ごくごく普通の
当たり前の人間です。
(森園) 子供には未来がある。
その未来を奪う権利は誰にもない。
そんな当たり前のことを思う
人間です。
この人には 大事な家族がいる
大事な友達がいる。
その命を奪ってはいけない。
そんな当たり前な約束を
守ってる人間です。
だからといってね
犯罪者が特別な人間だと思ったら
大間違いですよ。
孤独だとか 恵まれないだとか
恨みだとか 心の闇だとか。
そんなものは誰だって持ってる。
人を傷つけていい理由には
ならない。
人を殺していい理由にはならない。
人殺しは特別な人間じゃ ない。
かわいそうなのは自分だけだと
思ってる愚か者だ。
自分のことを大好きで
しょうがないバカ者だ。
人を傷つけたらダメなんだよ
バカ者!
人を殺したらダメなんだよ
バカ者
ハァ… ハァ…。
ハァ… ハァ…。
お前が
この子たちの未来を奪った。
お前が この子たちの人生を
家族の人生を奪った。
申し訳ありませんでした。
私が
3人の子供たちを殺害しました。
心配しないで。
あなたはリサさんが帰って来るのを
待ってればいいから。
帰って来たら…。
はい。
リンゴのむき方 教えてくれる?
はい。
♬~
僕も行きます。
君は…。
犯人は 兄を殺した人間です。
ご… ごめんなさい。
私…。
兄のことを
分かってもらえたなら それで。
ありがとうございます。
行きましょう。
君たちの分も
にぎにぎしておくからね。
早く帰っておいで。
(鹿浜の声) 相手は殺人犯だ。
不安なら
君も家で待ってればいい。
見くびらないでください
僕は優秀な刑事の弟ですよ。
そうだった。
それに
鹿浜さんと
こうして一緒に歩いてると
僕も刑事になったような気分です。
バディみたいじゃないですか。
迷惑だ。
ひどいな!
思い返せば 君は初めて
家に来た時から ずっと迷惑だ。
懐かしいですね。
懐かしくなんかあるか。
あの時 君が来なければ
僕は こんな目に遭わなかった。
どんな目に遭ったんですか?
僕の人生には
必要としてなかったことばかりだ。
友達ができた 好きな人ができた。
災難でしかない。
鹿浜さん それは僕も同意見です。
僕たち 気が合う
いいバディじゃないですか。
まさか 僕は君の名前も知らない。
馬淵でしょ 馬淵悠日。
総務課…。
無職の馬淵悠日!
やはり災難でしかない!
♬~
♬~
僕の知る限り…。
悪いことというのは
何も心配してない時に起きる。
悪いことが起きるんじゃないか
と思ってる時は
大抵 何も起きない。
つまり
人間は 心配しても しょうがない。
フフっ フフフ… はい。
いや 冗談じゃなくて
僕は ただ事実を…。
いえ あの…。
(チャイム)
はい。
(インターホン:男性) 前に止めてる車
おたくの? 迷惑なんだけど。
あ~ すぐ移動します。
(インターホン:男性) はい。
きっと悠日のレンタカーだ。
ちょっと動かして来る。
≪入るね≫
置いとくね。
温かいうちに…。
大丈夫だよ。
…って言っても
そうだ 大丈夫だとは
思えないと思うんだよ。
私もね
そういうの 根拠ないのに
適当なこと言うなって思ってた。
でもね
この間 ある人から言われたの。
「根拠のない『大丈夫』は
優しさで出来てるんです」って。
一見 根拠がないキレイ事って
泣いて来た人が
傷ついて来た人が言った
言葉なんだって。
だったら それを
信じてもいいんじゃないかって。
私
その時 ちゃんと その人に
答えられなかったけど
今 思うと
そうだなって。
誰かが
「大丈夫だ」って言ってる時
その人も 自分に
「大丈夫だ」って言ってるんだ。
根拠なんかなくても
キレイ事でも
誰かが
前向きに話してくれたことは
信じてもいいんじゃないかって。
大丈夫だよ。
おにぎり食べたら
きっと いいことある。
♬~
♬~ ハァ ハァ ハァ…!
♬~
♬~
うっ…!
あっ
♬~
(何かが倒れた音)
あっ…。
(カラスの鳴き声)