深まる北条時政(坂東彌十郎)と畠山重忠(中川大志)との対立。りく(宮沢りえ)を信じる時政は、源実朝(柿澤勇人)の下文を得て御家人を招集。三浦義村(山本耕史)、和田義盛(横田栄司)、稲毛重成(村上誠基)らが集い、対応を協議する。一方、手勢を率いて鎌倉を目指す重忠。板挟みとなった義時(小栗旬)は、政子(小池栄子)、時房(瀬戸康史)らと事態の収拾を図る。そんな中、父・義時を心配する泰時(坂口健太郎)は……
2022年9月18日(日)
- 午後8時~
- 午後6時~
再放送
2022年9月24日(土)午後1時05分~
これまでの放送をご紹介します
放送前に出来事や背景などをかいつまんで説明する“前説”
【監修】時代考証・木下 竜馬
北条時政 VS. 畠山重忠
義父・北条時政との亀裂が深まり、対立することとなった畠山重忠。その要因のひとつは、時政による武蔵国への支配の拡大があります。
重忠は秩父平氏の嫡流であり、比企郡に隣接する男衾郡を本拠としていました。武蔵国の留守所惣検校職(武蔵国の事務を総括する職位)を務め、武士の鑑と称されるなど御家人たちからも尊敬を集めています。しかし、『吾妻鏡』建仁3年(1203)10月27日条によると、比企能員を誅殺して武蔵国から比企の勢力を一掃した時政は、侍所別当を務める和田義盛を奉行として、武蔵の御家人たちに自身に対して二心を持たないように命令。本拠のある伊豆だけではなく、幕府の基盤である武蔵の掌握にも乗り出していました。自身の立場を脅かされ、重忠が危機感を抱いていたことは、想像に難くありません。
藤原定家の日記『明月記』建仁4年(1204)1月28日条には、「北条時政が畠山重忠に敗れて山中に隠れた」というウワサが記されており、北条と畠山の確執が京にも届いていたことがうかがえます。