74歳男性が絶望…「東京電力」の株を600万円買い、抱えることになった衝撃的な「含み損の金額」
東電(東京電力ホールディングス株式会社)と言えば、誰もが知る日本の電力会社ですね。電気という生活に必要なライフラインの一つを供給するため国の後ろ盾があり、数多くのグループ会社を持つバブル期には世界の時価総額ランキング上位にもランクインしていた企業です。筆者が高校生の頃には「東電に入れば将来は安泰」とも言われており、優良な就職先として高校の進路指導でも推奨されていたほどでした。
そんな誰もが安心だと思っていた東電も、東日本大震災の大津波によって起きた福島第一原発の事故発生以後、その信用は崩れ去ってしまったのでした。
そして、そんな東電株に投資し、大切な老後の資金を減らしてしまったという方も多いでしょう。
今回はそんな東電株に退職金の一部を投資し、6分の1に減ってしまった稲葉さん(74歳男性)の事例について、<【前編】74歳男性が青ざめた…退職金600万円を「超優良企業」に投資した結果、訪れた「ヤバすぎる結末」>に引き続きお伝えします。
株価の暴落、600万円の退職金は…?
稲葉さんが東電株を買ったのは2008年の12月のことです。その時(2008年12月末時点で計算)の東電株の終値は3,000円でした。
稲葉さんはそのときに退職金1500万円の内、600万円を投資し、東電株を2,000株買っていました。
計算式:600万円÷3,000円=2,000株
そして、2011年3月11日、原発事故の後に株価は急速に下がり始め、2012年11月には1株121円にまで下落し、一時的には購入時の約25分の1にまで落ち込んでいたのでした。
このとき、投資した600万円は36万3,000円にまで下がっていたことになります。
計算式:121円×2,000株=24万2,000円
その後、2012年12月の衆議院議員選挙において福島第一原発の事故を受けて稼働を停止していた原発の再稼働を政策として掲げる自民党が当時の民主党から政権を取り戻し、株価は回復の少し回復に向かい、2022年7月には500円前後で推移しています。
2022年7月29日の株価の終値は523円ですので、2012年の頃よりは回復はしましたが、3,000円から株価は6分の1近くに減ってしまっていたのでした。
このとき、もし株式を売却していたら1,046,000円となり、約500万円もの含み損を抱えている状態だったのです。
東電株は過去このように推移し、赤枠の部分が稲葉さんが購入してからの推移を表しています。
図中の大きく下落している部分が東日本大震災の事故が起きてからの株価の様子を表しており、どの程度大きく下落していたかわかります。