戴冠式ドレスに野村のカメリアシルク
愛媛と王室、結んだ絹糸 エリザベス英女王死去
2022年9月10日(土)(愛媛新聞)
新居浜工業高で保管・展示されているバッキンガム宮殿からの礼状=9日午後、新居浜市北新町
新居浜工業高で保管・展示されているバッキンガム宮殿からの礼状=9日午後、新居浜市北新町
8日に死去した英国のエリザベス女王。愛媛とは、絹糸が紡いだ縁があった。
【戴冠式ドレス 西予産使用】
1953年の戴冠式のドレスには西予市野村地域で生産する最高級の糸「カメリアシルク」が使用された。
野村シルク博物館(西予市野村町野村)の密田和彦館長(64)によると、カメリアシルクは通常の糸より4分の1~3分の1細く「この圧倒的な細さを実現できるのは当時『世界で野村だけ』と言われていた」といい、品質の高い「野村産」の名は英国までとどろいていたとする。
【高校生が養蚕 手紙に礼状】
新居浜工業高校(新居浜市北新町)では、環境化学部の部員が女王の在位60周年(2013年)に合わせて送った手紙に対し、バッキンガム宮殿から礼状が届いていた。
当時、部の顧問だった吉田高校(宇和島市吉田町北小路)の井原進一教頭(50)によると、部員がカイコの研究や養蚕に取り組む中で、女王が戴冠式に西予市野村産の絹糸を使ったドレスを着用したことを伝え、手紙を出すことを提案した。

























