外国人患者1人の医療費2200万円が回収不能に 都立広尾病院

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本多由佳
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 東京都立広尾病院(渋谷区)が患者1人の医療費2229万2402円を回収できず、都が今年3月、債権を放棄していたことがわかった。都によると、患者は医療保険に加入していなかった外国人男性で、約5年間の治療後に死亡し、回収不能となった。1千万円を超える治療費を回収できない例は珍しいという。

 都福祉保健局によると、男性は2012年に同病院で腎臓の病気の治療を始め、通院のほかに2回(計約20日間)入院したという。17年に亡くなったが、相続人も不明で回収の見込みが立たず、債権放棄を決めた。通常、未払いの医療費は、病院からの支払いの働きかけにもかかわらず民法上の時効を経過してしまった場合、所定の手続きを経て債権放棄に至る例があるという。

 男性の治療費総額が高額に上った理由について都の担当者は「無保険で、治療期間が長かったため」としている。21年度に放棄した都立病院分の債権は計約4370万円で、この男性分がほぼ半額を占めていた。

 都立病院で外国人の医療費が…

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