2021年度の小学校入試で、いわゆる難関校といわれる早慶合格者を100名以上出し、注目を集めている『スイング幼児教室』。受験をしない家庭にも参考になる「小学校受験から学べる子育ての極意」を教えていただく連載です。
今回は、小学校受験で必須の「願書」で問われる「親の文章力」、そして「教育方針」について。受験する・しないにかかわらず大事な教育方針は、日々、勉強や運動を頑張る子どものためにも、夫婦が同じ方向を向いていることが大事だといいます。
小学校受験に必須の「願書」
小学校受験では、家庭を判断する材料として「願書」が重視されます。学校側は願書を通じて、6年間方向性を合わせていける家庭かどうかを審査します。どのような教育方針で、どのような理由で学校を志望したのか、そこに書かれた文章を読むことによって、学校との相性を判断する。このように受験では、「文章力」を通して親の知性や品格が見られているといっていいでしょう。
しかし、みなさん案外この文章力を軽視しがちです。「てにをは」をうまく使えているか、主語と述語があっているか、敬語の使い方が正しいかどうかといった、文章を練り上げる推敲を怠る人が少なくありません。また尋ねられていることをきちんと考えず、なんとなくごまかして、表面的に取り繕って書いているように感じられる場合もしばしば見られます。
学校によっては教育方針や志望動機だけでなく、テーマを決めて親に作文を書いてもらうところもありますが、書かれた文章がテーマと外れていたり、問いに対する答えになっていないものも目につきます。おそらくあまり深く考えないまま、なんと答えたら良いかよくわからず曖昧に濁してしまっているのだと思われますが、これは親としてあまり望ましい姿勢とは言えません。
子どもは勉強に運動に、日々努力しています。こなすべき課題や目標を与えられ、それらをクリアすべく全力で取り組んでいます。向き合い方に個々の差はあれ、このことは多くの子どもたちに言えることです。にもかかわらず、親がいい加減に手を抜いてしまう、わからないことを曖昧に済ましてしまうというのはとても残念なことです。
これは受験するかしないかにかかわらず、子どもを教育するすべての親にとって重要なことではないでしょうか。