2021年度の小学校入試で、いわゆる難関校といわれる早慶合格者を100名以上出し、今注目を浴びている『スイング幼児教室』。受験をしない家庭でも参考になる「小学校受験から学べる子育ての極意」を代表の矢野先生に綴っていただく連載です。

今回は、不利だと思われがちな「共働き家庭」の小学校受験ですが、実は意外とそうではない…という最近の事情を、小学校受験を体験したある共働き家庭の実例をもとに紹介していただきました。

小学校受験に限らず、共働きでは子どもに知育や体験の時間を割くのが難しいのが現実ですが、方法がないわけではありません。子どもとの時間をつくるためのアドバイスとはー

共働き家庭の受験も増えている

小学校受験をするには「母親は専業主婦でなくてはダメ」「子どもを幼稚園に通わせていなくてはダメ」、と思っていらっしゃる方も多いと思います。しかし最近では共働きの家庭の小学校受験も当たり前になってきています。

「将来を見据え、教育方針が合致した学校で子どもに最適な教育を受けさせたい」「一貫教育の学校で、受験にとらわれず多様なチャレンジをしてほしい」「同じような価値観を持つ家庭の子どもが集う中で将来につながる人脈を作ってほしい」など、多様な理由で小学校受験を選択する家庭が増えているのです。

今回は、小学校受験をきっかけに子どもへの向き合い方が変わったという、ある共働きの家庭の様子を紹介します。

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我が家は共働きの家庭です。朝は7時半に子どもを起こし、目も覚めやらぬ、ぼーっとしたままの子どもに5分で朝食のパンを食べさせ、自分の身支度もそこそこに8時には保育園に向けて家を出る。自分は会社についたらパンをかじりながら仕事をし、夕方には走って子どものお迎えに行き、18時から夕食を作り、19時から夕食・お風呂・そのまま寝かしつけといった流れ作業を済ませる。子どもが寝たら掃除や洗濯などの家事をして、23時ころ就寝する、という生活をしていました。

こんな生活をしていた我が家が、なぜ小学校受験をしてみようと思ったか。それは、子どもに中学校受験をさせた友人からその大変さを聞いたからです。私も夫も中学受験をしており、中学受験から一貫校で大学まで行かせよう、と漠然と考えていました。夫婦ともに一貫校だったので、スポーツに打ち込んだり留学したり、学生時代は長期的な目標をもって様々なことに挑戦できたと感じていました。しかし、自分たちが中学受験をしたときより受験の大変さが増していると聞き、自信がなくなった私は、「受験機会は多いほうが良い」と小学校受験を目指すことにしました。