麻生副総裁、甘利前幹事長の名前も 公安部が作成した親カルト「400人議員名簿」“驚愕”の中身とは

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花束贈呈という大役

 乾杯のあとは1時間ほど会食となり、その間に来賓の国会議員が紹介され、石井一元国家公安委員長や田中慶秋元法相ら民主党からも7人の名が読み上げられた。やがて午後7時35分から40分間にわたって大塚会長が「新世紀を考える」と題して講演。総勢200名の聴衆が聴き入った。

 イベントのクライマックスは、越智通雄元経済企画庁長官の妻・和子夫人からの大塚会長への花束贈呈だった。この和子夫人が“大役”に任ぜられたのには理由がある。

「福田赳夫元総理の長女だからです。福田元総理は74年、文鮮明が帝国ホテルで主催した晩餐会に出席し、“アジアに偉大なる指導者現る。その名は文鮮明である”と持ち上げるなど、教会との関係の深さが知られています」(同)

 こちらは父娘2代にわたる教会との固い絆というわけか。

 およそ2時間半に及ぶ祝宴は午後8時20分にお開きとなったが、この報告書の最後に以下の文言が付されている点は見逃せない。

〈主催者側は、ホテルに対して、統一教会や世界平和連合の名を公表しないように申し入れした〉

 なるほど、平たく言えば口封じである。当時から自民党と教会の関係は永田町界隈でこそ“常識”の範疇に属したが、00年は霊感商法や合同結婚式の問題が世上を騒がせた“負の記憶”もなお色濃く残っていたため、どうしても周囲の目を欺く必要があったのだ。

大村愛知県知事の名前も

 一方で、並み居る党の実力者に交じって、当時まだ自民党の衆院議員1回生だった大村秀章氏の姿を捜査員が視認していたことにも触れないわけにいかない。氏は愛知県を地盤とし、現在は周知の通り愛知県知事をつ務めている。

 付言するなら、大村氏の名前は前半で触れた「議員名簿」にも登場する。愛知県で99年9月に計2回、世界平和連合の大会が開催された際、秘書を代理出席させた記録がある。

「大村知事は19年に愛知県で開かれた教会のイベントに祝電を送っていたと報じられました。しかし“祝電の文言が改ざんされている”などと逆ギレし、あたかも自らが“被害者”だと言わんばかりです」(社会部記者)

 大村知事の回答。

「当時の記録も残っておりませんのでわかりません」

 以上のことから浮き彫りになるのは、統一教会が、総理を経験したのち政界を引退したお歴々から現職閣僚、自民党の大幹部、中堅、若手、さらには地方自治体首長から地方議員にいたるまで、あまねく浸潤している事実にほかならない。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会代表世話人の山口広弁護士は、こう語る。

「自民党の“点検”は自己申告制であり、質問も甘く、不十分なものだと言わざるを得ません。ただ本当に調査してしまうと、関係が次々に露呈し、党が潰れてしまうので腰が引けたのでしょう。要するにポーズでやっているだけ。統一教会との関係を真に絶ちたいなら、まずは政府が“統一教会は反社会的団体である”と明確に見解を示すところから始めるべきです」

 世の関心が去るのを待つばかりでいいはずはない。

週刊新潮 2022年9月15日号掲載

特集「『麻生太郎』もイベントに再三…『絶縁』できっこない『岸田・統一教会』腐れ縁」より

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