麻生副総裁、甘利前幹事長の名前も 公安部が作成した親カルト「400人議員名簿」“驚愕”の中身とは
警視庁公安部の捜査資料
もっとも、次に紹介する“証拠資料”をひもとけば、そもそも自民党に自浄作用を期待するほうが土台無理な話なのだと合点がいく。
それは「議員名簿」と題された書類で、400名を超える国会議員と地方議員の名前が並ぶ。
リストに「現」とあるのは当時の現職、「元」とあるのは政界引退済みの元職、中には故人も含まれる。
作成者は誰か。危険団体の監視や外国勢力に対する防諜などを担う、警視庁公安部である。
「警視庁公安部は統一教会単独の動向だけではなく、政治家と統一教会の関係についても水面下で長年、監視してきました」
とは、さる警視庁関係者。この名簿はすなわち、警視庁公安部総務課の政界担当とカルト担当が極秘裏に作成、更新してきたものだ。
木村守男青森県知事(当時)や与謝野馨元財務相(2017年没)の名前がすぐ目につくが、中でも注目すべきは麻生太郎氏にまつわる記述である。
〈勝共推進議員 平成11年2月18日 前進大会東京大会に祝電を打つ 平成11年3月4日 前進化西東京大会に祝電を打つ 平成11年3月13日 勝共全国代表者会議に祝電を打つ〉
かくて麻生氏が、教会の関連団体主催によるイベントに何度も祝電を打っていた事実が記されている。
総理経験者に幹事長
本誌は9月8日号で、麻生氏が統一教会の提唱する「日韓トンネル」事業に賛意を示し、推進団体の顧問にも就任していたことを報じたが、
「麻生氏は各社の取材にもだんまりを決め込み、自ら教会との関係を公表してもいません。これまで11年に教会系の米紙『ワシントン・タイムズ』に東日本大震災への米軍の協力に謝意を示す米在住日本人による意見広告が載った際、そこに名を連ねていたことくらいしか報じられてきませんでした」(政治部記者)
麻生氏は副総裁として名実ともに岸田政権を支える立場にあり、いわば政府・与党の枢要。公安部の資料は、その麻生氏がひた隠す過去を白日の下にさらすのだ。
麻生氏に尋ねると、事務所を通じて回答があった。
「現状、確認できる範囲では記憶も記録もない」
だが、さらに機密ファイルをめくると、別の重鎮の名前も目に留まる。麻生氏の側近で麻生派のナンバー2、甘利明・前幹事長だ。
〈平成11年9月5日世界平和連合神奈川大会に祝電〉
これまた関連団体主催の大会に祝電を送っていたというのである。が、政治部記者によると甘利氏は、
「共同通信が実施したアンケートに対して、教団の関連団体が主催した時局講演会に1度だけ参加したほかに付き合いはないと回答しています。また、過去にイベントへ祝電を送ったことも一切否定しています」
甘利事務所にも事実関係を問い合わせたところ、
「資料も探しましたが、残っていないため確認することができませんでした」
統一教会問題に詳しい渡辺博弁護士は“腐れ縁”の清算など果たしてできるのか懐疑的だ。
「統一教会との関係は断ち切るべきですが、完全に関係を絶てば、教会側がそれまでの関係を全部暴露するかもしれない。それを思えば、どの程度のことができるのか疑うしかない」
[2/4ページ]