第2章:ラフォーレ原宿の魅力は「スキップフロア式」の建築構造にも
さて、舞台は明治通りと表参道の交差点。先述した文化人の巣窟・セントラルアパート向かい側の、それはそれは熱いポイントにて、いよいよ我らがラフォーレは産声をあげた。ちなみに「la foret」とはフランス語で「森」の意味。それまでオフィスビルを主軸に展開していた森ビルグループの、初の商業施設である。コンテンツを見る前に、まずは建築家・三宅晋氏によるその建築構造を見てみよう。
ラフォーレのフロア構成は、当時としては画期的なスキップフロア式だ。スキップフロアとは、ひとつの階の中に階段があり、0.5階を作るカタチ。それによって、立ち位置プラス上階・下階を一気に見渡すことができるようになる。つまり、飛び込んでくる視覚情報は3倍に!
当時の建物の多くは2階建て止まりだったため、上階へ進むことに慣れていない買い物客をさらに上へと呼び込むために採用された方法だ。
「ステップフロア式」は現在もラフォーレ原宿の象徴のひとつ。中央階段では各ブランドの最新スタイルが展示されている
メンズ専門の集積フロアを作らず、性別でゾーン分けしていないのも特徴的だ。様々な傾向のブランドが混在するフロア構成は、宝箱のようなワクワク感を生んでいる。
また、明治通り沿いの正面エントランスは誰もが知るが、その反対側にも2.5階と繋がるエントランスが存在し、その構造がラフォーレ原宿に深みを与えていることも、ここで記しておきたい。
正面エントランスと反対側に存在する2.5階のエントランスは、土地の歴史を踏まえた「源氏山テラス」。石灯籠と切子型の水鉢は、京都の老舗・斎田石材店が手がけたもの
以前はインテリアショップF.O.B COOPが運営する「CAFE de F.O.B」だった場所だ
■豆知識その2
東京屈指のパワースポットである、明治神宮内の「清正の井戸」をご存知だろうか(待ち受け画面にするだけで運気が上がる! と大ブームを巻き起こしたアレだ)。かつては、その「清正の井戸」からの清水が、ラフォーレのそば(フォンテーヌ通り周辺)を流れていたという。ここが原宿の聖地として発展を遂げたのは、もしやこの土地の磁力が伝わる場所だからなのかもしれない。