【エヴァ】1章 第一始祖民族と”設計者”

リリンは、自らに合わせて、環境を作り変えると言えるでしょう。

使徒とリリンに、共通することもあります。それはどちらも、A.T.フィールドを持っているという点です。A.T.フィールドとは、アメリカの精神分析家、ポール・フェダーンが「自我境界」と呼ぶものに近く、自己の内と外を識別する、境界線のようなものです。

A.T.フィールド:非公開情報

魂の座が肉体で、それを決定するのが、

A.T.フィールド=自我(他者と隔てる心の壁)である。

新世紀エヴァンゲリオン2 より引用

ひとりで生きることが可能な使徒は、他者を必要としないため、強力な自我境界を持つことが可能です。シトのATフィールドは、物質化することも可能で、リリンの通常兵器であれば、歯が立ちません。

A.T.フィールド:広報公開情報

使徒とエヴァだけが発生させられる、絶対的な物理防壁。

使徒が発するA.T.フィールドの前には、

地球上のあらゆる通常兵器は歯が立たない。

新世紀エヴァンゲリオン2 より引用

一方、リリンもA.T.フィールドを持っていますが、無尽蔵のエネルギーを持たず、また、他者と協力しなければ生きていけないリリンは、強力なA.T.フィールドで、他者を寄せ付けないということはできません。

A.T.フィールド:広報公開情報

使徒とエヴァだけが発生させられる、絶対的な物理防壁。

使徒が発するA.T.フィールドの前には、

地球上のあらゆる通常兵器は歯が立たない。

新世紀エヴァンゲリオン2 より引用

この弱いA.T.フィールドは、リリンを苦しめます。例えば、不安定なA.T.フィールドを持つ人は、必要以上に他者に干渉して、他者を傷つけ、時に、孤立してしまいます。また、弱いA.T.フィールドを持つ人は、傷つきやすく、他者に食い物にされてしまうこともあります。そのため、リリンは、A.T.フィールドを必要としない、人々が傷つけ合うことのない、魂が交じり合った世界に戻ることを望みました。これがゼーレの人類補完計画です。

サードインパクト:最深度情報

サードインパクトの正体は、人が人としての境界を失い、

人が融けることを言う。

生命は終末を迎え(終末の内容は不明)

A.T.フィールドを失う(人間の形も維持できなくなる)。

新世紀エヴァンゲリオン2 より引用

使徒とリリンの違いについては、「知恵の実と他者の恐怖」の章で、詳しく考察したいと思います。

ロンギヌスの槍とは

ここからは、始原の存在と共に、キャリアに入っていた「ロンギヌスの槍」について、お話しします。ロンギヌスの槍は武器であるだけでなく、始原の存在を操作する、デバイスでもあり、一つの生命体でもあります。

ロンギヌスの槍:非公開情報

意思を持った槍であり、

自力で移動する能力も持つ一種の生命体である。

新世紀エヴァンゲリオン2 より引用

つまり、ロンギヌスの槍は生きており、意思を持っています。アダムは、アダムの民の魂に、肉体を与え、使徒を作り出し、リリスは、リリスの民の魂から、リリン(人類)や、猿やイルカといった、生命を作り出しましたが、槍と始原の存在を使うことで、個別化した魂を、再び始原の存在に還元することが可能です。つまりは、設計者である、カヲルやレイ達は、始原の存在と実を使って、魂に肉体を与えましたが、何らかの理由でリセットが必要となった場合は、槍を使って、再び、魂を始原の存在に、戻すことができるということです。

???「槍を呼ぶんだ。始まりの時を願って。

     そして君の民の魂を導けばいい。」

新世紀エヴァンゲリオン2 より引用

注:???は他のキャリアの設計者

また、始原の存在が、設計者の意にそぐわない場合には、槍を使って、停止させることや、胎児の状態まで、還元させることも可能です。

加持「槍形態のロンギヌスが出来ることは単純だ。

    因果を結ぶこと、そして断ち切ること。だが絶対だ、

    命を無分別に産み落とすリリスですら、

    これを打ち込まれれば停止する」

山下 いくと; 柏原 康雄 エヴァンゲリオンANIMA5より引用

武器としては、使徒やエヴァの、強力なA.T.フィールドを、中和せずに貫けるという、絶対的な力を持つため、最強の武器と呼べるでしょう。また、目標を定めて投擲した場合には、物理法則を無視して、目標を射るまで飛び続けます。

加持「残念だったな、あれは何かを射んとして投げる時、

    その目的を果たすまで、もしくは止められてしまうまで

    通常物理の外で振る舞う、(以下略)」

山下 いくと; 柏原 康雄 エヴァンゲリオンANIMA4より引用

後に零号機は、大気圏外の使徒をロンギヌスの槍を投擲することで、殲滅しますが、通常では、あり得ない攻撃が成功したのは、この理由によるものです。ロンギヌスの槍は、始原の存在と対になっているため、本来は、地球には2本存在するはずですが、リリスの槍は、現代でも発見されておらず、破壊された可能性も、あるとされています。

ロンギヌスの槍:非公開情報

リリスと対になっているロンギヌスの槍は、

恐らくファーストインパクトの時の衝撃で、

リリスから抜けて離れ離れになったと思われる。

この槍は今も見つかっていない。

ひょっとすれば破壊されたのかもしれない。

新世紀エヴァンゲリオン2 より引用

そのため、これ以降登場する槍は、アダムの槍です。

これでこの章は、終わりになります。次章では、リリス、生命の樹、黒き月について、お話しさせていただきたいと思います。

本ブログについて

ここで、本ブログの注意点をお話しさせてください。この動画では、複数のエヴァ作品や公式資料の情報を参考にしています。それぞれの作品は共有している設定もありますが、アスカの母親の生存や、補完計画の依り代となるエヴァの種類、使徒の数など、共通していないものもあります。

「ロンギヌスの槍に刺し貫かれた

エヴァ弐号機を頂点に空中に描かれた

生命の樹は崩れ、シンジは結果、

人類補完計画の成立を壊してしまう」

山下 いくと; 柏原 康雄 エヴァンゲリオンANIMA1より引用

基本的には、全ての作品は、共通する設定を持つ、別の世界線の物語という前提で、考察していきます。例えば、新劇場版の世界はループしていますが、ゲンドウのセリフから、シンジは過去のループで、旧アニメ版と同じように、補完計画を拒否していると考えられます。

ゲンドウ「お前が選ばなかった、

     ATフィールドの存在しない、

     すべてが等しく、単一な人類の心の世界、

     他人との差異がなく、

     貧富も差別も争いも虐待も悲しみもない、

     浄化された魂だけの世界、(以下略)」

シン・エヴァンゲリオン劇場版より引用

この理由から、新劇場版は旧エヴァがループした世界であるとする解説動画も多く見られます。しかし、本チャンネルでは、新旧のシンジが補完を拒否した世界は、どちらも限りなく内容が近いものの、全く同じものではないという前提で考察していきます。この辺りは、新エヴァ解説の時に詳しくお話ししたいと思います。

最後に、エヴァは様々な情報が公開されており、見落としは避けられません。間違いがあれば、コメント欄でお知らせいただければ嬉しいです。今後、修正版を作る際の参考にさせてください。と言いますか、間違いだらけと思いますので、ぜひともお助けいただければと思います。

今後の流れとしては、まず初めに、アニメ版エヴァと、旧劇場版の考察を行い、その後に、新劇場版の考察動画を作る予定です。よろしければ、チャンネル登録をしていただければ嬉しいです。Twitterでも投稿情報などを発信しますのでフォローいただけると嬉しいです。

では、また次章でお会いしましょう。

Youtubeチャンネル【禍りんね】

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