皮膚科学講座 佐野栄紀特任教授らの研究チームの論文が「Journal of Cutaneous Immunology and Allergy」に掲載されました。
【お詫びと訂正】
9月5日に発表した「佐野栄紀特任教授らの研究チームの論文が「Journal of Cutaneous Immunology and Allergy」に掲載されました」に関するプレスリリースにおきまして、記載内容の一部に誤りがございました。心よりお詫び申し上げるとともに、次のとおり訂正させていただきます。
・本文5~7行目
(誤)「本研究チームのメンバーにおいても、mRNAワクチン(ファイザー社製、BNT162b)の初回接種から2週間後に発症した成人水痘が、3週間後の2回目接種に伴ってさらに増悪し、3ヶ月間に渡って遷延した症例を経験しました。」
(正)「本研究チームは、mRNA ワクチン(ファイザー社製、BNT162b)の初回接種から2週間後に発症した成人水痘が、3週間後の2回目接種に伴ってさらに増悪し、3ヶ月間に渡って遷延した症例を経験しました。」
2022.9.5
皮膚科学講座の山本真有子助教と佐野栄紀特任教授らの研究チームの論文が、ワイリー社のオンライン雑誌「Journal of Cutaneous Immunology and Allergy」に掲載されました。
本邦では、国民の8割以上が2021年より開始された新型コロナウイルス(COVID-19)のmRNAワクチンの2回目接種を完了していますが、皮膚障害を含む様々な副作用が多数報告されています。
本研究チームは、mRNA ワクチン(ファイザー社製、BNT162b)の初回接種から2週間後に発症した成人水痘が、3週間後の2回目接種に伴ってさらに増悪し、3ヶ月間に渡って遷延した症例を経験しました。この皮膚症状は水疱とともに有痛性の皮膚血管炎を伴っており、抗ヘルペス薬内服を使用することで治癒しました。COVID-19のmRNAワクチン接種後には水痘帯状疱疹ヘルペス感染症が多く報告されていますが、自験例のように3ヶ月も遷延持続した症例は非常に稀です。また、その皮疹部を調べるとCOVID-19のスパイク蛋白(※)が検出されたことから、ワクチンの副作用としてmRNAがコードするスパイク蛋白が皮膚病態に関与している可能性を示唆しました。
本研究は皮膚での検討でしたが、今後臓器で発現するスパイクにおいても同様に証明することができれば、mRNAワクチンによる臓器別副作用の証拠となりうるかもしれません。
<論文名>
Persistent varicella zoster virus infection following mRNA COVID-19 vaccination was associated with the presence of encoded spike protein in the lesion
<和 訳>
新型コロナワクチン接種後に生じた遷延性水痘帯状疱疹ヘルペス感染症の皮疹部にワクチンmRNAがコードするスパイク蛋白が存在した
※スパイク蛋白‥ウイルスの表面にある突起状をしたタンパク質のこと
<掲載論文 (2022.8.26)オンライン公開>
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cia2.12278
Mayuko Yamamoto, et. al. Journal of Cutaneous Immunology and Allergy, in press “Persistent varicella zoster virus infection following mRNA COVID-19 vaccination was associated with the presence of encoded spike protein in the lesion”