【ロンドン=伊東和貴】今年のノーベル平和賞が中国の人権活動家、劉暁波(リウ・シアオポー)氏に授与されることを巡り、授賞式が来月行われるノルウェー・オスロにある欧州各国の大使館に式典に参加しないよう求める書簡を中国政府が送った。
AP通信が伝えた。書簡は、劉氏への授賞は内政干渉だと指摘し、欠席とともに、式典当日に劉氏支持の声明を発表しないよう求めた。また中国は10月下旬から、北京でも数カ国の外交官に対し同様の要請をしているという。
一方、ロイター通信によると、中国の崔天凱外務次官は5日、北京で記者団に対し、「欧州各国の選択肢は単純かつ明快だ。中国の司法制度に挑戦する政治ゲームに参加したいのか、中国と友好関係を築きたいのか。誤った選択は(否定的な)結果をもたらす」と述べた。
授賞式は12月10日、オスロ市庁舎である。だが、劉氏の家族の参加すら絶望視されている。