高木遊の『熱闘通信』

　※ この記事は、2913年９月に執筆されたものです。

　
　まだ３年生。しかし「もう３年生」とも言える。卒業後もプロや社会人など高いレベルで活躍するためには、この３年秋のシーズンに結果を残しておきたいのが選手の本音である。
　今回は激戦極める東都大学野球2部リーグでチームの主戦格を期待される投手２人の今季に懸ける気持ちを紹介する。




森脇亮介（もりわき・りょうすけ）・・・京都府出身。福知山市出身ながら、京都成章の野球に憧れていたため、京都成章の監督を務めていた奥本保昭氏が赴任した京都市立塔南高校に進学し、１年秋には近畿大会に出場。甲子園出場はならなかったものの、素質を買われ日本大学へ進学し、現在３年。173cm65kg。右投右打


ヒットを打たれても結果としてゼロに抑えたい（森脇）

まず春季を振り返ってですが、目標であった開幕投手を務めることはできましたが、後半戦は登板できませんでしたね

森脇「肩を痛めて後半投げられなくなってしまい、投げられるようになったのはリーグ戦が終わる頃でした。それで段々と調子が上がって今という感じですね」


その悔しい春を経て、重点的に取り組んだことはありますか？

森脇「やっぱりストライク先行で投げれるようにということは、投手陣全体で取り組んでいます。具体的にいうと、３球で２ストライク１ボールのカウントを作ることを目標にしていて、ブルペンでも意識していますね」


対戦していて、やりずらい打者はいますか？

森脇「陽川選手（東京農業大学）ですね。実際対戦してみて、他の打者と違うと思うのは甘いところを見逃してくれないところですね。カウントを悪くしてストライクを取りに行くと打たれてしまうのでそこは気をつけないといけません。各チーム２人ぐらいは要注意の打者がいるので、そこをしっかりと抑えるようにしていきたいです」

理想の投手像はありますか？

森脇「ヒットを打たれても結果としてゼロに抑えているとか、打たせて取るとかですね。極端に言えば27球で試合を終わらせるようなイメージですね」


最後に秋季の目標を教えてください

森脇「個人的な目標でいうと勝ち星を４つ。いや・・・５つですね（笑）チーム的にはもちろん優勝をして１部に上がることが目標です」




開幕投手を務めながらも不本意な結果に終わった春季。「上でやろうと思ったら結果を出さないと獲ってくれないと思うので、過程も大事にしながらも結果を求めていきたい」と秋季への決意を語った



勝ちに繋がるピッチングを（谷川）



谷川昌希（たにがわ・まさき）・・・福岡県出身。小学校1年の時から軟式野球を始め、中学からはジャパンリーグ（硬式）・八女スカイホークに所属。進学した筑陽学園高校では故障に苦しんだが、その素質を買われ、東京農業大学に進学し、現在３年。 175cm76kg、右投右打。


この夏はどんなことを重点的に取り組みましたか？

谷川「 春までは力勝負なところがあったのですが、うまく相手の心理を読んで投げることができたらなと思っています。フォームとしてはやや前に突っ込みすぎるところがあったので、重心を少し後ろに残して前でボールを放すイメージでやっています。でもまだあまり上手くいっていませんね」


筑陽学園は甲子園にあまり出てない（出場夏1回）割にと言ったら失礼ですが、長野選手（巨人）や昨年まで日大にいた井上選手（現ホンダ）など良い選手がたくさん育っていますね

谷川「高校のときの監督（江口先生）が厳しい方だったので、徹底することは徹底してやって、縛られた部分もあったんで、それが大学入って少し緩まることで皆良くなるのかなあと思います（笑）あとは、社会人で活躍している方も多いので、刺激になっています。自分も社会人に行けたら行きたいですけど、今年結果を出さないという気持ちですね」


防御率は良かったが、春季は1勝に終わりました

谷川「そんなに勝てていないので、勝ちに繋がるピッチングをしたいですね。テンポ良く投げて味方の打線に勢いを持たせられたら理想的ですね」


では最後に、秋に目指す投球を教えてください

谷川「先発させてもらったら、三振とかは狙わずに野手を動かしていけるようにリズムを作って、それが打線にも生かせるようにしたいです。春は結構勝てた試合を落としてしまったので、野手としっかり連携を取って、ミスしてもお互いで埋めていけたらなと思います」



秋季初登板となった9月10日の国士舘大戦では６失点で敗戦投手。球の勢いではチーム１番のモノを持っているだけに、「勝てる投手」への脱皮を目指している。※写真はオープン戦時


文・写真：高木遊
日本大学写真提供：日本大学硬式野球部
東京農業大学写真：山本晃子
取材協力：日本大学硬式野球部、東京農業大学硬式野球部