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2022.09.09

「ネイバーズファーム」 川名桂さん聞く美味しいトマトの話

東京都日野市で農園「ネイバーズファーム」を経営している

川名桂さんが登場。

農業を志したきっかけや農業へかける思い、

メインで作られているトマトへのこだわりや

若手農家のこれからの取り組みを伺いました。

ネイバーズファーム HP コチラ

カラフルミニトマトのスイートピューレ【3色セット】

オンラインショップ →  コチラ

 

農業との出会い

大玉トマト、中玉トマト、カラフルミニトマトなどいろいろな種類のトマトを栽培。

その他、夏はナスやオクラ、冬はホウレンソウなど季節のものを

年間通して20~30種類栽培。

スタッフが1名、あとはボランティアの方々にもお手伝いいただいている。

自分は学生の時に農業を勉強。

農産物の加工や開発、販売をメインに仕事をしたいと思って就職をしたが、

縁があって、栽培の担当になり、それがとても面白く、

どんどんその道にはまっていった。

農家さんから、こだわりや品質に直結する部分を教えてもらった。

「トマトの表情を読めるようになりなさい」が

農家さんからの最初の一言だった。

自分がおこなうこと、水や肥料の管理が毎日のトマトの様子にとても表れる。

それをよく観察し、今日は良かった、悪かったということをトマトから教わる。

これが面白いと思った。

幼少の時、海外に住み、東京大学農学部を卒業。

東大入学時は将来のことを考えずに文系の科にはいった。

しかし、入学後将来どのように仕事をしたいか考えるようになり、

行ったことのない国、途上国を中心にスタディツアーやボランティア旅行に参加。

途上国で農業の世界に初めて出会った。

そして、海外で自分の力を発揮するとき、理系職として、

専門的な力や技術をもって、協力できたらと考えた。

 

 

トマトの魅力

「カラフルミニトマトのスイートピューレ」は、

砂糖も控えめでトマト本来の甘さでできている。

緑、黄色、赤のそれぞれの色のトマトを煮詰めて作り、3色で展開。

お客さんにお渡しできない割れてしまったトマトを

洗浄し、冷凍。一粒も無駄にしないということを目標に商品化。

そのほか、飲食店で、トマト料理に使ってもらったり、

日野市にあるカフェでは、トマトシェイクとして使ってもらったりしている。

売り上げの9割がトマト。トマトをメインで作っている。

店ではたくさんの種類のトマトが売られているが、

自分の好きなトマトを見つけるのも楽しい。これがトマトの魅力の一つ。

毎朝収穫したものを詰めて、午後には畑の前にある直売所に並べているので

新鮮なものを食べていただける。

地域の人も声をかけてくれる。お客さんとコミュニケーションを取れ、

お客さんも喜んでくださるのがわかり、自分も嬉しい。

もともと新卒で大きな農業法人に努め毎日何トンものトマトを作り、

全国に配送する仕事をしていた。

この時、自分が農場でみた時には、すごくいいトマトができたと思っていても

お客さんに届いたときには違う姿になっていることがよくあり、

自分で作ったいいトマトを一番いい状態に届けたいと思い、

東京で農業を始めようと思った。

 

 

トマトづくりのこだわり

トマトのことだけを考え、設備や技術を取り入れたビニルハウスを2年前に建設。

トマトにとって一番いい温度、湿度、日射量、CO2濃度を管理し

トマトがすくすく育つ環境を整えている

ココナッツのやしがらを使った培地を使用。

これは土を使うより、より細かい水分管理、肥料管理ができる。

トマトは水が多すぎると味が薄くなってしまうなど、土に左右されるので、

細かく管理する。

光合成を高めると糖度が上るが、

その光合成のためには二酸化炭素が大切なエネルギー源になる。

冬、夜に暖房を入れ排出されたガスを再利用し、

トマトに吸わせるという循環する技術を取り入れ、

二酸化炭素の排出を減らしている、

ネイバーズファーム設立から4年目。毎日試行錯誤を繰り返している。

台風などでオクラが倒れてしまったりしたとき、

農業は自分の計画通りにならないと思った。

フィリピンの島を訪れたとき、農業を中心にした生活をみて、

価値観が変わった。

お金を生み出すことと人間の幸福は直接的に関係ないと思った。

売り上げが思い通りにいかなくなったとしても、

毎日自然にふれ、自然災害も受け入れながら生きることが

実は幸せなのではないかと農業を通じて思えるようになった。

 

 

農業の楽しみ

農業はちょっとした工夫で成長が変わったり、

ちょっとしたアイディアで喜んでくれるお客様に出会えたりする。

毎日試したいことが沸いてくるのが楽しいところ。

しかもすぐに試すことができ、すぐに結果が出るので毎日楽しい。

「農業とは遊びの実験場」である。

農作業はやってみると楽しいし、体もきもちいい。

太陽を感じて汗を流し、夜はぐっするねむる、

都市にいるとそのような経験から離れてしまうのがもったいない、

都市にいる人にも農業のいいところを体験を伝えられたらと思い、

街中で農園を始めた。

農業が身近にあることが、地域の皆さんに喜んでもらえると思い、

名前を「ネイバーズファーム(=お隣さんの農園)」とした。

朝収穫したものを午後、農園の直売所に並べ、地域の直売所に集荷。

鮮度が違うとトマトの味が違う。

完熟採りをする農家は多いが、その後いかに早く食べるかで酸味が変わってくる。

時間がたつほど酸味が落ちてくる。

糖度と酸度が両方高いと味が濃いトマトに感じると気が付き、

いかに早く食べてもらえるかということを考えて出荷している。

 

 

農業の仲間~これからの夢・目標

東京も農家の高齢化が進んでいるが、

20代、30代で新しく農業を始めたり、農家を継ぐ人も増えているので

その人たちと一緒に農業を盛り上げていきたい。

昨年、日野市の若手農家で「Hino Blue Farmers Club」を結成。

共同販売やイベント出店などで、地域の人に農業をPRしていきたい。

また、今年初めて「ひのトマトフェス」を開催。

日野はトマトの生産が盛んで、「日野ファーストトマト」というブランドが

名を轟かせていたこともあった。

とてもいいトマトを作る農家さんがたくさんいる。

そこで、日野市のトマト農家さんを集めて、

トマトの食べ比べなどトマトを楽しめるイベントを企画した。

今年大好評で終えたので、来年も開催したいと思っている。

10月9日にネイバーズファームのオープンデーとして農園を解放する。

獲れたて野菜のピザをみんなで作ったり、

その場に畑があるからできる楽しみを提供。

農業をやっていると、周りの方が毎日おいしい野菜をありがとうといってくれる

すごく必要とされていると実感できる素晴らしい仕事だと思っている。

農園に関わって感じてもらえる価値観を多くに人に感じてほしい。

都市に住んでいる方々が、より農業を身近に感じて、

自分が住んでいる町をより好きになってもらえるような未来が自分の夢。

 

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