綿半、PB商品で攻める 年度内に5000点投入へ
■物価高で需要見込み
綿半ホールディングス(HD、飯田市)は小売り事業で、プライベートブランド(PB)の商品を本年度内に新たに5千点近く投入する計画だ。現在扱う商品は約6500点。新型コロナウイルス下の巣ごもり需要が広がり、物価の高騰も続く中、低価格の商品や、おいしさや機能性を工夫した商品にニーズが高まっていると判断した。特に食品分野の開発に力を入れる。
■全商品の50%目指す
PB商品は現在、グループのホームセンターやスーパーなど38の小売店で、業態によりそれぞれ異なる商品を販売しており、小売り事業で扱う商品の点数全体に占める割合は10%未満。綿半HDの野原勇社長は取材に「早いうちに全商品の50%程度まで取り扱い比率を高めたい」と説明。PB商品のみを扱う店舗の開設も今後検討するとした。
PB商品は10年ほど前から、グループの商品の仕入れを手がける綿半パートナーズ(飯田市)が開発を担ってきた。約3年前、同社の商品部内に開発チームを置き、今年4月に専従の部署「プロダクトユニット」を設けた。
■「食」に重点 他店との差異化を狙う
販売しているPB商品のうち8割は衣類や住まい関連で、食品は2割ほど。だが、愛田真也ユニットマネージャーは、物価高などを受け、県産のコシヒカリや牛乳などは「引き合いが強い」とする。低価格の商品は容量も多くしており、乾麺のそばは800グラム入り(税込み214円)、ミネラルウオーター「水MIGAKI」は2リットル6本入り(店頭希望小売価格=同378円)などで展開する。
上質さを意識した商品では、グループのシェフが監修したレトルトのミートソース「社長に内緒で肉を入れすぎたボロネーゼ」(税込み330円)を5月に発売、ネーミングも相まって好評だ。ワイナリーで製造したりんごジュース「WINERIN(わいなりん)」(720ミリリットル入り、同1058円)は贈答用や土産品としての需要も見込む。
綿半HDは、今後も食品の需要は根強いと見通し、ジャンルも幅広く取りそろえるとする。愛田マネージャーはPB商品で「他店との差異化につなげたい」と話した。
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