貴方は中央トレセン学園から追放されることを希望しています。   作:はめるん用

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ふろすと。

「ウ~ララ~♪ これならわたしも負けないぞーッ!」

 

「わぁ~、ウララちゃんすっごーい☆ けど、マヤだって負けないもん!」

 

「ちょ、なんでふたりともそんなに速いのさ!? ワケわかんないよッ!」

 

 

 現在、貴方の目の前では3人のウマ娘がマットの上で逆立ちしながら競走しています。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 ことの始まりはハルウララがルームメイトのキングヘイローに“守銭奴”の意味を尋ねたことにあります。どうにかわかりやすいようにと噛み砕きつつ説明したものの、いつのまにか頭の中で謎の連想ゲームが開始されていたようです。ハルウララは貴方のことを有マ記念に勝たせてくれるヒトと結論付けました。

 ルームに突入してくるなり満面の笑みでトレーニング計画表を掲げるハルウララの横で、苦労人オーラをこれでもかと纏っていたキングヘイローの姿を貴方は当分忘れることはできないでしょう。

 

 これにはさすがの貴方も悩みました。アプリ世界の影響もあるのか、ハルウララの潜在能力はそれほど悪くありません。しかし、現在の彼女の能力は悲しくなるほど低い。なぜトレセン学園に入学できたのかわからないと言われるのも納得のレベルです。

 

 勝てそうなウマ娘に、金になりそうなウマ娘を選り好みして声をかけるのが悪のトレーナーとして正しい姿。ハルウララの可能性が完璧に秘められた状態で面倒を見れば、もしかしたら“実は良い人なのでは?”という勘違いが生まれてしまうかもしれない。

 これは貴方にとっては重要な分岐になります。どういうワケか貴方はメジロ家との敵対に成功していることを疑っていませんので、良い流れが断ち切られることを懸念しているようです。

 

 

 そんな悩む貴方の頭にとある紳士の言葉が舞い降りました。そう“逆に考えるんだ、面倒を見ちゃってもいいさ”と。

 

 

 ハルウララの希望は有マ記念です。彼女の脚質はダートかつ短距離なので、普通のトレーニングではどう頑張っても適応できません。つまり、チート能力を最大限に活かした変則的なトレーニングが必要となります。

 その様子を客観的に見れば、きっと純粋なウマ娘を騙して玩具にするクズそのものであるはず。なによりも最大のメリットとして、ハルウララの弱点である飽き性の対策にもなります。

 

 ハルウララの夢の手助けをしつつ、自分の評価を下げることもできる。貴方が彼女のトレーニング計画表を受け取らない理由はなくなりました。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 そして現在。

 

 トレーニングはなかなか面白いことになっています。ダートに適性を持つウマ娘はパワーに優れていることは知識として知っていましたが、逆立ちをするハルウララはとても安定して前進しています。

 さすがにミスターシービーやメジロライアンには追い付けませんが、腕力での勝負ではトウカイテイオーやマヤノトップガンと互角以上の戦いが可能なようです。

 これを巧く加速力に変換できるように導くことができればあるいは……ハルウララの有マ記念チャレンジにも光明が見えるかもしれません。

 

 と、ハルウララの問題には対応できそうなのですが……。

 

 

「ふしゅぅッ! ふしゅ……ッ!!」

 

「ほらキングちゃん! ゴールまでもうちょっとなの! 頑張って!」

 

「こ、こ、この程度ぉッ! キングには、朝めし前でぇぇぇぇッ!! ──ひゃんッ!?」

 

 

 どうやらもうひとりの、一流の有マ記念チャレンジも前途多難なようです。




そんなにシービーのメイクデビューが見たいのか、アンタたちはぁぁぁぁッ!!

私もソーナノ。
(手首レブチューン並作者)


その辺りはいましばらくお待ちください。具体的にはあと14話ほど。

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