因縁の相手は階段   作:さくらいJAN

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33話 覇王の資質

○月〇日

 

 

 

 

 

強くなるための作戦を立てた。

名付けて酔ったカイドウを戒める大作戦。

 

原作でもあったシーンだ。

カイドウが酔ってるときにおバカな部下がカイドウを怒らせて金棒でぶん殴られるやつ。

あれを防げば怒るはず。

というか既に怒ってるときにあれは出るんだけどね。

 

この作戦なら別に逆らったということにはならんだろ。

酔いがさめたら許してくれるはずだし。

 

今カイドウは遠征中だ。

帰ってくるのは来月かな?

その時は宴会が開かれるはずだ。

 

それまでは適当に領民にちやほやされるか。

出先で持ち帰った果物を上げたり奪った衣服を上げたり。

すでに女神扱いだが好感度稼ぎは続けてる。

趣味だしね。

 

あと、錦えもんの嫁さんのとこに菊の丞が現れたら赤鞘が出現したって分かるしね。

ワノ国は新聞が届かないからどのタイミングでシャボンディでの再会になるか分からないんだよね。あーあ、こんなことになるなら日付数えときゃよかった。

 

 

 

 

○月〇日

 

 

 

 

 

 

カイドウが帰ってきた。

九里の報告とか適当なこと言って鬼ヶ島へ。

 

飲んでる飲んでる。

機嫌良いな。

スマイルのおかげかもしれんな。

最近ギフターズ増えてるし。

まあプレジャーズも増えてるけど。

 

スマイルは凄い。

東の海の名無しモブがクリークくらいにはなる。

それこそ2年前ゾロが苦戦したヒューマンドリルを量産するようなもんだしね。

だから最近上機嫌なんだろうな。

 

 

さて、カイドウが酔って怒るまで待ちだな。

せっかくの宴会だ。

私も酒を飲もう。

芋けんぴうまうま。芋焼酎うまうま。

 

 

そんな感じで飲み会を楽しんでると、

ページワンがいきなりぶっこんできた。

 

クイーンさんと水雉さんってどっちが強いんすか?

だってさ。

そんなこと聞かれたら当然、

 

 

「おれだ」「私です」

 

 

こうなる。

私だってめっちゃ努力してるんだ。

強さは譲れない。

 

そこからは喧嘩だ。

海軍だったらこうはならなかったな。

赤犬ともこうやって殴り合ってたら仲良くなれたかも。

いや無理か。

 

流石に細菌は使ってこないので私が押し気味だ。

でも長引くなあ。

近い実力の相手とやってても鈍りはしないが成長はそんなに。

 

そうだ。

良いこと考えた。

 

私は大きくステップアウトして獄炎嵐を撃つしぐさをする。

クイーンは距離を詰める為にブラキオサウルスの姿になって頭突きを繰り出してくる。

よし、ここだ。

 

私は右に避けて思いっきり蹴り飛ばした。

風車みたいにくるくる回りながら吹っ飛ぶクイーン。

もちろんこんなんじゃあ倒せない。

だが、それが目的ではない。

 

クイーンはくるくると回りながらカイドウの方へ。

もちろん狙った。

 

クイーンの頭が楽しく飲んでたカイドウの手に当たる。

流石のカイドウとはいえ、酒をこぼした。

 

空気が凍った。

少しずつ後ずさる宴会メンバー。

冷や汗を流すクイーン。

 

 

カイドウは笑い上戸から怒り上戸へ。

金棒でクイーンをドーン!と。

まあクイーンなら3分くらいで復活するだろ。

 

そのままカイドウの怒りは私のほうへ。

私は酔ったふりをして、応戦する。

 

 

 

そこからはもう、地震と雷と火事と台風が同時に来たみたいな大惨事になった。

ガープ中将とやった時みたいにボロボロになった。

手足が取れるかと思った。

でも、ひとつ収穫があった。

 

ふふふ、覇王色、発現したぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ページワン視点】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クイーンさんと水雉さんってどっちが強いんすか?」

 

 

つい酔って思ってたことを聞いてしまった。

キングさんとクイーンさん、どっちが強いか。

いつも疑問だったが、聞くことは出来なかった。

でも水雉さんなら怒らないだろうなという変な安心があって、つい聞いてしまった。

 

 

こんなことを聞いたら喧嘩が始まるなんて火を見るよりも明らかだ。

おれは姉貴に注意されながらも遠巻きに戦いを見守った。

 

機動力は水雉さんが上。

攻撃力も水雉さんがわずかに上。

ただ、攻撃範囲と耐久はクイーンさんが圧倒的。

その代わり被弾範囲も広いが。

 

じりじりと追い込まれていくクイーンさん。

だが、ゾオン系のタフさは身をもって知っている。

あの調子なら1日じゃあ勝負はつかないな。

 

おれは周りを見渡した。

キングさんもジャックさんも他の飛び六胞も興味深そうに見ているし、カイドウ様も機嫌よさそうだ。

 

怒ってなくて良かったと思い、視線を戻すと、水雉さんが腕を突き出した。

あれはやばい。

偶に見るが、カイドウ様のボロブレス並みの威力の爆炎だ。

そんなもの撃ったら宴会場が吹っ飛ぶぞ!?

 

思わず警戒すると、フェイントだったようで動作を潰しにきたクイーンさんを蹴り飛ばした。

くるくると吹っ飛ぶクイーンさん

ちょっと面白い。

 

だが、そんな面白さも吹っ飛んだ。

クイーンさんがカイドウ様にぶつかったからだ。

 

殴り飛ばされたクイーンさん。

水雉さんも制裁されるかと思いきや、顔を真っ赤にして(泥酔と怒り?)、

 

 

「仲間に手を上げるとは何事ですか!?」

 

 

と叫んでカイドウ様に斬りかかった。

いやあんた今蹴飛ばしたじゃん、と誰もが思ったが、何も言えず黙って避難した。

結果、百獣海賊団の実質的な実力No.1とNo.2がぶつかった。

 

 

 

カイドウ様は八斎戒を手に雷鳴八卦を放つ。

前はそれに一撃で沈められたらしいが、今回は避けきって斬りかかった。

出た、一瞬で九撃叩き込む技だ。

 

カイドウ様は結構効いたようだ。

カイドウ様の悲鳴なんて初めて聞いた。

 

カイドウ様は龍の姿に変わりボロブレスを吐く。

水雉さんは獄炎嵐を放った。

 

同じくらいの威力だと思ったが、まさか本当に相殺するとは。

強いとは思っていたが、強すぎる。

本当におれの一個上か?

 

 

続けてカイドウ様が竜巻を放つと、水雉さんは吹っ飛ばされながらも爆発で軌道修正。

カイドウ様の追撃を避け、飛ぶ斬撃を放ち、それを追うように居合を放つ。

前に見た技だ。しかし、込められている覇気がケタ違いだ。

 

カイドウ様が血を流した。

これも初めてだ。

 

しかし、対等に戦っていたのはそこまで。

それからはカイドウ様の酔いもさめ、人獣型になってからは一方的だった。

速さも覇気も桁違いだ。

だが、それでも立ち向かう姿は感動的ですらあった。

 

途中、カイドウ様の攻撃と水雉さんの攻撃が当たってないのに相殺されていた。

カイドウ様の攻撃がプレジャーズを数人巻き込みそうになった時だ。

水雉さんは何でかあいつらにも優しいからな。

怒りながらカイドウ様の金棒を刀で防ごうとした結果だ。

 

その現象がおきてから、カイドウ様は少し驚いた様子を見せつつも水雉さんをぶっとばした。

勝負ありだ。

 

この戦いを見ておれは確信した。

なるほど、強くなるために必要なのはこれか、と。

明らかに戦い始めた時より、後半の水雉さんの方が強かった。

強くなるためには強者と戦う必要がある。

鍛えてるだけじゃあ駄目なんだ。

 

もちろん、鍛えることも大事だが、壁を超えるには戦いが一番だ。

おれはそれを確信して、次の日から格上のフーズ・フーに頼んで戦闘訓練を始めた。

強くなるぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




地震雷火事親父の親父=台風って説ありましたよね。
ペーたんホンマおちゃめ。

カイドウには流桜しか効かないことは知ってたので流桜で攻撃をし続けてたら、
なんか発現した覇王色をそのままの流れで纏って攻撃しました。

覇王色の条件って何でしょうね?
覚醒と同じくらい気になります。
後から主人公には無理って情報が出てきたらどうしよう?

血統だったらゾロが使えるっぽいしいけそう。
自分をリスペクトしてるプレジャーズ達を殺されかけて怒った描写もいれたのでサイヤ人方式でも大丈夫だと思いますが。
まあいっか。

とうとう壁を越えました。
これでゾロにワンパンされずにすみますね。


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