獄死の詩人・尹東柱を偲ぶ 宇治・碑建立3周年で集い

小西良昭
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 戦時中、留学先の京都で治安維持法違反の疑いで逮捕された韓国の国民的詩人・尹東柱(ユンドンジュ)(1917~45)。京都府宇治市内の記念碑で10月31日、碑建立3周年の集いがあった。

 碑は宇治川上流の天ケ瀬つり橋近くにある。尹は43年、この橋で同志社大の仲間と写真を撮った。朝鮮独立運動に関わったとして同年に逮捕され、福岡で27歳で獄死した。歴史を伝えようと市民らが2017年10月、橋の近くに「詩人尹東柱 記憶と和解の碑」を建てた。

 この日は在日コリアンを含む約80人が参列。尹の代表作「序詩」などを朗読し、劇団四季で活躍した歌手の鄭雅美(チョンアミ)さん(43)=宇治市=が尹の好きな歌を披露した。同志社中学3年の短田美紘(たんだみひろ)さん(14)は「才能ある詩人が苦しんで死ぬ。戦争はよくないと、改めて思った」。主催代表の安斎育郎・立命館大名誉教授も「尹を入り口として、平和と人権の普遍的な問題を発信したい」と話した。(小西良昭)